2013-08-08

八重垣神社・神魂神社など、出雲でお詣りした神社まとめ

八重垣神社・神魂神社など、出雲でお詣りした神社まとめ

島根県の出雲地方へ旅行中にお詣りした神社を、まとめてご紹介しておきます。出雲大社・八重垣神社・神魂神社・熊野大社・須我神社・美保神社と周りましたが、いずれも古事記の世界が身近に感じられるようで素晴らしいですね。また、出雲に多い神殿の建築様式「大社造」だったり、独特の「出雲式」の狛犬を見たり、とても楽しかったです!(※お詣りしたのは2012年秋です)


式年遷宮の真っ最中だった『出雲大社』

2012年の秋、夫婦で島根に2泊3日の旅行へ行って、島根県内の神社や遺跡・博物館などを拝見してきました。古事記ゆかりの土地や古代遺跡、歴史ある古社が遺る出雲地方は、とても魅力的なところで、1泊では物足らずに延泊したほどでした。

奈良へ戻った直後から、何箇所かブログにアップしてきたのですが(「島根」カテゴリーの記事)、ご紹介したいスポットがあまりにも多く、その大半は後回しのまま公開されずに手元に眠っています。このままではあまりにも勿体ないのですので、いつもの記事とは異なりますが、ダイジェスト版で軽めにご紹介していきます。


島根の神社のスタートは、もちろん『出雲大社』から。以下の記事に書いてあります。


2012年9月当時は、まだ式年遷宮へ向けての大工事中で、いつもなら本殿にいらっしゃるられている大国主大神(おおくにぬしのおおかみは、仮の住まいである「御仮殿」へ移っていらっしゃっていました。もう新しい本殿へお戻りになられていますので、また改めてお詣りにいきたいですね。


出雲大社@島根県出雲地方-01

日本有数の古社『出雲大社』。この日は「平成の大遷宮」の真っ最中で、普段は本殿におわす大国主大神は、この「御仮殿」へ移っていらっしゃいました。本殿の建て替えはすでに終了していますので、ある意味では貴重な体験でした

出雲大社@島根県出雲地方-02
拝殿の「大注連縄」。長さ6.5m・重さ1トンもあります。出雲を象徴する光景ですね

出雲大社@島根県出雲地方-03
これは2007年にお詣りした時のもの。背後に本殿の屋根が見えますね

出雲大社@島根県出雲地方-04
出雲大社の御朱印。シンプルで美しいですね!


■出雲大社

HP: http://www.izumooyashiro.or.jp/
住所: 島根県出雲市大社町杵築東195
電話: 0853-53-3100
主祭神: 大国主大神
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 一畑電車「出雲大社前駅」下車、徒歩7分


縁結びの神社として知られる『八重垣神社』

松江市佐草町にある、縁結びの神社として知られる『八重垣神社』(Wikipedia)。古くは「佐久佐神社」という名前だったそうです。

出雲の地でヤマタノオロチを退治した「素盞嗚尊(すさのおのみこと)」と、命を救われてその妻となった「櫛稲田姫(くしなだひめ)」を祀っており、良縁祈願にご利益があるとして知られています。「パワースポットで恋愛成就」的な女性の姿も多く、出雲のお社の中でもひときわ華やかでした!

八重垣神社では、裏手にある「鏡の池」での占いが有名です。小銭(10円か100円)を乗せた占い用紙を浮かべると、紙にお告げの言葉が浮かび上がります。早く沈むとご縁が近いとされ、紙が遠くまで流れると遠くの人と縁があるとされるとか。私もやってみましたが、ちょっとドキドキしました(笑)


八重垣神社@島根県出雲地方-05

八重垣神社の鳥居。駐車場は裏手にあります。お天気がいまいちでしたが、たくさんの参拝客で賑わっていました

八重垣神社@島根県出雲地方-06
独特のフォルムの狛犬。不思議な流線型ですね!

