奈良墨・奈良筆で落ち着くお店『一心堂』
三条通をフラフラと散策していると、普段はまずお目にかからないような渋いものや、変わったものに出会えます。その一つが奈良墨・奈良筆の販売店の『一心堂』さん。書道なんて全く縁遠い私にとっては、まるで博物館のようなお店でした。
「奈良墨」「奈良筆」って知ってます?
奈良の伝統工芸品の一つに「奈良筆」「奈良墨」というものもあります。『一心堂』さんは1921年創業で、その代表的なお店になります。
とにかく、「奈良墨って何だろう?」と思われた方は、まずは「奈良製墨協同組合」さんのHPをご覧になってみてください。
・奈良墨の作り方--炭素末(すす=煤)と膠(にかわ)が主原料です
・奈良墨の歴史--奈良時代に資金力のある興福寺などで作られました
・墨の数え方--1丁・2丁と数えるそうです
・墨作り見学会--墨作りのシーズン(秋~冬)に一部工房で受け付けているそうです
などなど、色んな知識を学べます。特に「奈良まほろばソムリエ検定」に興味のある方は必須項目かもしれません!
雰囲気も墨の香りもいいんです!
『一心堂』さんの店内に入ると、まずはその品揃えに驚かされます!筆は約300種類・墨は約100種類と、まさに圧巻の品揃えですね。奈良筆や奈良墨はもちろん、赤ちゃんの産毛から作る、桐箱入りの「胎毛筆(@10,500円)」という商品も有名なんだそうです。
また、建物も奈良町の古い商家の雰囲気を残していて、かなり素敵なんですよね。書の世界に関する知識は全くありませんが、店内に漂う墨の香りもどこか懐かしい感じですし、妙に落ち着く空間なんです。店内をフラフラと見ているだけで、つい「写経でもしてみようか?」と思うようになるかも(笑)
ちなみに、筆や墨はそれぞれ2,000円程度から販売されていますので、普通に購入できるお値段です。奈良の伝統工芸に触れてみるのもいいかもしれませんね。
三条通にある、奈良筆・奈良墨販売の老舗『一心堂』さん。この一角だけ、何故か静けさが感じられるようです。1921年創業で、建物もかなりの歴史を感じますが・・・、2つ並んだ室外機だけが残念ですね(笑)
『一心堂』さんの筆コーナー(急いで撮ったらブレました・・・)。筆は約300種類の品揃えで、赤ちゃんの産毛から作る「胎毛筆(@10,500円)」というものも有名なんだそうです
一心堂さんの店内から奥を見ると、通り庭が続く、見事な町家作りでした。掛かっている看板もすごいですし、墨の香りと相まって、ものすごく落ち着く空間でした
「奈良墨」の陳列コーナー。墨だけで全部で100種類ほどあるそうです。こんなに沢山の墨を見たことなんて、生まれて初めてです!
この少し凹んだ形をしているのが、「にぎり墨」という奈良の伝統工芸品です。製作者の手の形から指紋までが残ることもあるんだとか
昭和初期のものや「鐘楼型」のものまで、色んなバリエーションがありました。まるで博物館にいるような気分でしたね
店舗奥の事務所の様子。ガラスで仕切られているのですが、その様子が昭和っぽくていいんですよね。棚に並べられているストックもほとんどが筆か墨かと思うと、かなり迫力を感じます
■一心堂
住所: 奈良県奈良市上三条町3-9
電話: 0742-23-2381
定休日: 無休
営業時間: 9:30 - 20:00(日・祝日は 10:00-19:00)
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 「近鉄奈良駅」から徒歩5分