2012-05-10

貴重な文化財の宝庫『東京国立博物館』@東京上野

貴重な文化財の宝庫『東京国立博物館』@東京上野

ずっと行きたいと願っていた『東京国立博物館』(トーハク)も拝観できました。特別展はもちろん、常設展の内容も素晴らしく濃密で、本当に楽しいですね。早足で回りましたが、たっぷり3時間以上は堪能しました。


収蔵点数「11万件」以上の巨大博物館!

東京の上野公園内にある、日本最古の博物館『東京国立博物館』(Wikipedia)。収蔵点数は11万件以上を誇る巨大博物館です。その敷地も巨大なため、短い時間では全ての展示を見ることができないほどですが、この日は、特別展と常設展の一部を駆け足で見てきました。

この日の特別展は、「特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝」(~2012年6月10日まで)。アーネスト・フェノロサや岡倉天心などによって収集された東洋美術の至宝が揃っており、仏像も絵画も素晴らしいものでした。展示の最後を飾る曾我蕭白の一連の作品群は圧倒的でしたし(特に「雲龍図」!)、滅多に里帰りしない2つの絵巻物「吉備大臣入唐絵巻」「平治物語絵巻」が全巻公開になっていたりと、想像以上の充実した内容でした。

※「大阪展」は、2013年4月から大阪市立美術館で開催予定です(詳しくはこちら


東京国立博物館@東京上野-01

「特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝」が開催されている『東京国立博物館』平成館。この他、本館・法隆寺宝物館などもあります。東洋館・黒田記念館などは休館中でしたが、どちらにしても一日がかりで廻る覚悟が必要なほどの巨大さです

東京国立博物館@東京上野-02
平成館のロビー部分。特別展はさすがに撮影禁止ですが、ロビーなどは問題ありません。奈良国立博物館では、建物内部は一切撮影禁止で、警備の方のピリピリした雰囲気が感じられますが、東博はおおらかですね

東京国立博物館@東京上野-03
本館の展示案内。テーマごとに展示室もまとまっていて、それぞれの企画展が行われています。本館を見て歩くだけで、楽しくて仕方ありません!

東京国立博物館@東京上野-04
東博の本館の一部。1938年に開館していて、建物もその当時のものです。建築の細部を見ているだけで、格調高くて美しいんですよね。壁面に細やかな文様が入っているのがすごいです!


奈良博の「年間パスポート」がお得です

なお、東博へは、事前に購入してあった「奈良国立博物館」の年間パスポートを使って入場しました。

詳しくは、奈良博の「パスポート(友の会カード)」ページをご確認いただきたいのですが、購入日から一年間有効な奈良博のパスポート(一般 3,000円)があれば、これを使って東博も入場できます(ただし、東博と九州国立博物館を合わせて2回まで)。

回数の制限はあるものの、京都国立博物館などにも入場できますし、博物館好きな方は購入しておいて損はないと思います。


東京国立博物館@東京上野-05

東博へは「奈良国立博物館パスポート」を使って入場しました。料金は、一般-3,000円、学生-2,000円。奈良博の展示を複数回拝観できるだけではなく、東京・京都・九州の国立博物館へも入場できます

東京国立博物館@東京上野-06
奈良博の平常展は何度でも入場可能。特別展は、奈良・東京・京都・九州を合わせて6回まで入場できます(東京と九州は合わせて2回まで)。博物館巡りがお好きな方は必携ですね


常設「日本の考古」コーナーがすごい!

東博の平成館には、特別展が行われるだけではなく、通常展示の「日本の考古」コーナーがあります。ここの充実ぶりはすごかったですね。奈良でも古代の遺物は豊富に見つかりますが、プリミティブな美しさあふれる土偶や埴輪は関東以北のものが多いため、ちょっとした感動でした。

また、東博では、撮影禁止の表示があるもの以外は全て写真撮影も可能です(フラッシュは厳禁)。気に入った文化財の写真を撮りながら歩いているだけで本当に楽しいですから、お時間に余裕をもって行動しましょう!


東京国立博物館@東京上野-07

東博の平成館には、充実した「日本の考古」コーナーが常設されています。貴重な文化財が間近で見られるだけではなく、撮影禁止の表示があるもの以外は、全て写真撮影も可能です(もちろん、フラッシュはたかないように)。事前に撮影の申し出なども必要ありません

東京国立博物館@東京上野-08
いきなりこんな美しい「土偶(重文)」がお出迎えしてくれます。宮城県大崎市で出土した、縄文時代晩期のもの。怪しげで美しい!