八重垣神社@島根県出雲地方-07
八重垣神社の拝殿。素盞嗚尊と櫛稲田姫のご夫婦を祀る、良縁祈願のお社ですから、カップルや女性たちが多いようです

八重垣神社@島根県出雲地方-08
裏手にある「鏡の池」。拝殿の隣の社務所で「鏡の池 占い用紙(@100円)」がいただけますので、それをここに浮かべます

八重垣神社@島根県出雲地方-09
占い用紙にコインを乗せて浮かべると、文字が浮かび上がります。私のものには「静かに待て 運開く 西と北 吉」とありました。100円を乗せたら、それなりに時間がかかって沈んだような。良縁があったかはともかく、この直後に見事な虹が見えました!

八重垣神社@島根県出雲地方-10
八重垣神社の御朱印です。ここの神社のお名前は印のみのシンプルなものでした


■八重垣神社

HP: 参考サイト(出雲國神仏霊場)
住所: 島根県松江市佐草町227
主祭神: 素盞嗚尊、櫛稲田姫


死の国と境界「黄泉比良坂」に近い『揖夜神社』

松江市東出雲町にある『揖夜神社(いやじんじゃ)』は、古事記に生の国と死の国との境目として登場する『黄泉比良坂(よもつひらさか)』(紹介記事)の近くに位置します。祭神は、死の国からかろうじて逃げ延びた国産みの男神・伊弉冉尊(いざなぎのみこと)。さらに、大己貴命・少彦名命・事代主命などが祀られています。

異世界との境界に近い場所へ、夕方になってからお詣りしたものですから、なかなか不思議な雰囲気がありました。燈籠の下に亀があったり、狛犬がお尻を高く突き上げた出雲式だったり(この辺りでは珍しくありません)、本殿の形が出雲大社と同様の「大社造」(Wikipedia)だったりと、しっかり出雲らしさが感じられるお社でした。


揖夜神社@島根県出雲地方-11

松江市東出雲町の静かなエリアにある古社『揖夜神社』。道はややこしいですが、車で数分のところには、古事記に登場する日本初の夫婦げんか(?)の舞台になった「黄泉比良坂」があります。死の世界への入り口がすぐそこにあるんですね

揖夜神社@島根県出雲地方-12
鳥居の脇の燈籠。足元は亀が支えていますし、笠部分に寺院建築のような垂木が作ってあって、その精巧さに驚きました。石でここまでできるんですね!

揖夜神社@島根県出雲地方-13
揖夜神社の狛犬・阿形。頭を下げてお尻をあげ、尾を高々と掲げる形は「出雲式」などと呼ばれるそうです

揖夜神社@島根県出雲地方-14
ふとしめ縄。かつて島根東部の古社「意宇六社」を巡る六社参りというものが流行り、揖夜神社もその1社でした(熊野大社・真名井神社・揖夜神社・六所神社・八重垣神社・神魂神社の六社)

揖夜神社@島根県出雲地方-15
大社造の本殿に西日。時間が遅かったため御朱印はいただけませんでした


■揖夜神社(いやじんじゃ)

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 島根県松江市東出雲町揖屋2229
主祭神: 伊弉冉尊(いざなぎのみこと)


現存最古の大社造の本殿が美しい『神魂神社』

松江市大庭町の『神魂神社(かもすじんじゃ)』は、国産みの夫婦神である、伊弉冊大神・伊弉諾大神を祀る古社です。とても静かな土地にあり、参道から神さびた雰囲気が感じられる、素晴らしいお社でした。

神魂神社の「本殿」は、現存最古の「大社造」(Wikipedia)の建造物で、国宝に指定されています。修理の際に柱から、1346年の墨書が見つかっていますが、現在のものは1583年の再建のものと考えられているそうです。貴重な神社建築が間近で、しかもぐるりと周囲を一周して見られるなんて、こんなに楽しいことはありません!

