【桜】『おかっぱ桜』奈良公園ならではのおかっぱ型しだれ桜!
桜の名所・奈良公園で、他では見られない形の桜として話題になっている『おかっぱ桜』。奈良公園に暮らす鹿たちが、しだれ桜の葉っぱなどを背の届くところ(ディアライン)まで食べてしまうため、地上約2mくらいの高さで「おかっぱ型」に刈りそろえたような形になっています。
鹿が刈り込んだおかっぱ頭風のしだれ桜
桜の名所100選にも選ばれている、自然豊かな奈良公園。3月下旬ごろから、ソメイヨシノやヤマザクラなどが到るところで咲き誇り、4月下旬になると「いにしえの 奈良の都の 八重桜」(伊勢大輔)と詠まれた、希少なナラノヤエザクラなども見られます。
それらとは別に、奈良公園でしか見られない『おかっぱ桜』という桜が、ここ数年話題になっています。しだれ桜が「おかっぱ型」をしているもので、地面から約2mの高さにぴしっと刈り込まれていて、インスタ映えするスポットとして人気となっています。
こんなおかっぱ型になってしまうのは、もちろん奈良公園の「鹿」たちのせいです。
鹿たちが葉や花びらを食べるために伸びをして、地上約2mくらいのところまで食べ尽くしてしまいます。これを「ディアライン」といい、ここまでくっきりとその形跡がわかるのは、たくさんの鹿が暮らす奈良公園ならではでしょう。
ほぼ満開となった「おかっぱ桜」。この日もたくさんの人たちがカメラを片手に訪れていました
「おかっぱ桜」と東大寺・大仏殿。おかっぱ桜は、東大寺大仏殿の裏手(北西側)で、正倉院との間くらいです
しだれ桜をおかっぱ型に刈り込んだ張本人、鹿たちものんびりと通りすがります。体の大きな大人の鹿は、後ろ足だけで立ち上がるように背伸びをして、背の届く葉っぱや花びらを食べてしまいます
この鹿たちには背の届かない高さですので、頭上の桜には見向きもしません。地面だけを見つめて、散った花びらなどを食べながら通り過ぎて行きました
人のなくなったおかっぱ桜。この日はお天気がイマイチでしたが、見事に咲き誇っていました。鹿たちに食べられながらも、よくここまで大きくなったものです(笑)
おかっぱ桜の下に入ってみると、頭上から桜の花が降り注ぐよう!
淡いピンクと濃いピンクのコントラストが見事です
「おかっぱ型の樹」は他にも見られます
なお、鹿たちに刈り込まれた「おかっぱ型の樹」は、奈良公園の各所で見られます。
こちらは以前に撮影したもの(おそらく椿)ですが、見事なおかっぱ型ですね。ぜひ奈良公園を散策しながら探してみてください!
ディアライン @奈良公園 #奈良
— naka (@nara_naka) May 9, 2018
奈良公園の木々は、鹿が届く範囲の葉っぱを全部食べてしまうため、おかっぱ型に刈りそろえられてしまいます(ディアライン)。ぜひご注目ください pic.twitter.com/dQsDclvcPP
ちなみに、「おかっぱ桜」のすぐお隣の樹も、見事なおかっぱ型です。奈良公園ならではの光景ですね
【余談】鹿たちは桜の花びらが大好物
余談ですが、奈良の鹿たちは、やわらかな「桜の花びら」が大好物で、地面に落ちたものを美味しそうに食べます。
ソメイヨシノなどの花びらも1枚ずつ丁寧に舐めとっていきますが、花びらが塊でぼとっと落ちるヤエザクラなどはとくに好きなようです。食べごたえもある春のご馳走なんでしょうね。
正倉院や東大寺講堂跡もすぐ近くです
おかっぱ桜のすぐ近くには、教科書などでもお馴染みの「正倉院(しょうそういん)」が建っています。平日の10:00~15:00まで公開されていますので合わせてどうぞ(詳細→「正倉院「正倉」外構 - 宮内庁」)
東大寺大仏殿の裏手の「講堂跡」には、こんな礎石が遺されています。観光客が少ないのどかなエリアなので、ここに腰掛けてのんびりするのもお勧めです!
奈良公園では、おかっぱ桜と同じ時期にヤマザクラや九重桜なども見られます
新緑が美しいモミジ
■おかっぱ桜
見頃:4月上旬~下旬ごろ
場所:東大寺大仏殿の裏手(北西側)、正倉院との間くらい
■参考にさせていただきました
奈良公園クイックガイド » おかっぱ桜
奈良倶楽部通信 part:II: おかっぱ桜*どの方向が好きですか
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