2012-04-27

本好きさん必見!「図書館」を便利に使い倒す方法

本好きさん必見!「図書館」を便利に使い倒す方法

無料でいろんな本が読める「図書館」。私は大の図書館好きで、毎週のように通っては手当たり次第に本を借りています。図書館の蔵書検索サイト『カーリル』が登場して以来、そのAPIを使ったサービスも登場し、ますます便利になってきました。図書館の楽しみ方を簡単にご案内したいと思います。


買うほどでも…レベルの本が気軽に読める

個人的な意見ですが、少し前までの私の「図書館」のイメージは、古びた本ばかりが並んでいて書籍の検索も面倒、開館時間も短くて、いい大人が使える施設ではない、そんな程度でした。

しかし、いざ図書館へ通い始めてみると、そんな偏見は一変しました。読みたい本を探すのはもちろん、雑誌を読んだり、CDを借りたり、読みたい本を取り寄せたりもしてもらえるのですから、こんな便利なものはありません。

私の読みたい本というのは、メインが奈良・仏像・古代史・美術などの地味なカテゴリーであり、新刊が多数発売するようなものではありません。それと同時に、何年前の本であってもそれほど情報が古びることはありませんが、いざ新刊を購入しようと思えば意外とお高いものが多いというのも特徴です。これはまさに図書館向きのカテゴリーですね。

それらの気になる本を全て購入していたのでは、いくらあってもお小遣いが足りません。また、置く場所だってありません。「ちょっと興味はあるけど買うほどでもない」という本をスルーしていたのでは、勿体ないですよね。

そんな時にこそ、図書館を利用するべきでしょう。

図書館には、ありとあらゆる種類の本が並んでいます。自分が興味が無いジャンルの本が多いと思いますが、意外な棚で意外な本と出会え、無料で気軽に読めるのが図書館の良さです。お目当てを定めずに、フラフラッと色んな棚を見て歩くのも醍醐味ですね。


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ある日の我が家の本棚。「日本建築様式史」から右側は全て図書館で借りてきたものです。どれもとても面白い本でした。これを全て購入したら1万5千円くらいになると思いますが、図書館で借りれば無料です。「ちょっと気になる」というレベルの本でも気軽に読めます

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仏像系の本+岡本太郎本。これも全て図書館で借りました

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日本霊異記と怪獣。脈絡のない2冊ですが、どちらも私の興味対象です。書店ではあまり近づかないようなジャンルの棚であっても、図書館であれば気軽に借りれるので趣味が広がります

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ものすごいノンジャンルっぷりですが、これも全て私のストライクゾーンです。どれも個人的に、「購入するほどではないけど…」と思ってしまうようなジャンルの本ですが、面白かったです!図書館に感謝ですね


図書館への「リクエスト」を使うのがコツ

ここからは、私が住んでいる奈良県香芝市の「香芝市民図書館」を例にあげてご説明します。人口8万人弱の地方中小都市の図書館ですから、規模もそこそこです。タイムリーな企画展なども開催されていて、いつも楽しく利用させていただいています。

もちろん、図書館のシステムは場所によって違います。貸出の期限や冊数などは、それぞれご利用の図書館でご確認ください。都心部にお住まいの方(もしくはお勤めの方)であれば、羨ましいほどの蔵書を利用できると思いますし、田舎にお住まいの方でも、使い方次第では格段に便利になると思います。

各施設によってサービスが違うため、一概には言えませんが、最近の図書館ではいろいろと進化しています。

●ネットで蔵書の検索・予約ができる
●所蔵していない本は「リクエスト」もできる
●CDやDVDも借りられます

特に嬉しいのが「予約・リクエストサービス」です。そこの図書館に所蔵していない本であっても、近隣の図書館から取り寄せしてくれたり、新たに購入してくれたりするんです。税金で賄われていることですから、リクエストの回数やジャンルに制限はありますが、これは覚えておくと便利ですね。


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私がいつも利用している「香芝市民図書館」。博物館や市民ホールと併設のため、かなり豪華な建物です。ちなみに、香芝市の人口は今現在で約7万7千人。大阪への通勤圏として人口が増えていますが、どこにでもある地方中小都市です。図書館の規模もそれ相応だと思います