また、本殿向かって左手に「貴布祢(きふね)社」があります。この社殿は桃山時代のもので、珍しい「二間社流造」となっており、重要文化財に指定されています。私のような神社建築も好きな人間にとっては、見どころが多い神社でした。


神魂神社@島根県出雲地方-16

『神魂神社』の鳥居。参道のここから、それほど距離はありませんが、とても神さびたいい雰囲気になっています。苔むした手水石など素晴らしかったです

神魂神社@島根県出雲地方-17
拝殿と本殿(国宝)。出雲大社などに伝わる「大社造」の建築物としては現存最古のもの。大社造の大きな特徴は、正面が2間で真ん中に柱がくること。他の神社や寺社建築ではたいていは3間以上に作ります

神魂神社@島根県出雲地方-18
神社の本殿は全体が見えづらいことが多いのですが、神魂神社の本殿は間近からはっきりと見られます。建物の正面中央に柱が立っているのが見えますね。宇豆柱が壁から大きく張り出していたりと、大社造の古式を伝えるものだのだそうです

神魂神社@島根県出雲地方-19
背後からも見られます!迫力ですね!

神魂神社@島根県出雲地方-39
向かって左手が、重要文化財に指定されている「貴布祢社」(右手は稲荷社)。「二間社流造」という珍しい形式で、草が茂っていて見づらいですが、社殿中央に柱がくるのが特徴です

神魂神社@島根県出雲地方-20
神魂神社でいただいた御朱印です。律儀な書という印象ですね


■神魂神社(かもすじんじゃ)

HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 島根県松江市大庭町563
主祭神: 伊弉冊大神、伊弉諾大神


出雲国一宮とされた古社『熊野大社』

松江市八雲町の『熊野大社』(Wikipedia)は、熊野大神櫛御気野命(スサノオノミコトの尊称)を祀る、出雲国一宮とされた大社です。火の発祥の神社ともされています。

境内にある「鑚火殿(さんかでん)」は、萱葺き屋根、四方の壁は檜の皮で覆われています。1915年に鑚火祭が熊野大社で行われるようになったことから建てられたもので、現在の建物は1991年に建て替えられたものだとか。また、燧杵(ひきりうす)・燧臼(ひきりぎね)が保管されており、出雲國造(出雲大社宮司)の重要な儀式「火継式」に使われます。

歴史ありお社ですが、この日は境内の工事を行なっており、やや風情にかける印象でした。この熊野大社が勧請されて、有名な紀伊の国の熊野本宮となったという伝承もあるようですので、歴史の重みを感じますね。


熊野大社@島根県出雲地方-21

出雲国一宮『熊野大社』。鳥居などが新しくなっていて、この日は境内でも工事が行われていて、やや騒々しい雰囲気でした

熊野大社@島根県出雲地方-22
いかにも出雲のお社らしい風情です。摂社の稲田神社や伊邪那美神社などもあります

熊野大社@島根県出雲地方-23
独特な雰囲気の「鑚火殿(さんかでん)」。古来より、出雲國造(出雲大社宮司)がその職に就く際には、ここに収められた神器「燧杵・燧臼」を使って式を行うのだとか。毎年10月15日にはそれに関連する神事「鑚火祭」が催されます

熊野大社@島根県出雲地方-24
熊野大社の「舞殿」。もともと拝殿だったものを1978年にここへ移したとか。蔀戸(しとみど)を常に開け放っており見事です!ここで神楽や舞が奉納されるそうです

熊野大社@島根県出雲地方-25
スサノオノミコトと櫛名田姫の故事にちなみ、こんな可愛らしい櫛が販売されていました。出雲らしくていいですね

熊野大社@島根県出雲地方-26
御朱印には「出雲國一之宮 熊野大社」とあります


■熊野大社

HP: http://www.kumanotaisha.or.jp/
住所: 島根県松江市八雲町熊野2451番
主祭神: 熊野大神櫛御気野命


「八雲立つ」の言葉も生まれた『須我神社』

雲南市大東町須賀の『須我神社(すがじんじゃ)』(Wikipedia)は、「日本初之宮」を名乗る古社です。祭神は、須佐之男命と稲田比売命のご夫婦、そしてその御子神である「清之湯山主三名狭漏彦八島野命」(すがのゆやまぬしみなさろひこやしまのみこと)

古事記によると、八岐大蛇を退治した須佐之男命は、妻の稲田比売命とともに住む土地を探しました。この土地へ来ると、「気分がすがすがしくなった」として、ここを須賀と名付け、宮殿を建てて鎮座したため、これが日本初の宮殿「日本初之宮」と呼ばれています。また美しい雲が立ち昇るのを見て、スサノオノミコトが「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる この八重垣を」と詠んだため、ここは「和歌発祥の地」とされています。

巨石などがある奥宮もあるそうですが、この日はそこまでお詣りできませんでした。故事のとおり、とても清々しい場所でしたので、またきっと再訪したいですね!


