美味しく楽しく!吉野の名店3軒の『柿の葉寿司食べ比べ』
友人たちと奈良名物「柿の葉寿司」食べ比べ企画をやってみました!そのまま食べても美味しいものですが、何軒かの柿の葉寿司を並べてみると、見た目・味わい・風味など、それぞれの個性がはっきりと実感できます。この日は、吉野山の名店「ひょうたろう」さん、「やっこ」さん、「醍予(だいよ)」さんの3種類を食べ比べました。美味しく楽しかったです!
「柿の葉寿司」の味はお店ごとに違います
奈良名物の「柿の葉寿司」(Wikipedia)。吉野地方を中心に食されていたもので、もともとは熊野灘で獲れた鯖(さば)に塩をして、熊野街道で吉野に運ばれたものを使用していました。柿の葉には殺菌効果があるとされ、海のない奈良県民にとっては、海の幸を味わえる貴重な食だったのでしょう。
一口大の酢飯に切り身を乗せ、「柿」の葉っぱでくるんで一日押しておくと、その芳香が移って、他の押寿司とはまた違った旨みが出るのです(※柿の葉っぱは食べられません)。
北陸生まれの私は、奈良へ移住してくるまで、柿の葉寿司という食材の存在をまったく知りませんでした。しかし、食べ始めるととても美味しく、「奈良県民にはそれぞれご贔屓の柿の葉寿司屋さんがある」というようなことも少しずつ分かってきて、こんな「柿の葉寿司の食べ比べ」の記事を書いたりもしました。
いま読むと詰めの甘い稚拙な内容なんですが、この記事をご参考いただいて、「ウチでもやってみました」と言ってくださる方も多くいらっしゃいました。
また、この記事がきっかけとなって、雑誌『まほろびすと』(休刊)の連載第一回目から「柿の葉寿司を食べ比べ」という企画をやってみたりしました。この時は6店舗(たかなさん・平宗さん・ヤマトさん・ゐざささん・やっこさん・ひょうたろうさん)を食べ比べたのですが、いま思い出しても楽しかったです(笑)
これ以外にも、数年前に奈良好きが集まって開催した、一夜限りの「奈良BAR」の夜にも、3店舗(平宗さん・たなかさん・ヤマトさん)を食べ比べしてみたこともありました。
飽きもせず、これだけ何度も食べ比べをしているのは、「柿の葉寿司はどの店舗のものも個性があって、味も風味もまったく違う」ということを再確認できるのが楽しいからです。
1軒のものを単独で食べても美味しいんですが、お隣のもう1軒のものと並べてみることによって、それぞれどういう特徴があるのかが把握しやすくなります。新しい発見の連続で、本当に面白いんですよ!
吉野の名店3軒の食べ比べをしました
先日、奈良で関東や関西の友人たちが集まって飲み食いする機会があり、その時の遊びの一つとして、久々に「柿の葉寿司の食べ比べ」を開催することに。集まる前日に私たちが柿の葉寿司を買ってまわり、当日は総勢8名で食べ比べしました!
選んだお店は、普段はなかなか食べられないであろう、吉野町の名店3店舗、ひょうたろうさん・やっこさん・醍予(だいよ)さんです。
わざわざ吉野町まで柿の葉寿司を買いに行く……というのも、面倒な話のように思えますが、この3軒は世界遺産寺院「金峯山寺(きんぷせんじ)」の参道の近い位置に並んでいます。歩いて買い回っても10分もかからないほどの距離なので、食べ比べには最適なのです。
吉野山へ参詣した際や、何かしらの集まりの時にぜひお試しください!
