2012-10-09

出雲国風土記に記された黄泉の入口『猪目洞窟』@島根県

出雲国風土記に記された黄泉の入口『猪目洞窟』@島根県

出雲市にある『猪目洞窟(いのめどうくつ)』は、出雲国風土記に「夢の中でこの洞窟へ行くのを見たら必ず死んでしまう。昔から黄泉の坂、黄泉の穴と呼ばれる」と記された、死者の国への入口です。さらに、古代人の人骨まで発掘されている、なかなかのスポットなのです。


海水浴場の近くにある、不気味な洞窟

死者の世界「黄泉の国」への入り口とされる場所は、古事記の記述から島根県東出雲町の『黄泉比良坂(よもつひらさか)』(または『伊賦夜坂(いぶやざか)』)が有力とされています。


しかし、同じ島根県内の出雲市猪目町には、「出雲国風土記」の記述から、同じく黄泉の国への入り口とされた『猪目洞窟(いのめどうくつ)』があります。

『出雲国風土記』出雲郡条の宇賀郷の項には黄泉の坂・黄泉の穴と呼ばれる洞窟の記載があり、「人不得 不知深浅也 夢至此磯窟之辺者必死」と記載されている。この洞窟は出雲市猪目町にある「猪目洞窟」に比定されるのが通説である。猪目洞窟は昭和23年(1948年)に発掘され、弥生時代から古墳時代にかけての人骨や副葬品が発見された。

猪目洞窟は、出雲市内(旧平田市)の海岸沿い、23号線沿いの細い道をずっと走った先にあります。すぐ近くが猪目海水浴場となっていますが、アクセスは簡単ではありません。島根半島の西端の「日御碕」の辺りからぐるりドライブするのがいいかもしれません(運転はくれぐれも慎重に)。

ようやくそれらしき場所にたどり着いてみると、これが色んな意味で薄気味の悪い場所でして…。怖いところが苦手な方にはお勧めできません。


猪目洞窟@島根県-01

黄泉の国への入り口だと伝わる、島根県出雲市の『猪目洞窟(いのめどうくつ)』。日本海に沿って島根半島を走る23号線沿いにあります。猪目海水浴場の近くにあり、小さな看板などありますが、見落としやすいのでお気をつけください

猪目洞窟@島根県-02
海側に目をやると、このような景色が広がっています。いかにも日本海沿岸という風景ですね


頭上の凝灰岩の絶壁の圧迫感がすごい!

猪目洞窟は、小さな入江の奥にある幅30m・奥行30mほどの洞窟です。道路からも分かるのですが、頭上は凝灰岩の絶壁ですから、圧迫感がすごいんですよね。さらに、その前に漁船などが無造作に置かれているため、荒れ果てた感があって、それもまた気味の悪い感じを増幅しています。

洞窟の前には2つの説明看板がありました。

一つは、『出雲国風土記』に「夢の中でこの洞窟へ行くのを見たならば、必ず死んでしまう。ここは昔から黄泉の坂、黄泉の穴と呼んでいる」と記されたように、死者の国へと続く入り口と考えられていたこと。

もう一つは、縄文時代中期の土器片などとともに、弥生時代から古墳時代までの生活跡と、13体以上の人骨が見つかった、国指定史跡「猪目洞窟遺物包含層」としてのものです(調査結果について詳しくは「島根県遺跡データベースシステム」で)。

黄泉の国への入り口というだけでも特別なものですが、実際に人が埋葬されていたのかと思うと、さらにインパクトがありますね。色んな意味で怖いところでした。


猪目洞窟@島根県-03

道の上から見たところ。奥の薄暗い穴が「猪目洞窟」です。覆いかぶさるようにオーバーハングした巨大な地層の下には、漁船などが散乱していて、色んな意味で異様な雰囲気です

猪目洞窟@島根県-04
目を上にやると、凝灰岩の絶壁が。あまり近づきたくない…と思わせるような、強烈な圧迫感があります

猪目洞窟@島根県-06
こちらは出雲市による説明です。「古代の人々は、死者の世界を「黄泉」と表現していました。『出雲国風土記』には、「夢にこの磯の窟の辺に至れば、必ず死ぬ。故、俗人古より今に至るまで、黄泉の坂、黄泉の穴と名づくるなり」と書かれ、「夢の中でこの洞窟へ行くのを見たならば、必ず死んでしまう。ここは昔から黄泉の坂、黄泉の穴と呼んでいる」と記されています。古代にはこの洞窟は「あの世」につながると信じられていたようです。」

猪目洞窟@島根県-05
現地にあった説明看板。この場所は、国指定史跡「猪目洞窟遺物包含層」でもあります。要約すると、1948年に船置場とするため入口の土を取り除いた時に発見されました。洞窟は東向きで、凝灰岩の絶崖にできており、幅30m・奥行30m。縄文時代中期の土器片とともに、弥生時代から古墳時代までの生活跡と、さらには13体以上の人骨が見つかっています


本当に黄泉の国へと続きそうな雰囲気です

猪目洞窟へ近づいていくと、頭上に迫ってくる岩、薄暗く細い穴、散らかった漁師さんたちの道具など、どれもこれもが気味の悪さを増幅しています。

洞窟は奥行が30mほどで、中に入っても問題は無さそうでしたが、ライトを持っていなかったので断念しました。決して心霊スポット扱いする訳ではありませんが、苦手な方は近づかない方が無難でしょう。行ってみたい方も、くれぐれもお気をつけて!


猪目洞窟@島根県-07

猪目洞窟に近づいてみると、小さな祠が立っています。頭上に覆いかぶさる岩も、洞窟の向こう側から風でも吹いてくるような感じも、いろいろと気味が悪いですね

猪目洞窟@島根県-08
小さな祠。ちゃんと注連縄も張られていて、人の手でお参りされているようです

猪目洞窟@島根県-09
猪目洞窟のすぐ前。奥行き30mほどと言いますから、中に入ってもそれほど時間はかからないでしょう

猪目洞窟@島根県-10
奥は真っ暗で見えません。中に入ってみようかと思ったのですが、ライトも無いので諦めました。ここから人骨が発見されているというのも気味が悪い一因ですが、頭上に岩が覆いかぶさってくるのが怖くて…。ウチの奥さんはここに近づくのも嫌がっていました

猪目洞窟@島根県-11
猪目洞窟の前は小さな入り江になっていますが、このように漁船が並んでいます。漁師さんの資材なども転がっていて、かなり俗っぽい印象もあります。その荒れ果てた感じが、私はまたさらに怖かったりしました…



より大きな地図で 猪目洞窟(いのめどうくつ) を表示


■猪目洞窟(いのめどうくつ)

HP: 参考サイト(山陰の旅・観光情報≪山陰のミステリアススポット≫)
住所: 島根県出雲市猪目町1338
アクセス: JR出雲駅より一畑電鉄で雲州平田駅下車、バス・車で20分

※実際に島根県を回ったのは「2012年9月23日~25日」でした


■参考にさせていただきました

猪目洞窟(いのめどうくつ)
猪目洞窟|出雲観光ガイド【出雲観光協会公式ホームページ】
猪目洞窟


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