東京国立博物館@東京上野-09
土器いろいろ。東博はスペースもゆったりとしていて、見やすいですね。撮影に関しては、中に「撮影禁止」のものが混ざっていることがありますのでお気をつけください

東京国立博物館@東京上野-10
古代の鏡あれこれ

東京国立博物館@東京上野-11
国宝の埴輪「挂甲の武人(けいこうのぶじん)」!群馬県太田市飯塚町出土で6世紀古墳時代のもの。像高は130.5cmと想像していたよりも大きかったです。有名な文化財が続々と登場します

東京国立博物館@東京上野-12
至近距離から埴輪たちが見られるコーナーも

東京国立博物館@東京上野-13
群馬県大泉町古海出土の埴輪「腰をかける巫女(重文)」。プリミティブで素晴らしい造形です。こんな複雑な形のものがきれいに遺されていることにも驚きます

東京国立博物館@東京上野-15
鳥取県湯梨浜町の「伯耆一宮経塚出土品(国宝)」の、金銅観音菩薩立像と銅造千手観音菩薩立像。平安時代末期のものだとか

東京国立博物館@東京上野-16
美しい「火焔土器」!新潟県長岡市で出土したと伝わるもので、縄文時代中期のものだとか。ものすごい造形美ですね!


大部分は写真撮影も可。とにかく楽しめます

ここからは、東京国立博物館の本館で展示されているものの中から、いくつかご紹介しておきます。展示内容が幅広いですので、興味が薄いジャンルのものも混ざりますが、それも博物館の醍醐味ですね。


東京国立博物館@東京上野-17

東博の平成館には、充実した「日本の考古」コーナーが常設されています。貴重な文化財が間近で見られるだけではなく、撮影禁止の表示があるもの以外は、全て写真撮影も可能です(もちろん、フラッシュはたかないように)。事前に撮影の申し出なども必要ありません

東京国立博物館@東京上野-18
美しい国宝の絵巻物「平治物語絵巻(六波羅行幸巻)」

東京国立博物館@東京上野-19
12世紀に描かれた仏画「千手観音像(国宝)」

東京国立博物館@東京上野-20
こんなお茶碗も(「片身替釉茶碗 銘 深山路」17世紀)

東京国立博物館@東京上野-21
後陽成天皇作の「山部赤人像賛(重文)」

東京国立博物館@東京上野-22
能面もいくつか展示されています(「曲見」17~18世紀)

東京国立博物館@東京上野-23
美しい能衣装!17世紀の唐織で、「茶地向鶴菱模様」という柄だそうです。金春・金剛流が「道成寺」を演じる際にこの柄を着用するのだとか

東京国立博物館@東京上野-24
月岡芳年の浮世絵「金太郎捕鯉魚図」。貴重な浮世絵も多数展示されていました

東京国立博物館@東京上野-25
仏像コーナーから、「如意輪観世音菩薩坐像」。13世紀の作です

東京国立博物館@東京上野-26
和歌山・道成寺に伝わる「毘沙門天立像(重文)」。平安時代の堂々たる体躯の仏さまですが、足下の邪鬼の表情と仕草が、主役の座を奪ってしまうほど絶妙です

東京国立博物館@東京上野-27
10世紀の「吉祥天立像」。京都府亀岡市の万願寺大宮神社の伝来と伝わっており、どことなく神像っぽい雰囲気が感じられます

東京国立博物館@東京上野-28
木心乾漆造の「薬師如来坐像」。台座にかかる衣の表現が奈良時代(8世紀)ですね。説明書きによると、明治34年、東博の前身である帝室博物館が、奈良・法隆寺前の個人から購入した像なのだとか!貴重な仏さまですね!



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■東京国立博物館

HP: http://www.tnm.jp/
住所: 東京都台東区上野公園13-9
電話: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
休館日: 月曜日(祝休日の場合は翌火曜日)
開館時間: 9:30 - 17:00(時期によって変動あり。入館は閉館30分前まで)
入館料: 一般600円、大学生500円、高校生以下は無料
アクセス: JR上野駅・鶯谷駅から徒歩10分。 東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅から徒歩15分

※開館時間・料金などやや複雑ですので、詳細は「東京国立博物館 - 来館案内 交通・料金・開館時間」をご参照ください。






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