2010-10-04

【書評】日本初の大仏ガイドブック『大仏をめぐろう』

【書評】日本初の大仏ガイドブック『大仏をめぐろう』

まさに「日本初の大仏ガイドブック」というべき、日本国内の大仏さまを網羅した本『大仏をめぐろう』が発売になりました。大仏好きな私にとっては、とても満足度が高い一冊でしたので、その内容を簡単にご紹介しておきます。


仏像ブームの中「大仏」にも注目を!

『大仏をめぐろう』とは、神社仏閣ライターとしてご活躍中の坂原弘康さん(または「まんじまる」さん)のご著書です。

神社仏閣ライター・坂原弘康 公式ブログ「まんじまる流」
●Twitterアカウント: manjimaru555


私は、B級スポット系や珍寺系の記事も喜んで読むタイプのため、ライターまんじまるさんの活動には、以前から興味を持っていました。そして、2010年9月、ついに本名での初の著作となる『大仏をめぐろう』が発売となり、すぐさま書店へ買いに走ったほどです。

その内容は、まさに「日本初の大仏ガイドブック」ですね。日本中には、たくさんの大仏と呼ばれる仏像があります。仏像ブームとされる現在、店頭にはたくさんの仏像本が並んでいますが、これまでは大仏はほとんど取り上げられてきませんでした。有名な奈良の大仏・鎌倉の大仏はもちろん、日本全国に存在する地方大仏まで網羅した、初めての大仏本なのです。



奈良遷都1300年!日本初の大仏ガイドブック誕生!

全国各地の大仏・大観音70体をカラー写真と詳細なデータで紹介。
奈良・鎌倉をはじめとした歴史ある大仏から、「胎内めぐり」ができる大仏・大観音、地元住民に愛される「ご当地大仏」まで、著者が30年にわたり全国の大仏を訪問し気づいた、お寺めぐり、仏像めぐりの新しい楽しみを提案します。

【目次】
◎第1章 飛鳥~明治の大仏奈良・鎌倉「国宝二大仏」と歴史ある仏像たち
奈良の大仏/鎌倉大仏/日本最古の仏像…それも大仏!(飛鳥大仏)/もうひとつの「奈良の大仏」(千葉県)/大仏の定義(大きさ・種類)/奈良、鎌倉…そして3番目は?「日本三大仏」をめぐる(岐阜大仏、高岡大仏、兵庫大仏)

◎第2章 昭和・平成の大仏 -新素材、高層…新しい仏像の潮流
大仏新時代の夜明け/胎内図解(高崎白衣大観音、東京湾観音、北海道大観音、牛久大仏)/大仏ここが日本一!/「高層大仏」をめぐる/びっくり大仏大集合!/メディア作品の中の大仏/高層大観音流行史

◎第3章 「ご当地大仏」をめぐる -地元の人々に信仰される愛すべき大仏たちの世界
北海道大仏レポート/「大仏+α」を楽しむ(地獄めぐり、美術館、名建築、動物園、宿泊、温泉)/あなたの街の大仏様/失われた大仏・失われゆく大仏

◎全国大仏・大観音一覧
Amazon『大仏をめぐろう』販売ページより


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坂原 弘康

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「日本三大仏」の3番目の大仏さんは?

『大仏をめぐろう』は、表紙からして奈良の大仏さまですし、その数ページ後には飛鳥寺の「飛鳥大仏」が、そしてご当地大仏のコーナーには壺阪寺の巨大仏たちも紹介されています。奈良はまさに大仏の発祥の地であることが再認識させられます(ちなみに、千葉県にある「奈良の大仏」も紹介されています!)。

また、大仏というとよく話題にのぼる「日本三大仏」の解説も面白かったですね。奈良・鎌倉は当確として、第三番目の椅子を「岐阜大仏・高岡大仏・兵庫大仏」などが争うような状況です。

(余談ですが、岐阜大仏さんは13.7mの日本最大の乾漆仏、高岡大仏さんは銅器の街・高岡らしい銅造など、皆さん、色々と個性があります)

しかし、過去には、桃山時代に豊臣秀吉によって建立された、高さ19m(奈良の大仏は18m)の「方広寺大仏」という大仏さまが京都にいたのだとか。あまりの大きさからか、幾度となく崩壊と再建を繰り返し、もうその姿を見ることはできません。現存していたら日本三大仏の一角に文句なく名前を連ねていたと思われるだけに残念ですね。今は無き大仏さんのことを思うと、不思議な気分になってきます。


書評『大仏をめぐろう』-01

坂原弘康さんの著作『大仏をめぐろう』の表紙。もちろん日本一の大仏さま「奈良の大仏」が表紙です。発売元は「イースト・プレス」さんです

書評『大仏をめぐろう』-02
解説文とともにカラー写真ページも。お馴染みの奈良の大仏さんと、お隣は美男と評判の鎌倉の大仏さん。シュッとしてます!

書評『大仏をめぐろう』-04
ご存知、飛鳥寺の「飛鳥大仏」も3番目に紹介いただいています!


昭和・平成の大仏やご当地大仏も!

『大仏をめぐろう』の第2章以降では、「昭和・平成の大仏」「ご当地大仏」などがズラリと紹介されていきます。著者が「高層大仏」と呼ぶ、青銅製の大仏としては世界一の高さ(120m!)を誇る「牛久大仏」などももちろん紹介されています。

これらの新しい大仏さんたちは、仏像としてただ大きいだけで、宗教的な価値が見出せない大仏も多数存在していることも事実です。日本各地に建てられた大仏さまも、経営元の業績不振によってすでに打ち捨てられた状態になっているものも少なくないと聞きます。関西でも、高さ100mの「淡路島世界平和大観音」はすでに施設が閉鎖され、朽ち果てるだけの状態にさらされているようです。

ちなみに、私は北陸出身ですが、この地方には意外と大仏も多く存在しています。

『大仏をめぐろう』にも「親鸞上人像」「白馬大仏」「高岡大仏」「新湊弁財天」「加賀大観音」などが取り上げられています(何故か「福井大仏」は掲載されていませんでした)。それほど有名な仏像が多くない地方だけに、大仏さんは身近な存在で、宗教的なものというよりも、観光地のシンボルとして親しまれてきました。

私自身、初めてお会いした仏像は地元の「白馬大仏」だったと思います。今ではすでに廃墟化してきているそうですので寂しい限りですが、こんな大仏さんとの思い出もある身としては、(観光施設に過ぎないにしても)大仏さんというのはとても身近な存在でした。

そんな思い出の有無はともかく、低く見られがちな昭和・平成のコンクリート大仏たちまで丁寧に周り、愛情をこめた解説をなさっている著者さんには、本当に感謝したいと思います。

今、私自身がそんな大仏さんを巡ってみたら、手を合わせたくなるのか、「これじゃぁダメだよ」と悲しい気持ちになるのかは分かりません。しかし、お会いしたい魅力的な仏さまが増えたことは嬉しいですね。巨大な牛久大仏を仰ぎ見て、その大きさに感激する日を楽しみにしたいと思います!


書評『大仏をめぐろう』-05

胎内めぐりができる高層大仏さんたちは、内部の図解つき

書評『大仏をめぐろう』-06
「全国高層大仏・大観音一覧」ページ。日本は大仏さんの国であることが分かりますね

書評『大仏をめぐろう』-03
後半には、やや珍仏系の方々のご紹介も

書評『大仏をめぐろう』-07
私の生まれ故郷に近い大仏さんたちも紹介されていました。この本をきっかけに、またお会いしてきたいと思います


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