須我神社@島根県出雲地方-27

『須我神社』の鳥居。「日本初之宮 和歌発祥之遺跡」という石碑も建っています。山間の小さな神社に見えますが、歴史の古さはさすがですね

須我神社@島根県出雲地方-29
境内の様子。正面に拝殿が見えます。奥宮へお詣りしなければ、お詣りにそれほど時間はかかりません

須我神社@島根県出雲地方-30
日本で最初の和歌「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる この八重垣を」。八雲に八重垣、言葉遊びのようにも聞こえますが、暴れん坊なイメージの神スサノオが詠んだ見事な歌です。この歌から「八雲立つ」は出雲の枕詞になりました

須我神社@島根県出雲地方-31
須我神社でいただいた御朱印です。「日本初之宮 須我神社」とあります


■須我神社(すがじんじゃ)

HP: 参考サイト(出雲國神仏霊場)
住所: 島根県雲南市大東町須賀260
主祭神: 須佐之男命、稲田比売命、清之湯山主三名狭漏彦八島野命


事代主神系のえびす社の総本社『美保神社』

松江市美保関の『美保神社(みほじんじゃ)』は、国譲り神話で知られる「事代主神」と、その后・三穂津姫命を祀るお社です。事代主神はえびす神としても信仰されており、美保神社は事代主神系3千余社の総本社です(蛭子神系えびす社の総本社は西宮神社)。商売繁盛や漁業・海運の神などとして信仰を集めています。

重要文化財に指定されている「本殿」は、大社造の本殿を二棟並べ、その間を装束の間でつなぐ特殊な「美保造」(または「比翼大社造」)という形式になっています。とても静かで、海のお社らしい独特の清浄な空気感があって、私の大好きな場所でもあります。

美保神社では、古事記の記述を再現した、12月3日「諸手船(もろたぶね)神事」、4月7日の「青柴垣(あおふしがき)神事」が有名ですから、いつか実際に拝見したいと思っています。

美保湾に突き出た美保関の先にあるため、アクセスはあまりよくありませんが、ぜひ突端の「美浦之崎」で美しい海を眺めて、その流れでお詣りしてみてください。余談ですが、この参道でイカの姿焼きなどを売る屋台が出ていますが、これが本当に美味しいんですよ!鳥居のすぐ脇の食堂も、海産物系は期待以上の美味しさですから、お詣りの際にはぜひ!


美浦神社@島根県出雲地方-32

松江市美保関の『美保神社』の鳥居。この両脇にお土産物屋さんがあったり、近くにイカ焼きの屋台が出ていたりします。えびす様を祀るお社(それも事代主神系の総本社です)だけに、海のものにも恵まれているんですね

美浦神社@島根県出雲地方-33
太いしめ縄は出雲らしさを感じます

美浦神社@島根県出雲地方-34
巨大な拝殿も美しいですね

美浦神社@島根県出雲地方-35
大社造の本殿が2つ並び、事代主神と三穂津姫命が祀られています。細かいところまでは見えませんが、とても構造的で興味をそそられますね!

美浦神社@島根県出雲地方-36
近くの「美浦之崎」からの眺め。美しい灯台などもあります

美浦神社@島根県出雲地方-38
美保神社でいただいた御朱印です


■美保神社

HP: 参考サイト(出雲國神仏霊場)
住所: 島根県松江市美保関町美保関608
主祭神: 事代主神、三穂津姫命


※実際に島根県を回ったのは「2012年9月23日~25日」でした


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