2013-06-01

五條新町の散策の拠点に『まちなみ伝承館』@五條市

五條新町の散策の拠点に『まちなみ伝承館』@五條市

古い町並みが残る五條市の「五條新町」エリア。その散策のスタート地点に最適な施設が、明治ごろの民家を改装した趣きのある建物『まちなみ伝承館』です。パンフレット類も豊富ですし、トイレも借りられて、駐車場も無料!ぜひ立ち寄ってみてください!


散策のスタートに最適。雰囲気あります

17世紀の初頭~18世紀にかけて建てられた町家が集中しており、「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている『五條新町』。江戸時代、明治時代、大正・昭和初期、昭和戦後と、約4世紀にわたる民家の移り変わりを見ることができる、趣きのあるエリアです。

江戸幕府が成立して間もない1608年、関ヶ原の戦いで武勲があった武将「松倉重政」公(Wikipedia)が五條二見城に入城。五條新町はその城下町として作られました。城作り・町づくりに秀でた重政公は、諸税を免除して商工業を振興し、交通の要衝の商都に発展させました。重政公が島原へ移った後は幕府の天領となり、繁栄を続けたのです。

(※五條市では名君と称えられる松倉重政公ですが、島原へ移った後は領民を苦しめ、キリシタンを苛烈に弾圧した暴君として伝わっています。しかし……、こんなブログもご覧ください→ 「キリシタン弾圧領主・松倉重政の汚名を晴らしたい!: 今日は何の日?徒然日記」)


そんな五條新町の中心にあり、窓口的な存在となる施設が『まちなみ伝承館』です。明治から大正にかけて建てられた民家を、2004年に改修整備し、五條新町の歴史や文化を伝える資料を展示しています。

館内の見学はもちろん無料ですし、駐車場も無料で利用できます。トイレも使用できますので、館内には五條エリアを観光する際に役立つパンフレットなども置いてありますから、真っ先にここへ向かうといいですね。


五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-01

五條新町の『まちなみ伝承館』の入口。風情ある町家の佇まいです。隣接の駐車場は無料で利用できますので、五條新町の散策のスタート地点にいいですね。メインの「新町通り」は西向きの一方通行になっていますのでご注意を

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-02
まちなみ伝承館に入ったところ。広々とした土間部分には、色んなパンフレットなどが置いてあります。スタッフの方も常駐していらっしゃいますので、見どころや質問などもここでお聞きするといいですね

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-03
座敷の上部が開け放たれていて、古い雛人形と屏風が見えました。残念ながら2階へ上がることはできませんので、下から見上げるのみです

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-07
視線を移すとこんな感じです。古い建物と今風の照明。意外としっくりと合っていますね


素敵な和室。奥の展示室も借りられます

まちなみ伝承館は、8帖×3室の「和室」と、その奥の「展示室」があります(館内図はこちら)。この日は展示が無かったので奥までは入れませんでしたが、和室らしい風情だけはしっかり堪能できました。

広い和室の向こうに中庭が見えて、障子越しにほのかな灯りが差し込むなんて、本当に素敵ですよね。(無料で)お庭などを眺めながらボーッとできますので、ぜひのんびりしてみてください。


五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-08

まちなみ伝承館の和室部分。8畳間が3室連なり、その向こうの中庭まで見通せます。雰囲気ありますね!

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-09
手前が可愛らしい古民家の模型、奥が五條市内の商店の「引き札」です。今のチラシやポスターにあたるもので、江戸~大正時代にかけて、商品や商店の宣伝のために配ったのだとか。年末年始などには特にめでたい七福神や松竹梅などの絵柄にしていたのだそうです

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-10
やや薄暗いのが和建築の魅力ですよね。私たちは古い建具好きなんですが、この「真ん中がガラス、周囲がすりガラス」の建具も素敵です!思わず見とれました!

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-12
中庭もより美しく見えます。この左手から奥へ進むと「展示室」があります。和室も展示室も有料で貸し出してもらえます(料金など

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-11

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-13

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-14


五條と関連のある文楽「艶容女舞衣」の紹介も

この日、まちなみ伝承館の土間部分のギャラリーでは、「文楽」(人形浄瑠璃)についての展示がありました。

最初は関連性が分からなかったのですが、江戸時代に作られて今も上演されている「艶容女舞衣」(はですがたおんなまいぎぬ)というお話が、実際に大和五條に住んでいた染物屋・赤根屋半七の心中のエピソードをもとにしているのだとか。まったく知りませんでした!そんな渋い知識が身につくのも、こういった施設の楽しみですね!


五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-04

文楽に関する展示。1695年、大阪・千日前で大和五條の赤根屋半七と、女舞の大夫の三勝が心中する事件がありました。1772年、これを題材にした浄瑠璃「艶容女舞衣」が公演され、今でも代表的な演目となっているそうです

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-05
渋いパネル展示です。五條と文楽の関連性はまったく知りませんでしたが、興味を持てますね

五條新町『まちなみ伝承館』@五條市-06
実在の赤根屋半七は、この新町通りで染物屋を営んでいましたが、浄瑠璃の中では、大阪上塩町の酒屋の息子となっているそうです。妻と娘がありながら三勝という舞芸人と付き合っていたところ、誤って悪人を殺めてしまい、娘を妻に託して愛人と心中する……というお話のようです。あらすじだけだとあまり共感できないような(笑)



大きな地図で見る


■まちなみ伝承館(五條新町)

HP: http://www.city.gojo.lg.jp/www/contents/1143641817259/index.html
住所: 奈良県五條市本町2-7-1
電話: 0747-26-1330
休館日: 水曜日・年末年始
営業時間: 9:00 - 17:00(入館は16:00まで)
駐車場: 無料駐車場あり(このページを参照
アクセス: JR和歌山線「五条駅」から10分ほど


■五條新町

HP: http://gojo-sin.info/index.html
Facebook: https://www.facebook.com/gojyoushinmachi

※実際に拝見したのは「2013年5月18日」でした


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