時計回りに上から2個ずつ、やっこさん・醍予さん・ひょうたろうさんのもの。魚の部位による差がありますので一概にどれがどうとは言えませんが、見た目もお味も、各店舗で大きな違いがあります
3軒分の柿の葉寿司を並べたところ。店名を隠してみんなに食べてもらって、それぞれの感想を言ってもらう形にしました
銅の鳥居の人気店『ひょうたろう』さん
1軒目は、吉野山『ひょうたろう』さん(参考ページ)の『ひょうたろうのすし』。吉野大峯ケーブル山上駅から徒歩5分ほど、大きな「銅(かね)の鳥居」のすぐ横にあります。「二日目が一番おいしい」がキャッチフレーズで、まろやかな味わいの柿の葉寿司を食べさせてくれる名店ですね。
桜の見頃になると、朝早くからたくさんのお客さんが押し寄せ、早い時間から売切れてしまいます。その時期を外せば、比較的のんびりしていますので、
柿の葉すし「ひょうたろう」さんの店舗外観。風情がありますね。すぐお隣に「銅(かね)の鳥居」があります。前日から予約しておいて、夕方くらいに受け取りにいったため、すでにのんびり静かでした
種類は「鯖」と「鮭」。鯖5個・鮭5個入りは「10個(@1,300円)」。鯖のみであれば、「8個(@1,000円)」「12個(@1,500円)」など。吉野杉箱入りで、地方発送も可能ですので(夏場は不可)、気になる方はお電話してみてください!
店舗の奥には、イートインできるような小スペースも。店内でいただくのもいいかもしれませんね
ひょうたろうさんの柿の葉寿司「10個(@1,300円)」(鯖5個・鮭5個)。包んである柿の葉の色合い・匂いなども、各店舗でまったく違います
鮭と鯖。見た目がつやつやしているのが特徴です。酢飯はやや甘め、魚はほのかな塩味で生感も。それぞれやや強めながらも、しっかりバランスがとれているのがさすが。また、柿の葉の香りは3店舗の中でここが一番しっかりと感じられました
■ひょうたろう
HP: 参考(吉野山観光協会)
住所: 奈良県吉野郡吉野町大字吉野山429
電話: 0746-32-3070
定休日: 月曜
営業時間: 8:30-17:00
●【食べログ】の該当ページへ
蔵王堂前の大正元年創業の『やっこ』さん
金峯山寺・蔵王堂前で営業なさっている、大正元年創業の老舗『やっこ』さん。2008年に大規模な改装工事を済ませ、きれいな店内で柿の葉寿司と素麺とのセットメニューなどもいただけます(紹介記事)。
やっこさんの柿の葉寿司は、これまで何度もいただいてきましたが、創業当初からの味を今なお守り継いでいるとのことで、とてもまろやかで食べやすいお味です。蔵王堂のすぐ目の前ですから、こちらもシーズンになると大混雑になります。
柿の葉寿司の名店「やっこ」さんの店舗外観。写真を撮っているすぐ背後が、金峯山寺の石段です。シーズンにはたくさんの観光客で大賑わいになるお店です
種類は「鯖」と「鮭」で、販売は7個セットから。鯖5個・鮭5個入りは「10個(@1,400円)」。鯖のみは「10個(@1,350円)」、鮭のみは「10個(@1,450円)」など。最大で40個入りまであり、全国発送も可。ご進物などにいいですね!
きれいな店内。窓際の席からは、吉野山の風景も見晴らせます(紹介記事)
やっこさんの柿の葉寿司「14個(@2,000円)」(鯖7個・鮭7個)。柿の葉の色合いがやや薄めです
鮭と鯖。鯖に関しては、もっともシンプルな鯖っぽさがあり、食感も柔らか。お酒のつまみになりそうという声もありました。鮭もまろやかで食べやすい味わいです
■やっこ
HP: http://www.yakko-yoshinoyama.com/
住所: 奈良県吉野郡吉野町吉野山543
電話: 0746-32-3117
定休日: 水曜
営業時間: 10:00-17:00(桜の季節は9:00-18:00)
●【食べログ】の該当ページへ
吉水神社の鳥居のお隣の『醍予』さん
金峯山寺から200mほど、世界遺産に登録されている「吉水神社」の鳥居のすぐ隣にあるのが『柿の葉寿司 醍予(だいよ)』さんです。
米・酢・鯖など、原材料にこだわっているのが自慢だとか。店内にはイートインスペースもあり、4月の桜の時期のみ利用可能とのことです。こちらの柿の葉寿司をいただくのは初めてでしたので、個人的にとても楽しみにしていました!
吉野山の参道沿い、「吉水神社」の鳥居のすぐお隣にあるのが『醍予』さんです。吉水神社は、後醍醐天皇の行宮であったり、豊臣秀吉が花見の本陣としたり、歴史上でも重要な場所。そのすぐお隣なんですから、改めてすごいですね!
