2012-03-23

本物の土俵に上がれます!『相撲館けはや座』@葛城市

本物の土俵に上がれます!『相撲館けはや座』@葛城市

葛城市にある、全国でも珍しい「相撲」をテーマにした施設『葛城市相撲館 けはや座』へ行ってきました。相撲関連の資料が充実していますし、本物とほぼ同様の土俵に自由に上がれる貴重な施設です。お子さん連れでも楽しいでしょう!


旧當麻村は「當麻蹴速」の出身地です

葛城市の『葛城市相撲館 けはや座』は、全国でも珍しい相撲をテーマにした博物館で、1990年5月にオープンしています。當麻寺への参道沿いにあり、本物と同様に作られた土俵があるなど、相撲ファンにはたまらない本格的な施設となっています。

そもそも、何故こんな施設が葛城市にあるのかと言うと、日本の相撲の始まりとされるのが、「野見宿禰(のみのすくね)」と「當麻蹶速(たいまのけはや)」の取り組みです。この當麻蹶速の出身地が葛城市(旧當麻村)だとされているためです。



日本書紀によりますと相撲の始まりとして「野見宿禰」と「當麻蹶速」の力比べが書かれております。

「第11代垂仁天皇の時代に大和国の當麻村に夕刊で力の強い男がいました。その人物の名前は當麻蹶速といい、生まれつき力が強く、手で角をへし折り、曲がった鈎も伸ばしてしまうというほどです。彼は常日ごろから人々に向かって『周りを見ても自分と力を比べられる者はいない。なんとかして力の強い者とめぐりあい、ひたすら力比べをしたいものだ』と豪語しておりました。天皇はその人物について知り、家臣に向かって『誰か蹶速と対等に戦うことの出来る人物は知らないか』と尋ねた。すると、家来の一人が進み出て言いました。『出雲の国に野見宿禰という人物がおります。この人物を呼んで蹶速と戦わせては如何でしょうか』 そこで、その日のうちに野見宿禰を呼びにやらせました。垂仁7年7月7日に宿禰と蹶速の対戦がはじまりました。二人は向い合って立ち、それぞれ足をあげて蹴りあったが、たちまちに宿禰が蹶速のあばら骨を蹴り折り、さらに、腰骨を踏み折って殺してしまった。これにより、天皇は、蹶速の領地没収して、野見宿禰に与え、その後宿禰は、この土地にとどまり、天皇に仕えることになった」

日本書紀の文を大まかに要約しましたが、この力比べて勝者になった野見宿禰は相撲の神様として今も祭られております。敗者となった當麻蹶速も當麻寺参道沿いに「蹴速塚」があり、地元の人々に手厚く祀られております。

けはや座 館内「當麻蹶速のお話」より


勝者の野見宿禰は、後に大和朝廷で高い地位に取り立てられますが(古代の有力豪族・蘇我氏の祖先と言われています)、地元出身の當麻蹶速は、「たちまちに宿禰が蹶速のあばら骨を蹴り折り、さらに、腰骨を踏み折って殺してしまった」と描かれてしまいます。何とも悔しい話ですが、この辺りが相撲発祥に深く関わったことには間違いないようです。


葛城市相撲館「けはや座」-01

葛城市にある、全国的に珍しい相撲をテーマにした博物館『葛城市相撲館 けはや座』。最寄りの駅は近鉄「当麻寺駅」で、當麻寺への参道沿いにあります。お隣には休憩所が併設されていて、散策途中に気軽に立ち寄れます

葛城市相撲館「けはや座」-20
館内に展示してある「野見宿禰(のみのすくね)と當麻蹶速(たいまのけはや)の対戦図」。日本最初の相撲とされる取り組みです。この土地に生まれた力自慢の當麻蹶速は、残念ながら敗者となってしまいます


土俵上で仕切もできます。塩もまけます!

葛城市相撲館けはや座の施設内に入ると、いきなり本物と同サイズの土俵が現れます!

