2012-02-07

『フォッサマグナミュージアム』@新潟県糸魚川市

『フォッサマグナミュージアム』@新潟県糸魚川市

新潟県糸魚川市にある地学博物館『フォッサマグナミュージアム』。キーワードは「ヒスイ」「フォッサマグナ」「ジオパーク」などで、やや地味な印象がありますが、美しい鉱石などは見ているだけでも楽しめました!


「フォッサマグナ」と「ジオパーク」

フォッサマグナミュージアム』とは、1994年4月、糸魚川市の美山公園内に造られた「地学博物館」です。大きなテーマは、日本有数の産地である「翡翠(ひすい)」と、日本を東西に分断している中央地溝帯「フォッサマグナ」に関する展示であり、それ以外にも様々な石を集め、見応えのある展示を行なっています。

また、古代のヒスイ加工跡が見つかった長者ヶ原遺跡とも隣接しており、それを復元したものと「長者ケ原考古館」があり、共通拝観券もありますので合わせてどうぞ。ただし、冬の間は雪が積もっていて遺跡跡は見られませんのでご注意ください(笑)

美しい鉱石や化石などが展示されているため、地質学などに興味がなくてもある程度は楽しめる内容になっていましたが、「フォッサマグナ」と「ジオパーク」という2つのキーワードだけ簡単に理解しておくといいでしょう。



フォッサマグナ (Fossa Magna) は、日本の主要な地溝帯の一つで、地質学においては東北日本と西南日本の境目とされる地帯。中央地溝帯とも呼ばれる。語源はラテン語のFossa Magnaで、「大きな窪み」を意味する。

簡単に言うと、日本列島の真ん中に別のプレートがあり、新潟県糸魚川市と静岡県(糸魚川静岡構造線)がその西側のラインに当たります(東側は、新発田小出構造線及び柏崎千葉構造線)。日本を東西に分断する地帯で、「ナウマン象」を発見したことで知られるナウマン博士(Wikipedia)が最初に発見しました。



ジオパーク (geopark) とは、地球科学的に見て重要な自然遺産を含む、自然に親しむための公園。

現在では、日本に20ヶ所のジオパークがあり、「日本ジオパークネットワーク」という活動なども行なっていますが、この名称を始めて用いたのは糸魚川だったのだとか。その活動が現在の形に発展したというのだから、すごいことですよね!


フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-01

新潟県糸魚川市にある『フォッサマグナミュージアム』。その名前の通り、フォッサマグナ(糸魚川静岡構造線)や、糸魚川市周辺が産地となっている「ヒスイ」などに関する展示を行う地学系の博物館です。近くには長者ヶ原遺跡などもあり、ちょっとした古代へのタイムスリップ気分が味わえます

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-02
館内に掲載してあった、「糸魚川ジオパーク 世界ジオパーク決定記念 号外」。地域で配布されている「広報いといがわ」の本物の号外のようです。かなりの田舎町ですが、地質学的に面白いスポットがたくさんあるんです!

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-03
この日はお正月の無料開放日で、入館料も無料でした。フォッサマグナミュージアムのゆるキャラたちも揃って出迎えてくれました。向かって左手が「ジオまる」で、右手が「ぬーな」。どちらもちゃんとヒスイから造られる勾玉(まがたま)がデザインされています


美しい鉱石や化石がズラリと並びます

フォッサマグナミュージアムの館内は、「地球誕生・魅惑の石たち・大地のロマン1・大地のロマン2・ナウマン博士の部屋」という5つの展示室から構成されています。この他には、古事記にも登場するお姫様に映像作品が見られる「奴奈川姫シアター」などもあったようですが、この日は拝見できませんでした。

地学の博物館なので、館内はどこを見回しても「石」ばかり。化石や美しい鉱石が続々と登場しますので、私のような知識のない人間でも十分に楽しめました。細かい説明はできませんが、画像だけ並べておきます。


フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-04

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-05

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フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-16


ヒスイ原石展示やナウマン博士の部屋など

このような鉱物だけではなく、地元産のヒスイの展示や、フォッサマグナを発見した「ハインリッヒ・エドムント・ナウマン博士」の功績を紹介するスペースなどもあります。決して派手な内容ではありませんが、色んな発見があって楽しかったです。

また、岩石・鉱物・化石の鑑定などのサービスもあるそうですので、その方面に興味のある方はぜひ来館してみてください。


フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-17

ヒスイの産地らしい展示ももちろんあります。これは糸魚川市小滝産の「ヒスイ輝石岩」。この一帯は国定公園なので、ヒスイの採取は禁止されています。しかし、数は少ないながらも、川から海岸へ流れ着いたものは拾ってもOKなので、河口付近の海岸を散歩しながら探してみるとヒスイの原石が見つかるかもしれません

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-18
糸魚川のひすいに関する説明。「ひすいは、縄文時代前期(約5500年前)に大珠(ペンダント)として加工され始めた日本最古の宝石であり、ひすい文化としては、世界最古のものです。日本各地の遺跡から、ひすい製品が発見されてきましたが、その産地については謎でした。しかし、糸魚川でのひすいの発見によって、遺跡から出土したひすいは、糸魚川産である可能性が高まりました。。さらに、1954年~1958年の長者ヶ原遺跡発掘調査によって、大量のひすい原石・未製品に加えて砥石類が発見され、糸魚川のひすいが、糸魚川で加工され、全国に運ばれていったことが明らかとなったのです。」

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-20
ヒスイの小石たち。加工前はこんな見た目です。私も小さい頃から何度も海岸などに落ちているのを目にしてきましたが、昔は全く気にもしていませんでした(笑)

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-21
ミュージアムショップでは、糸魚川産ヒスイを使って、古代さながらに勾玉型ペンダントにしたものも販売しています。古から霊力が宿るとされてきたものですし、これが正真正銘の本物ですから、お値段は万単位になります

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-19
焼山という山が噴火し、その火砕流堆積物の立体展示。糸魚川では多種多様な地質学的なポイントが見られるそうです

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-22
展示の終わりに、ひっそりとある「ナウマン博士の部屋」。ナウマンゾウの発見で名前を残した方ですが、フォッサマグナを発見・命名したのもナウマン博士なんですね!博士の愛用の道具などが展示されています

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-23
ナウマン博士の年表など

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-24
ナウマンが描いた地質図

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-25
ナウマン博士が使用した「測量儀」。コンパスやカンテラなども展示してあり、古道具としても魅力的なフォルムでした

フォッサマグナミュージアム@糸魚川市-27
フォッサマグナミュージアムの入り口ロビーにあった「ありがとうキハ52」の展示。鉄道の知識は皆無なのでよく分かりませんが、糸魚川駅にレンガ造りの古い駅舎があって、それが少し前に取り壊されてしまった…というニュースは聞いたことがあるような無いような…



大きな地図で見る


■フォッサマグナミュージアム

HP: http://www.city.itoigawa.lg.jp/dd.aspx?menuid=4586
住所: 新潟県糸魚川市一ノ宮1313
電話: 025-553-1880
開館日: 月曜日(祝日の場合は開館)、国民の祝日の翌日
開館時間: 9:00 - 16:30
拝観料金: 一般 500円、小学生~高校生 300円
駐車場: 無料
アクセス: JR糸魚川駅から車で10分

※現地に行ったのは「2012年1月2日」です


■参考にさせていただきました!

ジオパーク - Wikipedia
フォッサマグナ - Wikipedia
ハインリッヒ・エドムント・ナウマン - Wikipedia


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