鳥居の間から二上山を臨む『檜原神社』と『井寺池』@桜井市
山の辺の道に位置する大神神社の摂社『檜原神社』は、鳥居の間から遠く「二上山」を眺望できる場所として「奈良県景観資産」に登録されています。二上山の近くに落ちる夕陽は、神々しいばかりでした!すぐ近くの『井寺池』は、手前に箸墓古墳を見、大和盆地が見晴らせる展望スポットになっています。併せてご紹介します。
元伊勢の古社は、眺望も見事です
桜井市に鎮座する、日本最古の神社『大神神社』(Wikipedia)。ここを起点として、山の辺の道を30分弱歩くと、摂社『檜原神社(ひばらじんじゃ)』へと到達します。
この檜原神社は、第10代崇神天皇の御代に、宮中に祀られていた天照大御神を移した最初の地「倭笠縫邑(やまとかさぬいむら)」の所在地と考えられています。適地を探しながら全国を移動し(鎮座した場所は「元伊勢(もといせ)」と呼ばれます)、現在の伊勢神宮(内宮)に祀られるようになった、その出発点に当たる場所です。
境内地はそれほど広くありませんが、独特の形の「三ツ鳥居」が有名です。
また、檜原神社は、美しい夕日が観られる展望スポットとしても知られています。
奈良の美しい景観が楽しめる場所を県が認定した「奈良県景観資産」では、「二上山を正面に眺望できる檜原神社境内」として登録されています。
大神神社の摂社『檜原神社(ひばらじんじゃ)』。古式の鳥居が立っています
檜原神社の鳥居の向こうに、はるか彼方の「二上山(にじょうざん、ふたかみやま)」が遠望できます。古代からずっと変わらない神々しい風景ですね
この夕日は、お彼岸から10日ほど過ぎたタイミングだと、ちょうど雄岳と雌岳の間に落ちるため、たくさんのカメラマンが訪れてその瞬間を狙うようです。残念ながらこの日はまだだいぶ早かったため、二上山の北側に夕日が落ちていましたが、それでも体が震えるほど美しい光景でした。いつかその貴重な瞬間に立ち会ってみたいですね
檜原神社の拝殿前にある、3つの鳥居が組み合わさった「三ツ鳥居」。夕陽を浴びて赤く染まっていました
檜原神社の鳥居から二上山を遠望
井寺池からは、箸墓古墳と二上山が
さらに、檜原神社の参道を200mほど進むと『井寺池』という、東西2つに分かれた池(上池・下池)がありますが、ここからの遠望も見事です。
中央の堤部分から、手前に池、その向こうに卑弥呼の墓とも考えられている「箸墓古墳(倭迹迹日百襲姫命大市墓)」があり、はるか遠くに二上山を含む葛城山系の連なりが見えます。
この日は、檜原神社での撮影に時間をかけてしまったため、日没の瞬間には間に合いませんでしたが、日没から赤く染まりながら暮れてゆく様子をじっくりと眺められました。
檜原神社の参道にある「井寺池」からの夕景。手前に池、その向こうに箸墓古墳、遠くに特徴的な二上山の姿を含む葛城山系のシルエット。悠久を思わせる眺めですね(井寺池がいつからあるのかは不明ですが)
川端康成さんの歌碑も建っています
井寺池の周りには、5つの歌碑が建てられています。
注目なのは、ノーベル文学賞者の川端康成さんのもの。万葉だけではなく記紀の歌も、というご自身のアイディアから、古事記にある日本武尊(ヤマトタケル)の歌「大和は国のまほろば たたなづく青垣 山こもれる 大和しうるはし」を揮毫することにし、1972年(昭和47年)1月にこの地を視察なさいました。
しかし、その3ヶ月後、満72歳で自殺。生前に約束していた文字は書いていなかったため、ノーベル賞受賞式での記念講演に用いた自筆のペン字原稿「美しき日本の私」から文字を選んで歌碑に使用したのです(参考ページ)。
奈良県内にはたくさんの歌碑が建っていますが、こんなドラマもあるんですね。
井寺池の歌碑マップ。吉田富三さん、川端康成さん、久松潜一さん、東山魁夷さん、千宗室さんが揮毫しています
井寺池の真ん中の堤に埋もれるようにして建っているのが、川端康成さんが揮毫したもの
ヤマトタケルの歌「大和は国のまほろば たたなづく青かき 山こもれる 大和し美し」。確かに筆ではなくペン字ですね。他の歌碑も見て回ってください
檜原神社の無料駐車場について
檜原神社には、鳥居の前の参道沿いに無料駐車場があります。カーナビでも道順は案内されますが、途中でものすごく細い道や未舗装の道路を通ったりするため、大きな車だと厳しいかも。運転に自信のない方は、大神神社から歩くのがベターでしょう
■檜原神社(ひばらじんじゃ)
HP: 参考サイト(大神神社)
住所: 奈良県桜井市三輪1422
電話: 0744-45-2173
主祭神: 天照大神若御魂神・伊弉諾命・伊弉冊命
駐車場: 無料駐車場あり(道幅が細いので注意)
■参考にさせていただきました!
檜原神社 桧原神社
3日 桧原神社の夕日 - 気ままに写真 - Yahoo!ブログ
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