
生しらす丼・レトロ銭湯・湯浅醤油!@和歌山県湯浅町
お醤油の発祥の地である、和歌山県有田郡「湯浅町(ゆあさちょう)」を歩いてきました。醤油の蔵が立ち並ぶ一角は、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、とてもいい雰囲気です。名物となった「しらす丼」を食べたり、お土産に湯浅醤油を買ったり、一般公開されているレトロ銭湯を拝見したり、楽しんできました!
湯浅の新グルメ「しらす丼」が魅力的!
お醤油の発祥の地として知られる、和歌山県有田郡の「湯浅町(ゆあさちょう)」(Wikipedia)。湯浅醤油の蔵が立ち並ぶ一角は、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。
私たちは和歌山へは何度も遊びに来ていますが、いつも有田町どまりで、湯浅町まで足を伸ばしたのは初めてでした。こうした町並みも大好きですから、やっと念願かなったという感じです。
今回の湯浅での一番の目的は、「生しらす丼」を食べること。最近になって知ったのですが、湯浅は和歌山でしらすの水揚げ量トップを誇っており、町内の14店舗でしらす丼を提供しているそうです。
和歌山大学の学生さんが作ったという、「つれもて食べよら 紀州湯浅のしらす丼」という専用パンフレットがあります。現地で手に入れてもいいですし、ネットでも見られるようになっています(PDFファイル)。
湯浅町で手に入れた観光パンフレット各種。歴史ある町並みだけに見どころはたくさんありますし、「しらす丼」という名物が定着していけば、ますます楽しくなりますね
かどやさんの「生しらす丼」いただきました
今回の目的は、「生しらす丼」を食べること。しらす漁が盛んな湯浅町でも、生しらすを常時提供しているお店は少なく、その中から湯浅駅からすぐの位置にある『かどや』さん(食べログ)へお邪魔しました。
ここはカウンター席の居酒屋風の食堂で、湯浅町でも最初にしらす丼の提供を始めたお店なのだとか。
さっそく念願だった「生しらす丼(@1,100円)」をいただきましたが、さすがに美味しいです!生魚らしく食感がツルリとしていて、生臭い感じはほとんどせず、意外と食べやすいです。
新鮮なしらすはいつでも獲れるものではありませんので、おそらく冷凍してあったものをいただいたのだと思いますが。他ではなかなか食べられないお味を堪能しました!
湯浅でもしらす丼の元祖というべきお店『かどや』さん。「釜揚げしらす丼(@700円)」「刺身&しらす丼(@1,200円)」などがいただけます。JR湯浅駅からすぐの位置にありますが、古い町並みで道が細いので、お車の方はご注意を。
かどやさんの「生しらす丼(@1,100円)」。お味噌汁&お漬物付きです。生しらすを常時提供してくれるお店は少ないため、とても貴重ですね
生しらすのアップ。透き通ってます!私は海のものはたいてい大好きで何でも食べますが、生しらすは初体験でした。下に敷いてある大葉ごとご飯の上に乗せます
焼き海苔と生姜醤油でいただきます!生臭さはあまり感じず、ツルッとした食感が独特です。海のものがお好きな方であれば、まったく違和感なく楽しめるでしょう
■かどや
HP: 参考サイト(食べログ)
住所: 和歌山県有田郡湯浅町湯浅1109-1
電話: 0737-62-2667
定休日: 不定休
営業時間: 11:00-14:00、17:00-22:00
駐車場: 数台分あり
アクセス: JR湯浅駅からすぐ
お土産の「釜揚げしらす」も購入します
この日、地元の方たちともあれこれお話したのですが、「生しらすはほとんど食べません。釜揚げが一番!」と、皆さん口々におっしゃっていました。常にほぼ新鮮な状態の釜揚げものが口にできるなら、あえて生を選ぶ必要もないでしょうから、これは納得ですね(笑)
そこで、地元の方に美味しい釜揚げしらすを購入できるお店を聞いてみたところ、(そこから近かったと理由も含めて)「横八商店」さんという加工場兼店舗を紹介していただきました。
ここでしらすをお願いすると、冷蔵庫から大きなケースいっぱいに入った、釜揚げの真っ白いシラスが出てきて、その場でパックに詰めて販売してもらえます(500g @1,000円)。パックに豪快に詰めてもらえますから、これはかなりリーズナブルですね。
その場で試食もさせてもらえましたが、まぁ美味しいこと!新鮮なしらすを手早く釜茹ですることで、旨味がギュッと閉じ込められるんですね。ぜひ保冷バックを持参して、お土産として購入してみてください。
湯浅町湯浅の「横八商店」さん。地元のおっちゃんたちに「あそこなら美味しいしらすが買えるよ」と教えてもらったお店です。しらす食べあるきマップにも「しらすを買える店一覧」が掲載してありますので、それを参考にするといいですね
冷蔵庫から釜揚げしらすがいっぱいに入った大きなケースが出てきて、目の前で量り売りしてくれます。大きなパックいっぱい(500g)でお値段は千円。冷凍しておく分も含めて、まとめ買いしておきました
その夜、自宅で和歌山市内で買った紀州の梅干しとイカの塩辛を追加して、豪華なシラス丼(我が家では「和歌山丼」と呼んでます)をいただきました!ここに湯浅のお醤油を少したらすとベストですね!