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いつもお世話になっている、香芝図書館の歴史コーナー。日本の歴史でワンスパンありますが、その半分以上が古代~平安遷都まで。つまり、古墳時代・飛鳥時代・奈良時代の蔵書の充実っぷりは群を抜いています!他の市民がどう思っているかは分かりませんが、個人的には楽しくて仕方ありません(笑)

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香芝市民図書館のホームページ。窓口で申請すると、会員ページにログインできるようになります。ここから現在の自分の利用状況を確認できたり(貸出延長の手続きもできます)、蔵書の予約も可能です。図書館からの各種の連絡も、電話ではなくメールでいただけるのも嬉しいところです

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図書館の「リクエスト・よやくカード」。最寄りの図書館に所蔵していない本でもリクエストできます(リクエストは1ヶ月3冊まで。詳しくはコチラ→ 予約・リクエストサービスについて)。リクエストはオンラインでは受付してもらえないので、このカードに記入・提出します。新たに購入してもらえたり、近隣の他の図書館に手配して借りてくれたりしますので、これを上手く使いこなすのがコツですね

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最寄りの図書館を探すには、「日本図書館協会」のサイトから。公共図書館であれば、そのエリアの住民や勤務者に蔵書を貸出してくれます。勤務先の近くの図書館をチェックするのもポイントですね。居住地の図書館よりも大規模なケースが多いですし、窓口も比較的遅くまで開いていることが多いです


図書館の蔵書の横断検索『カーリル』がすごい!

そんな図書館の利用方法に、革命的な変化をもたらしたといえるサービスが『カーリル』です。

全国の図書館の蔵書情報と貸し出し状況を検索できるため、読みたい本があったら、まずはいつも利用している図書館に置いてあるかどうか、そして誰かに借りられていないかどうかが、瞬時に検索できます。Amazonなどの書籍データベースとも連動しているので、検索の取りこぼしが少なくなっているそうです。

また、このサービス内で「読みたい本リスト」を手軽に作れるのも特徴ですね。気になった本はこのリストに突っ込んでおいて、それをプリントアウトしたり、携帯やスマホで閲覧すれば、図書館に行ってからが便利です。

簡単に使い方を説明しておくと、まずは検索対象とする図書館を登録します(最大5ヶ所)。一番近い地元の図書館と、勤務先の近くにある図書館を登録するといいでしょう。あとは書名やISBNなどで検索すれば、その本が蔵書にあるのか、貸し出されていないかなどが瞬時に分かります。

私の場合は、奈良県香芝市在住ですから、まずは香芝市民図書館を登録しています。さらに、本のリクエストをした場合に取り寄せ先となる可能性が高い県立図書館なども登録してあります。やや手間と時間はかかりますが、今すぐに読みたいものは自分で購入すれば済むことですから、便利に使い分けられています。


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複数の図書館を横断して蔵書検索できるシステム『カーリル』。メインに使用する図書館に加えて、勤務先に近い図書館など全部で5ヶ所まで登録できて、そこから利用状況を検索できます。これが本当に便利なシステムで、ここからさらに便利なサービスが派生して生まれています

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例として、『壊れても仏像』という本をカーリルで探してみました。やや見づらいですが、最寄りの香芝市では「蔵書なし」となっていますが、奈良市内の他の施設や、奈良県立図書館には蔵書があることが分かります。勤務先がそちらにあればそこで借りることも可能ですし、地元図書館でリクエストすれば、これらの蔵書から取り寄せてもらえる可能性が高いです

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カーリルは、スマートフォンでも利用できます。スマホのブラウザから「カーリル」と検索すると、スマホ用サイトが表示されます。「カーリルをインストールしませんか?」という表示が出ますので、指示に従うだけで、インストール完了。ここから派生したiPhoneアプリ、Androidアプリも登場していますので、そちらを利用するのもいいでしょう(アプリケーションギャラリー


地元の資料探しには『カーリルローカル』を

カーリルから派生した『カーリルローカル』というサービスも便利ですね。入力したキーワードに関して、全ての図書館のコンテンツを横断検索してくれます。

この特徴は、ISBNのある書籍だけではなく、地域資料や行政資料・映像資料など、図書館が所蔵しているすべてのものが検索対象となること。また、デフォルトでは検索の単位は都道府県ごとになっていますが、これをカスタマイズして「●●線沿線の図書館から調べる」というような方法も可能です。覚えておくと便利ですね。


