『吉野山の桜』を見てきました@吉野町(2011年春)
古くから桜の名所として名高い『吉野山の桜』。私たちは昨年(2011年4月14日)に吉野の桜を見てきたのですが、その模様をまだアップしていなかったので、その行程だけダイジェスト版でご紹介しておきます。この日は、いいお天気でしたし、中千本がちょうど満開くらいでとても美しい光景が眺められました!
バスを乗り継いて「奥千本」へ
吉野町の春は、シロヤマザクラなど3万本の桜が咲き誇ります。最も多く見られるソメイヨシノとはまた違った可憐な花姿の山桜で、吉野山の山肌が埋め尽くされます。例年、桜は4月初旬ごろから開花しますが、標高によって下千本・中千本・上千本・奥千本と、呼び方も見頃も変わります。下千本から始まって、4月末頃の奥千本の見頃まで、1ヶ月近くも桜の季節が続きます。
このため、この期間中は吉野山では交通規制が行われており、朝から夕方まで車で乗り入れることができなくなります。公共交通機関を利用するか(最寄り駅は近鉄吉野駅です)、金峯山寺の数百メートル下にある「吉野山観光駐車場」を利用するのが一般的でしょう。
私たちは、早目の時間に吉野へ到着して、そこから吉野駅前から出ているバスに乗って中千本へ。さらにマイクロバスへ乗って奥千本の金峰神社まで移動しました。奥千本から桜を見ながら下山していくコースを取りました。
この日、私たちは午前9時半ごろに吉野駅近くに到着して、近くの民営の駐車場を利用しました(駐車料金は、協力金も含めて1,500円)。こうした駐車場も何箇所かありますが、早い時間に埋まってしまうことが多いのでご注意ください
吉野駅前から「中千本公園」へ向かうバスに乗ります。料金は大人350円(小人180円)。始発は8時40分、10時台からは1時間に4本出発していましたので、それほど待たずに済みます。周りには屋台も登場していますので、腹ごしらえしておくのもいいでしょう(9時30分)
如意輪寺側の道を通って、約30分で中千本公園へ到着。竹林院や桜本坊の近くですので、そこから散策を始めてもいいでしょう。私たちはさらに上を目指して「奥千本口行き」のバスへ乗車します。料金は、大人400円(小人200円)でした (10時04分)
金峰神社と「源義経の隠れ塔」へ
奥千本口のバス亭前には、大きな鳥居があります。ここから5分ほど登ると「金峰神社」と「義経かくれ塔」があります。奥千本はまだ桜が全く咲いておらず、かなり寒々しい感じの眺めでした
『金峯神社』の前の様子。金峰神社は、金山彦神を祀る延喜式内社です。古くからこの辺りから大峯山にかけては黄金の鉱脈があると信じられいました。奥に見えるのが拝殿です。なお、ここから20分ほど歩くと「西行庵(参考サイト)」がありますが、この日は立ち寄りませんでした
金峰神社の近くにある「源義経のかくれ塔」。ここは大峯修行場の一つで、神官の先導で「吉野なる 深山の奥の かくれ塔 本来空の すみかなりけり」と唱えながら真っ暗な堂内を回るのだそうです(10時40分)
奥千本を一望「高城山休憩所(ツツジが城)」
少し下った「高城山休憩所」。別名を「ツツジが城」といい、南北朝時代に後醍醐天皇の皇子・護良親王が砦とした場所です。とても見晴らしがいいのですが、奥千本はまだ開花前だったため、ただ山々の連なりが見えるだけでした。例年であれば、この辺りは4月下旬頃に見ごろになると思います(11時05分)
高城山休憩所の近くにある「牛頭天王社跡」。小さな祠があるだけの、ひっそりとした場所です。牛頭天王は祇園精舎の守護神で、日本ではスサノオノミコトとされてきました。ツツジが城の鎮守でしたが、神仏分離令の際に廃絶されてました。道路沿いには、こうした小さな仏像や旧跡が点在していますので、歩いていても飽きません(11時12分)
重文の建物も必見の『吉野水分神社』
『吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)』へ。水を司る「天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)」を主祭神とし、創建年代は不明。古くから子授け神社としても信奉されており、本居宣長の両親もここに祈願して子宝を授かったそうです(11時25分)
吉野水分神社の境内には、大きな桜が満開でした。この右手にある社殿(重文)は、豊臣秀頼により建てられた、本殿と脇の2つの建物が一体となった珍しいものですが、この時は工事中で残念ながらその姿は見られませんでした
■吉野水分神社
HP: 参考サイト(Wikipedia)
住所: 奈良県吉野郡吉野町吉野山1612
拝観料: 境内無料
上千本を一望できる「花矢倉展望台」
少し下った「花矢倉展望台」の様子。上千本を一望できるスポットで、茶店もあります。少し高台になった場所には、「世尊寺跡・三郎鐘(重文)」「人丸塚」などもあります(11時44分)
花矢倉展望台からの眺め。満開ちょっと手前の上千本が一望できました!吉野山のシロヤマザクラは色合いが白っぽく、ピンク色というよりは淡く霞んだように見えます
ちょうどお昼時ということもあって、上千本のつづら折りの道沿いでは、皆さん、思い思いにお弁当を広げていました。この辺りは食事ができるお店は少ないですから、お弁当などを持参するといいですね(12時00分)
「桜展示園」からは中千本が見られます
後醍醐天皇ゆかりの「御幸の芝」。御幸のさいに空模様が怪しくなった際に、「ここはなほ 丹生の社にほど近し 祈らば晴れよ 五月雨の空」と詠んだところ、空が晴れ渡ったと伝わっています。ここのお茶屋さんで桜アイスなどをいただきましたが、ほんのりと桜が香って美味しかったです!(12時40分)
しばらく下って、中千本を見渡せる「桜展示園」へ。後醍醐天皇の慰霊碑なども立っています。視界が開けた高台になっていて、のんびりとお弁当をいただくのに最適なスポットですね。素晴らしい眺めでした(12時50分)
桜展示園からの眺め。向こうに金峯山寺の大きな屋根が見えます。中千本の醍醐味ですね!
