2011-04-11

大和三山に登ろう!<その2>『耳成山』@橿原市

大和三山に登ろう!<その2>『耳成山』@橿原市

藤原宮跡を囲むように立つ「大和三山」を自転車で巡り、全ての山を登頂してきました。天香久山の次は『耳成山(みみなしやま)』です。大和三山でも最も低い標高139.7mの低山ですから、ほんの10分ほどで山頂へ到達できます。


円錐状の美しい山容を誇る山です

大和三山の一つである「耳成山(みみなしやま)」。標高は低いながらも、円錐状の美しい形をしています。古くはもっと高い山だったものが、盆地が陥没したことによって低くなってしまったのだそうです。



ここは歴史的にも有名な大和三山の一つで、標高139.7mと三山の内で一番低く、死火山です。もとはもっと高い山でしたが、盆地の陥没で鎮火し、山の頭部が地上に残された単調な円錐形で、人の顔にたとえれば耳が無いような山なので、耳無山→耳成山と呼ばれるようになったとも言われています。

耳無の 山のくちなし 得(え)てしがな おもひの色の 下染(したぞめ)にせむ
「古今和歌集」よみ人しらず

説明看板より


なお、「みみなし」と聞くと、有名な怪談「耳なし芳一」を連想する方がいらっしゃると思いますが、全く関係ありません(この話の舞台は山口県下関市だそうです)。この耳はパンの耳のような意味合いで、余計な耳が無い美しい姿を讃えられた名前なのです。

耳成山の南側には、桜並木でも知られる「耳成山公園」があります。ここにはきれいなトイレもありますし、無料駐車場が15台分あるそうです(桜の季節には臨時駐車場も)。耳成山ハイキングの出発地点に最適ですね。


耳成山@大和三山サイクリング-01

大和三山の一つ『耳成山(みみなしやま)』。南側に「古池」と、桜並木がある耳成山公園があります。夕方になって雨も降り出してきたので、ものすごく薄暗く写っていますが、ご容赦ください

耳成山@大和三山サイクリング-02
耳成山の前の案内によると、藤原宮跡まで1.8km、香久山まで2.6kmしかありません。畝傍山もそれほど離れていませんし、大和三山は一日で回れる距離にあります


万葉歌「耳成の 池し恨めし 我妹子が…」

耳成山@大和三山サイクリング-03
耳成山の古池の畔に立つ万葉歌碑。「耳成の 池し恨めし 我妹子(わぎもこ)が 来つつ潜(かづ)かば 水は涸(か)れなむ」という、ここに入水して亡くなった蔓児(かづらこ)という女性に送った歌です。揮毫は東海大学教授の石井庄司氏です

耳成の 池し恨めし 我妹子(わぎもこ)が
来つつ潜(かづ)かば 水は涸(か)れなむ
作者不詳 万葉集 巻第16-3788
耳成の池はほんとに恨めしい。いとしいあの子がここを行きつ戻りつして身を沈めるというのなら、水なんてすぐ干上がってしまうべきなのに。


昔、三人の男が「蔓児(かづらこ)」という娘に求婚しました。三人の決意が固いことを知り、誰を選ぶことも出来ずに、思い余って池に入水して自らの命を絶ってしまいました。残された男たちはそのことを嘆き、それぞれ歌を残しました。

この歌は、耳成山麓で起こったそんな悲しい出来事を詠んだ三首のうちの一首です。残りの二首は以下のようなものです。

あしひきの 山蔓(やまかづら)の子 今日行くと
我れに告げせば 帰り来(こ)ましを
作者不詳 万葉集 巻第16-3789
山のひかげのかずら、その名を持つ蔓児(かずらこ)よ、今日あの世に行くと私に告げてくれたなら、あなたの所へ飛んで帰ってきたのに。
あしひきの 玉蔓(たまかづら)の子 今日のごと
いづれの隈(くま)を 見つつ来(き)にけむ
作者不詳 万葉集 巻第16-3790
山の玉蔓の名を持つ蔓児よ、あとを追おうとさまよう今日の私のように、あなたは死場所を求めてどの道の曲がり角を見ながらやって来たのであろうか。