■横八商店
住所: 和歌山県有田郡湯浅町湯浅3171
電話: 0737-62-2555
定休日: 不定休
営業時間: 8:00 - 17:00
歴史ある建物群。散歩していて楽しいです
湯浅醤油の蔵が立ち並ぶ一角は、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。この日はノープランでぶらぶらと歩いてみましたが、江戸時代くらいからの伝統的なものと、昭和レトロなものがいい具合に混ざり合っていて、とてもいい雰囲気でした。
湯浅町の特産品である「湯浅醤油」「金山寺味噌」なども購入できます。
駐車場はあまり無いようですから、湯浅駅の隣のコインパーキングに停めて、徒歩またはレンタサイクルを利用するのが便利でしょう。
1841年創業、湯浅醤油の老舗『角長』さん。圧搾や加熱をしないで作られる「濁り醤(にごりびしお)」を購入しました。じんわりと美味しいお醤油です。真向かいには「資料館」もあり、無料で見学できます
湯浅名物「金山寺味噌」の製造販売を行っている『太田久助吟醸』さんの渋い店構え
「重要伝統的建造物群保存地区」だけに、町を歩くとこうした歴史ある建物がいくつも見られます
湯浅町・深専寺の前に建つ「大地震津波心得之記碑」。1854年に2日連続で和歌山を襲った大地震の教訓を、読みやすい仮名交じり文で碑にしたものだとか
町中の民家の軒先に、こうして古民具や詩歌などが飾られているのを何軒も見かけました。これは「せいろミュージアム」といい、使用しなくなったせいろ(蒸し器)を利用しているのだそうです。風情があっていいですね!
味のある昭和な文房具屋さんがあったり、目的なく町を歩いているだけでも楽しいですね
湯浅町のマンホールの蓋。鯛や平目が舞い踊り、みかんと醤油などもデザインされています。中央にあるのは湯浅城。本当にあったお城のようですが、現在は温泉付き宿泊施設(こちら)として復元されているとか!
レトロ銭湯が資料館になった『甚風呂』
湯浅町の細い道を歩いていると、幕末~昭和の終わりまで営業していた銭湯をほぼそのまま保存・復元した『甚風呂(じんぶろ)』という施設があります。貴重な古民具を展示した歴史民俗資料館になっていて、無料で拝見できますが、これがなかなか面白かったです!
私はもともと古い銭湯は大好きですが、ここはほぼそのままの状態で遺されているのが貴重ですね。背後の釜もそのままですし、湯船や洗い桶、番台にマッサージチェアも当時のものが見られます。
2階建てになっていて、各部屋に歴史を感じさせる民具が並んでいますが、そのどれもが興味深いですね。無料で拝見できますので、古いもの・レトロなものがお好きな方はぜひ立ち寄ってみてください!
『甚風呂』の入り口部分。暖簾から下駄箱、個性的なデザインの壁まで、味がある銭湯建築です。手前の浴場は入母屋造妻入、背後の住居部分は切妻造平入だとか。幕末から昭和の終わりまで4代にわたって営業しており、建物自体は明治前期ごろのものだそうです
浴室の様子。浴室部分は昭和初期に改装されているとか。近隣の人々みんなが集まる場であった銭湯には、上映される映画のポスターなどが貼ってあったそうです。飾ってあるのは、当時の貴重なポスターたちです
お隣の湯船。奥へまわって、旧住居部分なども拝見できるようになっています
洗い桶が圧巻!錫の合金で、底にすべり止めのゴムがついています。黄色いケロヨンの桶が登場するはるか前のものですね。初めて観ました!
脱衣場には、レトロなマッサージチェアも。確認しませんでしたが、さすがに動かないと思います(笑)
番台もそのまま残っていますから、生まれて初めて座らせていただきました!
お湯をわかす釜(ボイラー?)もそのまま残っています。家の中の渡り土間のようにも見えますが、銭湯側と住居側は独立した別の建物になっています。ちょっとした隙間から無理やり近くに建てた感があふれていていいですね
こんな立派なお神輿(現役だとか)があったり……
古いポンプ式の殺虫剤が無造作に置かれていたりします
貴重な「船箪笥」。船が沈んでも水が侵入しないよう、丁寧に作ってあります。その前に置いてあるふいごは、霧笛を鳴らすもの。視界が悪い時に船上から音を立てて相手に存在を知らせます。今でもブオーンといい音が鳴りました!
醤油を詰めた瓶たち
「金銭登録機」。レジスターですね
ジブリ映画に出てくるような電話機
中庭には井戸があり、今でも冷たい水が湧いています。楽しかったです!
■甚風呂(戎湯)
住所: 和歌山県有田郡湯浅町湯浅町湯浅428
休館日: 水曜日(祝日の場合は翌日休)
営業時間: 10:00 - 16:00
料金: 無料
駐車場: なし
※実際に伺ったのは「2014年6月2日」でした
■参考にさせていただきました