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派生サービスの『カーリルローカル』。デフォルトでは、都道府県ごとに図書館の横断検索ができます。検索エリアのカスタマイズも可能です

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例として、カーリルローカルで、奈良県内の図書館を対象にキーワード「大安寺」で検索してみました。17の図書館で116冊が見つかりました。本のタイトルだけではなく、内容の概要などからも拾ってくれるため、かなり便利ですね。各図書館へ行ってその場で読むのもいいですし、リクエストの参考になります


Amazonにカーリルのデータを表示『Libron』

さらに、このカーリルのシステムをAmazon.co.jpと融合させるのが『Libron(リブロン)』です。ウェブブラウザ FireFox・Chrome・Safari の拡張機能として動きます。

機能の説明としては、「Libron は Amazon のページから素早く最寄りの図書館の蔵書を検索し、貸出予約ができる便利なツールです。」ととてもシンプルです。Amazonのページに、その本が「最寄りの図書館で借りられるかどうか」を表示してくれます。

ネット上で気になる本を見つけたりすると、紹介先はアマゾンのページが指定されていることが多いため、そこからページを移動せずに図書館の蔵書検索をしてくれるのは便利ですね。特に、私は「読みたい本リスト」や「後で購入する本リスト」など、書籍に関する情報はAmazonの「ほしい物リスト」で管理していますので、借りたい・買いたいが一箇所で管理できる、手放せない機能になりました。


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図書館とAmazonのサービスを融合させるサービス『Libron(リブロン)』。カーリルのAPIを使って、その検索結果をオンライン書店「Amazon.co.jp」に表示できるようにしてくれます。マイクロソフトのブラウザ「Internet Explorer」では使用できませんので、他のブラウザを用意する必要があります(インストール方法

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Libronをインストールすると、おなじみのAmazonの画面に、カーリルの検索結果が表示されるようになります。この場合、香芝市では見つかりませんでしたが、その下の「他の図書館で検索する」をクリックすると、事前に指定しておいた他の図書館での検索結果が表示されます。これが本当に便利なんです!


図書館と書店。使い分けるとより便利に

図書館を便利に利用する方法を書いてきましたが、もちろんこれは、リアル書店やネット書店と組み合わせてこそ活かされます。

ベストセラーや新刊などをすぐに読みたい場合や、または読んだ本は全て手元に置いておきたいという場合は、図書館の利用はオススメしません。話題の本となると、図書館にも予約が集中しますので、自分の順番がやって来るまでに旬は過ぎていたりします。ベストセラー系をすぐに読みたい方は、本屋さんで購入して、不要であれば古本屋やネットオークションで処分するのがいいでしょう。本の系統によって使い分けることによって、かなりの節約になりますし、無駄に蔵書を増やさなくても済みます。

「すぐに読みたい本」「何度も読みたい本」は書店で購入するのがベターですし、それほど急がないものなどは図書館で探すといいですね。こう使い分けることで、より幅広いタイプの本が読めます。

さらに、私は「図書館で借りて読んだけど後で購入する本リスト」というようなものも作っています。図書館で借りた本を読み返したくなった、または資料として必要になった場合、時間があればまた借りに行けば済むことです。しかし、それ以上のお役立ち本であれば、すぐに買い直しておいた方が安全ですね。気に入った本だけを手元に置けて、無駄がありません。

また、本好きな方の中には、本を購入して結局読まない、いわゆる「積ん読」の状態になっているほど安心したり、下手をしたらそれをステータスと思っているような方もいらっしゃいます。

私も本好きのハシクレですから、その気持ちはよーく分かります。本に関して一番楽しい時間とは、「どれを買おうか」と本屋で迷っている時と、「どれを読もうか」と手元の積ん読本の中から気分に合う一冊を選んでいる時だと思いますから(笑)

しかし、返却期限が決まっている図書館の本であれば、積ん読で満足することはできません。タイムリミットまでに読まなくてはいけないのです。これを嫌がる方も少なくないと思いますが、これが積ん読防止に役立つのです。