種類は「鯖」と「鮭」で、販売は7個セットから。鯖5個・鮭5個入りは「10個(@1,35
0円)」。鯖のみは「10個(@1,350円)」、鮭のみは「10個(@1,450円)」など。こちらも40個入りなども大きなセットもあり、全国発送可能です!
店頭の様子。桜の時期には店内(32席)でも柿の葉寿司がいただけるそうです
醍予さんの柿の葉寿司「14個(@2,000円)」(鯖7個・鮭7個)。柿の葉の色合いはもっとも濃かったです
醍予さんの商品は、鯖と鮭のどちらもとても穏やかです。酢も強くなく、塩気もやわらか。噛み締めていくとじんわりと味がにじみ出てくるような印象です。酢飯が苦手な方にも好まれそうな味わいですが、穏やかな分だけ「鮭おにぎりに近いかも」という意見もありました
■醍予(だいよ)
HP: http://www.daiyo-yoshino.com/
住所: 奈良県吉野郡吉野町吉野山937-3
電話: 0746-32-1177
定休日: 不定休
営業時間: 8:30-17:00
●【食べログ】の該当ページへ
奈良旅行で「柿の葉寿司食べ比べ」はいかが?
この日は、「参加者に3店舗の名前だけ教えておく」「店名を隠してどれが好きか食べ比べてみる」というスタイルで行いました。厳密にランキングしたりせず、気軽に感想を言いながら食べるだけなんですが、正直なところ、途中から混乱し始めて、どれがどれだか分からなくなってきます。
改めて思いましたが、柿の葉寿司は、お店ごとにまったく味わいも食感も違うんですよね。友人たちも店ごとの違いに驚いてくれたので、とても楽しい会になりました!
柿の葉寿司を食べ比べてみる際の注意点などを、簡単にまとめておきます。
●柿の葉寿司は、多くのお店で「鯖(さば)」と「鮭(さけ)」の2種類を提供しています。食べ比べるなら、この2種類くらいがいいでしょう。もしくは、柿の葉寿司の本来の味である「鯖」のみを食べ比べるのもいいですね。1個あたり120~150円前後です
●奈良駅周辺だけでも、たなか・ヤマト・ゐざさ・平宗など、チェーン展開している大手企業のお店が何店舗も見つかりますので、奈良市内に宿泊する際に、夜のお楽しみ(または帰りの新幹線のお楽しみ)にしてみるといいですね
●柿の葉寿司の本場・吉野は、桜の季節(4月中)には大変な混雑になります。小規模な老舗店舗の場合、事前予約しておかないと、かなり早い時間帯で売り切れになる可能性も高いですし、予約が集中しているとお断りされる可能性もあります。
●予約する際には「いつ受け取るのか」と同時に「いつ食べるのか」を伝えておきましょう。お店によりますが、作りたての柿の葉寿司はまだ味が馴染んでいないとして、作った翌日に食べるのがベストとされます。例えば、「■日に受け取って、その日のうちに食べる」のであれば、特に問題ありません。1日寝かせたベストな状態のものを用意してくれています。しかし「■日に受け取って、その翌日に食べる」場合は、事前にそのことを伝えておくと、当日作ったばかりのものを用意してくれます。
奈良名物の美味しい柿の葉寿司を、さらに美味しく、さらに楽しく味わえる「柿の葉寿司の食べ比べ」、ぜひ皆さんもお試しください!
当日は、山形出身の友人が作ってくれた芋煮なども食べました。この日の会場は、『奈良町家貸スペース ぼたん』さん(紹介記事)。古い町家をリノベーションしたキッチン付きレンタルスペースで、私も何度もお世話になっています。奈良市内の中心部にありながら、「2時間3,500円~」というお値段で借りれますから、覚えておくと便利ですよ!
■町家貸スペース ぼたん
HP: http://botan-nara.info/
Twitter: @BOTAN_nara
住所: 奈良県奈良市南市町3-9
電話: 0742-93-4978
営業時間: 10:00 - 21:00
利用料金: 10時~17時 - 2時間「3,500円」、17時~21時 - 2時間「4,500円」など
駐車場: 無し(近隣に有料Pあり)
アクセス: 近鉄奈良駅から徒歩8分ほど
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