耳成山@大和三山サイクリング-05

「耳無の 山のくちなし 得てしがな おもひの色の 下染にせむ」という古今和歌集に収められた歌の歌碑も残されています


遊歩道が整備されていて山頂まで10分ほど

耳成山に登るルートは何パターンかあります。山をグルリと一周する遊歩道を歩けば、傾斜もなだらかで、お子さんでも楽に歩けるでしょう。

私はこの日は耳成山公園の前から、八合目にある「耳成山口神社」の参道を通って山頂へ向かいました。遊歩道よりはやや急ですが、140mほどの低山ですから、写真を撮りながらでも10分で山頂に到達しました。

耳成山の山頂部分には、ほぼ何もありません。木々が生い茂っているため周りを見晴らすこともできませんし、あまり面白いものではないでしょう。あまり期待せずに、のんびりとした低山ハイキングのつもりで出かけてみてください。


耳成山@大和三山サイクリング-07

耳成山へ登るルートは、何本かあるようです。この日は自転車が停めやすくてトイレもある、南側の耳成山公園側から登りました

耳成山@大和三山サイクリング-08
耳成山の説明看板。天香久山の登山口にあったものと前半は同内容です。「耳成山は大和三山の中では最も低い山ですが、円錐状の整った秀麗な山容をしています。畝傍山と同じく瀬戸内火山帯に属する死火山で、侵食や盆地の陥没と堆積によって、現在の姿となりました。万葉集の中で耳成山が単独で詠まれる例はなく、他の二山とともに詠まれました」

耳成山@大和三山サイクリング-09
耳成山のマップ。南側の耳成山公園側からだと、反時計回りにゆったりと登るコースと、ショートカットして山頂手前にある「耳成山口神社」に出るルートがあります。また、北西側と、別の地図には北東側からも遊歩道が繋がっているように書かれていました

耳成山@大和三山サイクリング-10
耳成山口神社の参道を歩きました。遊歩道よりもやや険しくなっていますが、特にきつい坂ではありません。ワイルドな道に石灯籠が並ぶ姿はいいものですね

耳成山@大和三山サイクリング-11
ほんの数分登れば、神社の境内地への石段が見えてきます。山頂へはこれを登ってすぐ左手へ進みます

耳成山@大和三山サイクリング-12
耳成山口神社。山の口にあるはずなのに、こちらは八合目に鎮座しています。御祭神は、大山祇大神・高皇産霊大神の二柱とのこと。詳しい説明などはありませんでしたが、元は山の麓にあった神社がこちらに遷られたのでしょう。また、とても猫が多い神社でした(笑)

耳成山@大和三山サイクリング-13
耳成山口神社の拝殿から本殿を眺めたところ

耳成山@大和三山サイクリング-14
耳成山の山頂。山頂を示す三角点くらいで、何もありません。眺望も開けていないので、特に面白みはありませんでした

耳成山@大和三山サイクリング-15
山頂近くにあった耳成山国有林についての説明。「山の頭部が地上に残された単調な円錐形で・・・」の部分は、「美しい円錐形で」に書き換えられないものでしょうか(笑)

耳成山@大和三山サイクリング-16
帰り道は、遊歩道を通ってみました。山をグルリと回っているため、傾斜も緩やかです。耳成山は大和三山の中で最も低いですし、最も登りやすい山でしょう



より大きな地図で 大和三山 を表示


■参考にさせていただきました!

耳成山 - Wikipedia
大和三山 - Wikipedia
天香久山


※実際の日付は「2011年3月6日」でした
※画像は全てiPhoneで行っています。曇りだったこともあり、全て暗く写っていますがご容赦ください


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