郵便名柄館『Tegami Cafe』&『郵便資料館』@御所市
御所市名柄の築100年を超えた郵便局舎をリノベーションした『郵便名柄館』。地元産の野菜やお米を使ったランチなどがいただける『Tegami Cafe』と、郵便関連の貴重な資料などを展示する『郵便資料館』が併設されています。新鮮野菜がたっぷりのお料理も美味しかったですし、レトロな郵便ポスターや切手など、建物内を見ているだけでもかなり楽しめました!
古い郵便局舎がカフェ&資料館に!
2015年5月3日にオープンした、古い郵便局をリノベーションした施設『郵便名柄館(ゆうびんながらかん)』(食べログ)。
郵便名柄館は、カフェとして営業する『Tegami Cafe(テガミ カフェ)』、そして旧名柄郵便局の敷地などから見つかった古い絵葉書や資料などを中心に、郵便とこの土地の歴史をたどる「郵便資料館」が併設されています。
歴史ある御所市名柄エリアにオープンした『郵便名柄館』。今から100年以上前の古い郵便局舎をリノベーションした施設です。軒の飾り部分など、洋風を取り入れた「擬洋風建築」らしい作りです。可愛らしいピンク色の外壁は、昔の色を再現したのだとか!
郵便名柄館のあたりは、古い町並みがよく残った美しい通りです。近くには名柄神社、中村邸(重文)、葛城酒造など、歩いてみると面白いでしょう。なお、駐車場は130mほど離れた位置にあります
1913年に完成した築100年を超える建物
旧名柄郵便局は、1902年(明治35年)に郵便受取所として開設されました。1913年(大正2年)の局舎完成時には、郵便・貯金・保健事業のほか、電信・電話の取り扱いも行われていたとか。電話交換業務は1963年に廃止され、1975年には新郵便局舎が完成したことにより、その役目を終えます。
建物は所有者から市へ無償貸与され、貴重な歴史的産業遺産として、国の補助金や寄付などを受け、改修工事が行われてきました。作家・堺屋太一は、生家がすぐお隣というご縁から多額の寄付をしてくれたのだとか!
そして、郵便博物館などの協力のもと、カフェと博物館として利用を開始。「一般社団法人 吐田郷地域ネット」が運営を担当しているそうです。
建物の正面に貼ってある「旧名柄郵便局舎について」という説明書き。余談ですが、改修されて綺麗になる前、2012年の「奈良・町家の芸術祭 HANARART(はならぁと)」で、この建物が会場になっていたとか。ご覧になった方も多いのではないでしょうか?
郵便グッズがあるカフェ。楽しいです!
店内の様子。帰り際に撮影したためのんびりしてますが、直前までかなりの賑わいでした。平日のランチタイムは14時まで(その後、16時まではカフェタイム)。ギリギリの時間にお邪魔したところ、もうすでに残り1食しかなかったほどでした。このエリアは落ち着けるカフェが多くないので、地元の方からも好評のようです
建物に入ってすぐのところにある電話ボックス、そして古い郵便ポスト、味のある郵便のポスターなど。電話は当時のもので、声を受けて話せる「受話器」が登場する前のセパレート型のもの。もちろん10円玉を投入するようなものではなく、通話時間などによって窓口に料金を支払ったんでしょう。実際に触れるのは貴重です!
「郵便資料館」でもあるため、古い郵便関連の展示も充実しています(記事後半に写真を掲載します)。決して小難しいものではなく、レトロで見ているだけで楽しくなるようなものも多くありました
地元・名柄のお米や野菜にこだわって
『Tegami Cafe』さんのランチは、「テガミランチ(@1,200円)」一択です。定期的にセット内容は入れ替わり、何度通っても飽きないようになっています。
地元・名柄で採れたお米や野菜にこだわっていて、●お米-吐田米(はんだまい) ●お醤油-片上醤油さん ●お豆腐-梅本とうふ店さん ●卵-西川養鶏場さん などを使用しています。
コーヒーは、三宅町の「香豆舎」さんのもので、テガミカフェのオリジナルブレンドだとか。
ランチタイム(11時~14時。なくなり次第終了)の「テガミランチ(@1,200円)」。ドリンク付き(コーヒー・紅茶・りんごジュースから選べます)で、ご飯の大盛り│小盛りが選べるのが嬉しいですね。ランチの内容は定期的に変わります
カフェタイム(14時~16時)のメニュー。「テガミコーヒー(オリジナル切手付)(@550円)」がユニーク!切手がもらえるなんて面白いですね。「ケーキセット(@700円)」もあります
味・量・見た目。満足度の高い「テガミランチ」
郵便名柄館『Tegami Cafe』さんの「テガミランチ(@1,200円)」。この日の内容は、ポークソテー夏野菜添え・レタスとみず菜のサラダ・新ジャガとベーコンのオムレツ・青菜とごぼうのごまみそ和え・ピリカラダレの冷やっこ・吐田米のごはん・おみそ汁・漬物・小さいデザート・飲み物。豪華!