本物の土俵と同じ作り方をしてあり、ちびっこ相撲や相撲体験などで使用されますが、こちらは「展示土俵」のため、本物のように女人禁制ではありません。女性でも土俵に上がれますし、靴を履いたままでも上がれます。

私も土俵に上がるのは初めてでしたが、そこに立ってみると色んな発見がありますね。土俵の表面がザラザラしていて痛いこと、意外と小さく感じること、土俵下まで高さがあって落ちたら怖そうなこと。そんなことを考えながら、塩をまいてみたり、仕切の真似事をしたり、他ではまずできない体験ができました。

また、すぐ近くに「マス席」が設けられているため、お相撲観戦の気分も味わえます。なかなか本場所には行けないものですから、こんな体験も嬉しいですね!


葛城市相撲館「けはや座」-03

葛城市相撲館「けはや座」に入った途端に、目の前には本物の土俵がドンと現れます。本場所と同サイズのもので、展示土俵のため、女性でも、靴を履いたままでも上がれます

葛城市相撲館「けはや座」-04
2階の通路部分から土俵を見たところ。迫力がありますね!

葛城市相撲館「けはや座」-05
ちゃんと塩と力水も置いてあります。ほんの少しだけ塩をまいてみましたが、気分いいですね(笑)

葛城市相撲館「けはや座」-06
本物そのままですから、ちゃんと徳俵もあります。裸足になって足の裏で感触を確かめてみましたが、ザラザラしていて痛いんですよ。こんなところですり足をしたり、まわし姿で転がされたりしたり、それだけで大変ですね

葛城市相撲館「けはや座」-07
一人で立ち会いっぽく。靴を履いたままで上がれます。こんな貴重な体験は他ではなかなか出来ませんね

葛城市相撲館「けはや座」-08
土俵脇には、「けはや相撲甚句会」の相撲のぼりが並んでいて、とても華やかでした。毎月第一日曜日は「相撲甚句の日」として、ここで相撲甚句(大相撲の巡業で披露される囃子唄)が披露されるそうです

葛城市相撲館「けはや座」-09
土俵の正面と向こう正面には、ちゃんとマス席が設けてあります。マス席に座る経験もなかなか出来ませんから、ちょっと嬉しいですね!

葛城市相撲館「けはや座」-10
マス席の最前列から土俵を見るの図

葛城市相撲館「けはや座」-11
土俵の周辺に飾ってあった相撲文字の書。取組表で使われたものでしょうか。寺尾関や琴の若関など、展示品の時代が微妙に古めなのが個人的には嬉しいですね


大相撲の資料が充実。懐かしい名力士も

土俵の周辺には、様々な大相撲関連の資料やグッズなどが展示してあります。蒐集家の方から約12,000点の寄贈を受けたものが中心となっていて、地元出身力士の関連品などもあり、相撲ファンにはとても興味深いですね。

なお、寄贈された当時のものが中心となっているため、展示内容にやや古さを感じてしまうのも事実です。北の湖関や輪島関が中心だった時代のものが中心で、その後の若貴兄弟の時代のものがわずかにある程度。現役力士の資料はほぼありませんでした。

実は、私は最近の大相撲は分かりませんが、横綱・北の湖が君臨していた時代の大相撲が大好きで(一番好きな関取は栃赤城関でした)、大相撲の歴史のような本も何冊も読んでいます。個人的には、時代的にもストライクだったので、本当に楽しかったですね!


葛城市相撲館「けはや座」-13

土俵を取り囲むように、2階の回廊部分には様々な相撲に関する資料が展示してあります。本物の化粧まわしや、相撲関連グッズの蒐集家の方から寄贈を受けたという、約12,000点もの資料が並びます

葛城市相撲館「けはや座」-14
懐かしい増位山関の化粧まわし3点。上のパネルは、北の湖関と輪島関の取り組みだったりと、この時代の資料が多めです。個人的にはかなりツボの年代でした

葛城市相撲館「けはや座」-15
奈良県出身力士を紹介するコーナー。意外と少なくて、古くは虹ケ嶽関や鈴鹿山関など。最近では力櫻関(桜井市出身)や大真鶴関(川上村出身)など。相撲発祥の地である葛城市出身の力士は、鶴ケ濱関などがいらっしゃったそうです

葛城市相撲館「けはや座」-16
歴代横綱の一覧。最近の横綱のものは、貼る場所がなくなって下に置いてありました

葛城市相撲館「けはや座」-17
雑誌などに掲載された相撲の資料など。ものすごく充実したコレクションです。デザインが素晴らしいですね

葛城市相撲館「けはや座」-18
企画展示コーナーには、現在の日本相撲協会から別れて一時期のみ存在した「関西角力協会」についての展示がありました。番付や掲載誌などの資料も豊富で、ものすごい充実度です!