私の近所の図書館では、通常の貸出期限は「2週間」、他の方から予約などが入っていなければ延長も可能で、最大で「4週間」まで借りられます。これだけの時間があっても読めないのであれば、その本とはご縁がなかったと考えてもいいですよね。本屋さんで購入した本であれば、いくらかのお金を無駄遣いしたことになりますが、図書館であれば金銭的なダメージはありません。

また、多忙になって読めなかったというのであれば、その本は一旦返却して、また日を改めて借り直せばいいんです。私は、「借りたけど読めなかったので借りなおす本リスト」を作っていて、時間があるときにそこから選んだりしています。


<余談>楽しく読書を続けるコツとは

また、ここからは完全に余談ですが、世の中にはきっと「読書を続けるコツ」というものもあると思います。

個人的な経験から言えば、私が奈良の情報ブログを始めた当初は、本なんて年間10冊程度しか読んでいませんでした。私自身の知識が浅いため、ブログに書く内容も薄っぺらいものでしたから、ネットで検索して見つかる情報だけで、もう十分に下調べになっていたのです。わざわざ本を開かなくても十分に事は足りていたんですよね。

しかし、少しずつ知識がついてくるに従って、情報源がネットだけでは物足りなくなります。一歩踏み込んだ情報や、他の方があまり取り上げていない情報など、どうしても文献を当たる必要が出てきます。こうして必要にかられて読書を再開したのがほんの数年前のことです。

少しだけ私が思う「読書が続くコツ」らしきものを書いておきます。


読書が続くコツ - 柔らかい本・硬い本を交互に

自分が読みたい本だけを何冊も集めると、どうしても同じ傾向のものばかりが並んでしまします。私は古代史の本なども好きで読んでいますが、どうしてもややこしい内容のものが多いため、そればかりが目の前に何冊もあると、見ているだけでげんなりしてしまうんですね。欲張ってあれもこれもと借りてくるのはいいのですが、結局読めなければ意味はありません。

これを避けるために、同じジャンルの本、また難しい本に偏らないように注意しています。全部が古代史の本ではなく、気分転換になるプロ野球や駄菓子の本を混ぜたり、軽く開ける写真集や画集を混ぜたりと、逃げ道を作っておくいいですね。

逆に、普段は軽い本ばかりを読んでいる方は、何冊かに一冊でいいので、少しだけ難しいものを混ぜておくといいでしょう。結局それが読めずに返却することになっても、懐は痛みません。そういった本が読めるタイミングが来たら、いつの間にか手にとっているようになるものです。


読書が続くコツ - 読む場所を確保する

自宅でも、通勤途中の電車の中でも、読む場所を確保するのが大切です。私は以前に「お風呂で読書する」という記事を書いたことがありますが、これは本当にオススメですね。

※十分な換気をすれば、お風呂に本を持ち込んでも本は傷みません。ただし、指先が湿るため紙質の悪い本は避けましょう。もちろん、図書館の本は公共のものですから、扱いには十二分に注意が必要です。

あと、自宅の一角に落ち着いて読書できるスペースを作る、読書するためにカフェに行くなど、方法は色々とあるでしょう。


読書が続くコツ - 書評をまとめておく

「本を読むだけでも時間が掛かるのに、感想文まで書けるはずがない」と思われるかもしれませんが、『ブクログ』『読書メーター』などに感想を残すメリットは大きいんですよね。

後で感想を書こうと思いながら読書をすると、文字を追いながらも、自然と頭の中で要点をまとめていくものです。また、私は読書の時には常に付箋紙を手元において、必要なところに印をつけています。これらを手掛かりに感想文を書くと、その本の要点がより強く記憶に残り、ただ読み流すのと比べると、役に立つ度合いが格段にアップするのです。

やや手間はかかりますが、せっかくの読書体験をより身に付けるために、やってみる価値はありますよ。


もっと図書館を使おう-14

読書の習慣を長続きさせるため、また本の内容をよりしっかりと記憶するためには、自分のブログや、本を中心に繋がったコミュニティーで書評などを書いておくといいと思います。私自身は『ブクログ』というサービスを利用していて、ここの投稿データをTwitterに飛ばしたりしています。また、ブログ掲載用に1ヶ月間の読んだ本一覧が出力できるのも便利ですね


■参考にさせていただきました!

いま熱い!図書館ライフハックツール&サービス 12選 - AUSGANG SOFT


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