ご飯大盛りでお願いしたので、満足感もあります。どの野菜も新鮮で活き活きとした味がしますし、色合いも華やかで美しいですね。カフェ飯は、味が薄すぎたり、量が物足りなかったりすることも多いのですが、ここはかなりの満足度でした
メインのポークソテー夏野菜添え。美味しい野菜がいろいろとたべられる贅沢な一品でした
新ジャガとベーコンのオムレツ、青菜とごぼうのごまみそ和え、ピリカラダレの冷やっこ
こちらは「ケーキセット(@700円)」でいただいたシフォンケーキ。フワフワです!一緒にコーヒーとりんごジュースもいただきましたが、どれも満足。本当に美味しかったです!
また、各テーブルの引き出しを引くと、こんな文具類が入っています。便箋に色鉛筆、マスキングテープ、使用済みの切手など。お茶を飲みながらゆったりとお手紙でも書いてください、という気遣いですね
レトロで楽しい『郵便資料館』。お買い物も
郵便名柄館に併設されている『郵便資料館』は、飲食をしない方でも見学(グッズ購入も)できますので、ぜひ御所市名柄エリアを散策途中にでも立ち寄ってみるといいでしょう。私はそれほど郵便に詳しくはありませんが、マニアックな奈良切手なども展示されていて、とても楽しかったです。
また、ここからも近い「高天彦神社~金剛山」の登山道は、その昔、郵便配達人が上ったことから「郵便道(ゆうびんどう)」と呼ばれているとか(紹介記事)。郵便をめぐるハイキングのルートとして面白いかもしれませんね。
その昔、貯金などのシステムを広めるために作られた紙芝居。タイトルが「ラッパ貯金」というのがすごいですね!壁に見えるポスターは、1902年の「仕事の愉快は保険の賜」というものだとか。郵政博物館から資料の提供も受けているため、面白いものがたくさん見られます
カウンターでカトラリ入れなどに使われていた棚。おそらく旧名柄郵便局で使用されていたものでしょう
上にあるネクタイは、銭百文・銭二百文という額面の「竜門切手」と呼ばれる古い切手をデザインしたもの!切手郵便関連の書籍や、美しいデザイン切手の販売なども
そのお隣には、郵便名柄館のオリジナルデザインの切手シート、そしてポストカードも。ここで購入して、ここで書いて、そのまま投函できます。そんな贅沢なカフェ、他にはなかなかないでしょう
入口カウンターの脇にもレトロなグッズたちが
奈良モチーフの切手が飾ってあったり、箱入りの山高帽があったり。旧名柄郵便局にあった諸々のものが展示してあります
カフェで読める用の図書コーナーも。郵便関連の本、葛城の歴史の本、手紙について書いた本など。そして、この建物の保存活用のために尽力してくれた堺屋太一さんのご著書が何冊も並んでいます
名柄郵便局の歴史を記したパネルなども。当時の写真なども見られます。お隣の池口家が所有していましたが、そこも含めた図面なども掲載してあり、興味深いですね
■郵便名柄館 Tegami Cafe(テガミ カフェ)
Facebook: 郵便名柄館
住所: 奈良県御所市名柄326-1 郵便名柄館
電話: 0745-60-8386
定休日: 火曜・水曜
営業時間: 11:00 - 16:00(※ランチタイムは14時まで)
駐車場: あり(南へ130mの位置)
アクセス: 近鉄吉野線「吉野口駅」から車で15分ほど
※実際にお店にお邪魔したのは「2015年6月29日」でした
■参考にさせていただきました
巡る奈良│女子部│御所市「郵便名柄館」
郵便名柄館 Tegami Cafe ~ 奈良県御所市名柄にオープンした新しいカフェです~(建物編) ( 飲食店 ) - なおのブログ - Yahoo!ブログ
●【食べログ】の該当ページへ
テガミ カフェ (カフェ / 近鉄御所駅、御所駅、玉手駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0
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