松永久秀ゆかりの『信貴山城跡』&『松永屋敷跡』@信貴山
戦国武将・松永久秀ゆかりの山城跡『信貴山城跡』は、城の建物などは現存していませんが、山肌を切り開いて平坦にした城郭の敷地がほぼ完全に残されています。山頂近くには松永久秀も居したであろう『松永屋敷跡』もあります。ぜひ急な山道を上って、中世の壮大な城郭の姿をイメージしてみてください!
「空鉢護法堂」を目指して上ります
戦国時代の大規模な山城跡『信貴山城跡(しぎさんじょうあと)』(参考サイト)は、戦国武将・松永久秀ゆかりの城として注目を集めています。
信貴山城(Wikipedia)は、1536年に木沢長政により築城された、南北約700m・東西約550mにも及ぶ広大な山城でした。城は一旦焼失しますが、大和に入国した松永久秀が1559年に改修し、大規模な城郭を築きます。その後、筒井順慶・三好三人衆の連合軍により落城、すぐさま久秀が奪い返すなど、激しい合戦の舞台となります。1577年、信貴山城の戦いで織田信長に追い詰められた久秀は、信長が欲した名器「平蜘蛛茶釜」とともに自爆したと伝わっています。
信貴山城はこの時に廃城となり、現在、城の建物は現存していません。しかし、信貴山朝護孫子寺の境内地となったため、堀・土塁・門跡などの敷地がほぼそのまま残されています。
……とはいえ、当時の様子を連想させるヒントも少ないですし、急な山道を上る必要もあるなど、ハードルは高めです。お城好き・戦国時代好きな方はぜひ!
『信貴山城跡』へは、聖徳太子ゆかりのお寺「信貴山 朝護孫子寺」の参道から行けます。本堂前の参道を左へそれる道があり、ここから「信貴山城跡 600m」の表示があります
すぐに「多宝塔」が見えてきます。この脇を抜けて、さらに道を登っていきます
道中はこんなつづら折りの道が続きます。ゆっくり歩いて20~30分ほどですので、歩きやすい靴は必須。そして、それなりの体力と覚悟が求められます
信貴山城の説明とマップ。当時の建物はありませんが、山肌を平坦にして建物が建っていた削平地が、ほぼ当時のまま残っているそうです
山頂近くの様子。「信貴山城跡」とともに「松永屋敷跡」などの表示が見えます
山頂近くには「信貴山城址」の石碑が建っており、その隣にベンチと説明書きがあります
信貴山城の中心(主郭)だった部分には、現在は「空鉢護法堂」があります。山道はここへの参道となります
「空鉢護法堂」は、命蓮上人が竜王の教えを受け、有名な「信貴山縁起絵巻(飛倉の巻)」のように空鉢を飛ばして倉を飛び返らせたという出来事に由来します。「一願成就」の霊験あらたかで、今なお険しい山道をたくさんの参拝者が訪れます
「空鉢護法堂」の周辺には、いくつもの祠があり、ぐるりと一周できるようになっています。手前の小屋にはスタッフの方もいらっしゃって、トイレも完備しています。面積はそれほど広くありませんので、ここが山城の中心だったと言われなければ全く気付かないでしょう
空鉢護法堂(信貴山城跡)からの眺め。絶景です!戦国武将としてここから大和盆地を見下ろすと、さぞ気分が良かったことでしょう。
久秀も滞在したであろう『松永屋敷跡』
また、空鉢護法堂から山の逆側の急な坂道を下ると『松永屋敷跡』があります。直線距離はおそらく百メートルほどだと思いますが、坂が急なのでくれぐれもお気をつけください
「松永屋敷跡」の説明書き。
『尾根筋の北側の部分には、斑鳩町教育委員会蔵の「信貴山古地図」(江戸時代)に、「松永屋敷」の記載がある。尾根を大規模に造成して平坦地を造り、土塁等で防御、東側に複数の門跡を配すなど、城内での進んだ構造から、松永久秀の居館部分として相応しい構造だといえる。』
松永久秀の屋敷があったと思われる部分では、木製の武者らしい像がお出迎えしてくれます。木々が密に植わっていますが、こんな山中にも関わらず明らかに平坦に造成された土地であることがわかります
奥には一段高くなった土地も。ヒントが少なすぎて、私のような素人には当時の姿をイメージすることは難しいですが、お城好きな方、戦国時代好きな方はぜひ妄想を膨らませてみてください!
私たちの個人的な話になりますが、興味の対象が古代~奈良時代くらいと偏っているため、これまで戦国時代の遺跡などはスルーしてきました。しかし、なぜか夫婦そろってNHK大河ドラマ「麒麟がくる」を見始めて、吉田鋼太郎さんが演じる松永久秀も大好きですので、ここへ来られて感慨深かったです!
■信貴山城跡
住所: 奈良県生駒郡平群町信貴山
駐車場: 有料駐車場有(500円)
アクセス: 西名阪道路「法隆寺I.C」または「香芝I.C」より車で20分
■参考にさせていただきました
信貴山城│いかす・なら
信貴山城 - Wikipedia
信貴山城 - お城めぐりFAN
信貴山城跡|へぐり散策マップ|平群町観光 オフィシャルホームページ
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