大和三名園・群芳園がある『竹林院』
中千本近くにある『竹林院』。大和三名園に数えられるお庭「群芳園」で有名で、写真の建物は宿坊になっています。聖徳太子が開いたと伝わっていて、本尊は不動明王です(13時38分)
竹林院「群芳園」の様子。回遊式の池の周りには、桜はもちろん、様々な花々が咲き誇っていました。太閤秀吉の花見の際に、千利休が作庭した桃山中期の庭だそうです
竹林院のお庭は一部が高台になっていて、全体を見渡すことができます
■竹林院(群芳園)
HP: http://www.chikurin.co.jp/
住所: 奈良県吉野郡吉野町吉野山2142
拝観料: 300円(宿泊者は無料)
金銅仏が美しい天武天皇ゆかりの『櫻本坊』
中千本近くにある『櫻本坊(桜本坊。さくらもとぼう)』。重要文化財に登録されている白鳳時代の金銅仏「釈迦如来坐像」も、春の一時期だけ特別公開されます。さらに、鎌倉時代の「役行者神変大菩薩(重文)」や、縁の深い「天武天皇像」、天狗姿の「秋葉大天狗像」などもいらっしゃって、仏像好きな方はぜひお参りしてみてください(14時08分)
桜本坊の本堂前。境内には桜の木がいっぱい植わっていて、その全てが満開でした!建物内には参拝者の休憩所も設けられており、ここからも見晴らしもバツグンでした
桜本坊の本堂前に立つ「天武天皇 夢見の桜」。桜本坊は、もともと天味天皇が桜の吉夢を見て建てられた古刹で、夢に見た桜の木を吉野の地で見つけ、そこに道場を建立したことから始まりました。何代目かは分かりませんが、これがその桜です
■櫻本坊
HP: http://www.sakuramotobou.or.jp/
住所: 奈良県吉野郡吉野町吉野山1269
拝観料: 300円
参道で買い食いやお買い物なども
参道でいただいた「筍の天麩羅(@100円)」。ハッとするくらい美味しかったです!お土産物には「吉野葛」や「桜羊羹」など、吉野らしいものがありますので、中千本辺りで選ぶのもいいですね(15時22分)
道路をまたぐ吉水神社の鳥居。この日は参拝しませんでしたが、太閤秀吉の花見の会場ともなった、一目千本の眺望の名所です。時間があればぜひお参りしておいてください(15時26分)
宿坊を兼ねる「東南院」の多宝塔と桜。とても美しい多宝塔ですが、昭和に入ってから和歌山の野上の八幡宮から移築されたものだそうです
吉野の中心である大寺院『金峯山寺』
吉野の中心となる寺院『金峯山寺』。この日は蔵王堂の前で手を合わせただけでしたが、2012年の春(3月31日~6月7日)に、秘仏本尊の特別御開帳があります。青く大きな蔵王権現さまを目の前に拝見できて、とてつもない感動的な体験ができますので、ぜひお参りしてみてください。
『金峯山寺』の「蔵王堂」。下千本付近にあり、「ようやくここまで下りてきたか」と、ちょっとした達成感がありますね。2012年の春は、桜の季節に秘仏のご本尊「蔵王権現立像」が特別御開帳になりますので、ぜひお参りしておきたいところです(15時35分)
■金峯山寺
HP: http://www.kinpusen.or.jp/
住所: 奈良県吉野郡吉野町吉野山
拝観料: 500円
計16,000歩のお花見ウォーキングでした
帰りの時間になると、ロープウェイの吉野山駅はかなりの混雑になります。帰り道は下り坂なので、20分ほど歩けば千本口駅へつきますので、体力が残っている方は歩いた方が早いかもしれません
頭上にロープウェイを見ながら歩きます。万歩計によると、トータルで16,000歩ほど歩いたようです。さすがに疲れましたが、下り坂なので意外と楽でした(16時16分)
※私たちが吉野山を歩いたのは「2011年4月14日」です。
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