イベント『平城のとよほき』と「第一次大極殿院南門」復原など
「奈良時代を祝い、楽しむ」をテーマに、平城宮跡で開催されたイベント『平城のとよほき』へ行ってきました。古が蘇ったかのような舞に、魅力的なグッズの販売、渋い企画展示など、奈良時代好きな者にとってはとても楽しい内容でした。あわせて「第一次大極殿院南門」の復原整備工事の様子などもご紹介します。
奈良時代をテーマに初開催
10月9日(土)・10日(日)の2日間、「平城宮跡歴史公園」平城宮いざない館において、『平城のとよほき』(Twitter・イベント詳細)が開催されました。
このイベントは「奈良時代を祝い、楽しむ」ことがテーマとなっており、当日は女舞・女楽をモチーフにした舞の披露や、古のテイストが感じられるグッズの販売なども。
かつて都が置かれた平城宮跡で、このようなイベントが開催されること自体が感動的でした!
10月9日・10日の2日間にわたって開催された『平城のとよほき』。物販や展示、講演など盛りだくさんな内容でしたが、そのすべてが奈良時代にまつわることに統一されているのがいいですね。まさに平城宮跡に相応しい内容です。
平城宮いざない館の前庭で開催された、「天平の女楽と女舞~平城宮内教坊~」。奈良時代の「内教坊」の女舞・女楽をモチーフにした舞が披露されました。
写真は琵琶の演奏シーン。その音や調べはまさに奈良時代そのものに感じられ、「古式ゆかしい」という言葉では物足らないほどでした。
演奏などの終了後には、みな朱雀門の前に並んで撮影タイムがありました。令和の世の光景とは思えません!
魅力的な作品揃いの「祥瑞マルシェ」
平城宮いざない館内では、「祥瑞マルシェ」が開催されました。奈良や飛鳥時代・奈良時代などをモチーフにした作品を中心に、魅力的なアイテムがずらりと並びました。その一部をさっとご紹介します。
こちらは『満福』さん(Instagram)の「貝」を使ったアクセサリーです。奈良県川西町は日本一の「貝ボタン」の生産地ですが、その技術を生かした製品です。ウチの奥さんも購入してましたし、知り合いのあの人もこの人もお買い上げしてました。素晴らしいです!
パネル展「吉備内親王展」なども
館内では、パネル展「吉備内親王展」(Twitter)も開催されています(10/2~12/5)。
吉備内親王は、元明天皇の娘であり元正天皇の妹。そして、謀反の疑いで自害に追い込まれた悲劇の宰相・長屋王の妻でもある人物です。歴史書の記述もそれほど多くはなく、普段はなかなかスポットライトを浴びづらいのですが、上村恭子さんの美しく雰囲気あふれる絵とともに、わかりやすく紹介されています。無料で拝見できますのでぜひ!
さらに、秋期特別企画展「イラストでつなぐ奈良時代のみやこ」(10/9~12/5)も開催中です。
奈良時代に都(※離宮を含む)があった吉野宮・恭仁宮・紫香楽宮・長岡宮について、復原画家・早川和子さんのイラスト原画と、それぞれの出土品などの資料を展示するものです。大規模な企画展ではありませんが、とても興味深い内容でした。こちらもぜひ!
また、平城宮いざない館は展示内容も素晴らしいです。大人もお子さんも楽しめる内容ですのでぜひ!
平城宮跡「平城宮いざない館」の展示、素晴らしいんですよね。
— naka (@nara_naka) October 16, 2021
迫力あるジオラマや映像、構造模型などもいいですし、組物や瓦ふき、木簡づくり体験などができるコーナーも楽しい!大人でも楽しめます。またゆっくりと遊びたい!https://t.co/Udt3m5LF40#奈良 #平城宮跡 pic.twitter.com/TvYur3j7qd
「第一次大極殿院南門」復原工事も大詰め
また、平城宮跡では「第一次大極殿院南門復原整備工事」(詳細)が大詰めにきています。すでに復原されている朱雀門と大極殿にもう一つの大きな門が建つ、というイメージです。
正面にあるのが「第一次大極殿院南門」。その右に巨大な素屋根(覆屋)がありますが、これは数ヶ月前までは南門を覆っていました。これをそのまま引っ張って(曳き家して)、そのお隣に作る東楼の工事に使用します。
ジオラマで見る完成予想図。手前の中央にある「第一次大極殿院南門」の両脇、東楼・西楼が、続いて大極殿とつながる回廊も復原される予定だとか。ものすごいスケールの大きな工事が進んでいるんです!
こちらは平城宮いざない館のジオラマより。宮都の入口となる朱雀門から見たところ。この光景が完全に蘇るわけではありませんが、少しずつこの姿に近づいていってます。
堂々たる第一次大極殿。
この日、久しぶりに第一次大極殿の中も見学しましたが、やはりすごいですね。天皇が座した「高御座(たかみくら)」も復原されています。
第一次大極殿から見たところ。工事が終わるのはまだしばらく先のことになりますが、この眺めもある意味では「今しか見られない光景」ですから、しっかり記憶しておきたいと思います。
帰り際、美しい夕陽が少しだけ顔をのぞかせました。
じつはウチの奥さんの体調不良(※決して大事ではありません)で、2021年の秋口は自宅にこもりがちでした。この日、久しぶりに気持ちのいい土地を歩いて気分がすっきりしました!
■平城のとよほき
Twitter: @naranotoyohoki
開催日: 2021年10月9日(土)・10日(日)
会場: 平城宮跡歴史公園 平城宮いざない館
内容:
・天平の女楽と女舞~平城宮内教坊~(10/9のみ)
・祥瑞(しょうずい)マルシェ
・ケータリングカー出店 など
※実際にイベントに参加したのは「2021年10月9日」でした。
■詳しくはこちらをご覧ください
平城(なら)のとよほき、はじまります。|奈良、旅もくらしも
平城のとよほき「天平の女楽と女舞~平城宮内教坊~」 | 国営平城宮跡歴史公園