葛城市相撲館「けはや座」-19
本物のまわしと雪駄(確か大真鶴関のもの)。当然のことですが、雪駄のサイズが巨大です!

葛城市相撲館「けはや座」-21
相撲の歴史を学べる展示。錦絵のコーナーもあり、伝説の大関・雷電為衛門や、見世物的な人気だった子供・大童山文五郎などの絵が見られました

葛城市相撲館「けはや座」-22
戦後の名力士たちの写真パネル展示もあります。中央の両力士が倒れこんだ一枚は、往年の名横綱・双葉山関が70連勝を阻まれたシーンです

葛城市相撲館「けはや座」-23
栃若時代(栃錦と初代・若乃花)などの時代のパネル。前の山関、琴桜関など、私はリアルタイムでは知らない名力士の方々です

葛城市相撲館「けはや座」-24
写真パネルも北の湖関・輪島関・高見山関・旭国関・貴ノ花関などの時代へ。「現在の相撲」となっていますが、この後は若貴兄弟の時代の資料が少しあるくらいで、やや時代が止まった感があります


お相撲のミュージアムグッズもあります

なお、葛城市では、2012年4月2日に「平成24年春巡業 大相撲葛城場所」が行われます。本場所さながらの取り組みはもちろん、人気力士とちびっこの稽古や初切(しょっきり)なども行われるようですので、興味のある方はぜひ!

なお、この日は土砂降りの雨だったため画像はありませんが、相撲館けはや座のすぐ近くに、當麻蹶速の墓とされる碑がありますので、そちらも合わせてお参りしてみてください。さらに、ちょっと足を伸ばした桜井市には、野見宿禰と當麻蹶速が戦った場所と伝わる「相撲神社」もありますので、相撲つながりで巡ってみるのもいいですね。


葛城市相撲館「けはや座」-25

奥にあるポスターは、2012年4月2日に行われる春巡業「大相撲葛城場所」のもの。葛城市内の体育館で本物の相撲が見られます。手前は、毎月第一日曜日の「相撲甚句の日」のもの。ここで相撲甚句が見られます

葛城市相撲館「けはや座」-26
ミュージアムグッズ(?)として、横綱の写真が一覧になったポスターや冊子などが販売されていました。面白かったのは、この「大相撲錦絵(1セット500円)」。若貴時代で時代が止まっていて、小錦関・武蔵丸関・出島関などが描かれていたりします!かえって貴重ですね(笑)


※ 2012/05/05 追記

桜井市の『相撲神社』にお詣りしてきました。ひっそりと静かな場所でした!



大きな地図で見る


■葛城市相撲館「けはや座」

HP: http://www.city.katsuragi.nara.jp/katsuragi/shisetu/42.html
住所: 奈良県葛城市當麻83-1
電話: 0745-48-4611
休館日: 火曜・水曜(祝日は開館)
開館時間: 10:00 - 17:00
拝観料金: 大人 300円、小中学生 150円、幼稚園以下 無料
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄南大阪線「当麻寺駅」から約5分


■参考にさせていただきました!

葛城市相撲館けはや座と當麻蹶速の塚(葛城市) - ならリビング.com
相撲神社


※ 2013/06/24 追記

先日は大雨のために紹介できませんでしたが、「けはや座」のすぐ前には、『當麻蹶速の塚』があります。當麻寺の参道に面していますが、小さな五輪塔と石碑があるくらいですので、知らずに通りすぎてしまう方も少なくないでしょう。

この土地で生まれた悲劇的な英雄を祀る塚ですから、ぜひ手を合わせてあげてください。


葛城市相撲館「けはや座」-tsuiki-01

葛城市相撲館「けはや座」のすぐ前に建つ『當麻蹶速の塚』。五輪塔と鳥居と石碑、そして簡単な説明書きがあります。すぐお隣には小さなお堂があります

葛城市相撲館「けはや座」-tsuiki-02
「史跡 當麻蹶速之塚」とあります。この日もお花が手向けられていました

葛城市相撲館「けはや座」-tsuiki-03
だいぶ読みづらくなっていますが、脇には當麻蹴速についての説明もあります








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