2011-06-22

古代のミステリースポット?神野山の巨石めぐり@山添村

古代のミステリースポット?神野山の巨石めぐり@山添村

「鍋倉渓(なべくらけい)」に続いて、神野山にある巨石たちを見て回った様子をお伝えしておきます。神野山の巨石群に、古代の「巨石信仰」と「たなばた信仰」を重ねて観る方もいらっしゃって、ちょっとした不思議スポットでもあるのです。


天の川と夏の大三角形を地上に写した?

標高618.8メートルの神野山(こうのやま)には、黒い岩たちが川のように連なる『鍋倉渓』をはじめとして、様々な巨石が点在しています。

中には、その配置は偶然のものではなく、人の手が加えられた古代の祭祀の場所だったと見る「山添村いわくら文化研究会」さんのような方々もいらっしゃいます。



神野山の不思議
巨石信仰と古代たなばた信仰

夏の夜空を見上げると、きらめく天の川とそれを彩る3つの星が眼につきます。白鳥座のデネブ、こと座のベガ(織女星)、わし座のアルタイル(牽牛星)です。有名な七夕祭りのお星様です。(図-1)
この天の川と3つの星を地上に写し取った場所があると言えば、あなたは信じますか。実は、神野山の鍋倉渓、王塚、天狗磐(岩)、八畳磐(岩)がそれぞれ天の川と3つの星を地上に移したものと考えられます。(図-2)

これは、単なる偶然なのでしょうか。これらの磐や塚は、何らかの意図を持って人工的にこの場所に置かれたのではないでしょうか。
古代の人々は、夏の夜空に輝く天の川と3つの星は神々しく、恐れおののく神そのものだったろうと想像できます。天空の星と地上の磐とが一致するとき(1年一度の七夕の頃)、天上の神が降臨すると考えられ、安定した生活を願う儀式の場であったかも知れません。

まるで雑誌「ムー」のような話ですが、ロマンがあっていいですよね。この日は、全てではありませんが、その構成要素を見て歩いてきました。


神野山の石文化@山添村-06

神野山(こうのやま)に登るルートはいくつかありますが、この日は羊たちが飼育されている「めえめえ牧場」上の駐車場から歩きました。散策路が整備されていて、とても歩きやすいハイキングコースですね。春になると山頂にはツツジが咲き誇ります

神野山の石文化@山添村-16
神野山の山頂付近にあった「神野山の不思議 巨石信仰と古代たなばた信仰」の説明。丸文字風のフォントに時代を感じます(笑)


北極星にあたる「北斗岩」

神野山の石文化@山添村-07
真っ先に見えてくるのが「北斗岩」。夏の夜空の「北極星」にあたる場所にあるそうです。「神野山 山頂の王塚ぁら北に位置している。BC二千年の竜座のトゥバンを表していると考えられている。山添村いわくら文化研究会」

神野山の石文化@山添村-08
神野山の北斗岩。天体図に当てはめると北極星の位置にあるとされているもので、星っぽいものが掘ってあったりするわけではありません

神野山の石文化@山添村-09
これが古代の信仰の場だったかどうかは分かりませんが、苔むした巨石は不思議な迫力があります。はるか昔からずっとこの姿だったのでしょう


神野山の山頂古墳「王塚」(デネブ)

神野山の石文化@山添村-11
山道を歩いてしばらくすると視界が開けます。山頂付近には大きな電波塔や展望台などがあります。この周辺はつつじの群生地になっていて、満開の頃に来たら見事な光景が見られるでしょう。お弁当を広げるのに最適なスポットでした

神野山の石文化@山添村-12
展望台からの眺め。奈良と三重の県境にある土地ですから、あらゆる方向に山並みが見えます。鳥の鳴き声が響く、のどかな場所でした

神野山の石文化@山添村-13
神野山の山頂にある「王塚」。説明文には「カン速日命」を祀った古墳とありました(カンはふり仮名だけ読めました。ニギハヤヒ?)。墳丘は直径約10メートルほど。山頂に古墳があるのは珍しいとのことです

神野山の石文化@山添村-15
王塚の説明文。「王塚(デネブ・夏の大三角形)山頂に古墳と言うのは珍しいことから古代人が天と交信するために造られた古代祭祀と考えるのが一般的である。東経一三六度の線上に位置する。白鳥座のデネブを表していると考えられている。山添村いわくら文化研究会」。

神野山の石文化@山添村-14
王塚を裏側から見たところ。小さな石垣で囲まれているだけですが、神聖な場所であることが伝わってくるようです


アルタイル(ひこ星)にあたる「天狗岩」

神野山の石文化@山添村-17
山頂から鍋倉渓方面へ少し下ったところにある「天狗岩」。説明文には「天狗岩(アルタイル、夏の大三角形)本体の東面には模様らしきものが確認されるが、意味は不明である。わし座のアルタイル(ひこ星)を表していると考えられている。」とありました

神野山の石文化@山添村-18
天狗岩の様子。サイズが分かりづらいですが、大人の背よりも大きいです。巨石が集まっていると、意味ありげに見えてくるのは確かですね。ただ、説明にあった「東面の模様らしきもの」は、私たちには分かりませんでした

神野山の石文化@山添村-19

神野山の石文化@山添村-20

神野山の石文化@山添村-21


弘法大師の伝説が残る「大師の硯石」

神野山の石文化@山添村-01
272号線から40m下って行くと見つかる「大師の硯石(すずりいし)」。弘法大師が神野山に登る際、村人から「塩がなくて困っています」と相談を受け、錫杖で岩を叩くと穴から海の潮が湧き出したことから、この土地は「大塩」というようになったとか

神野山の石文化@山添村-02
「大師の硯石」は、4m×3mの大きさの岩です。その上にある20cmほどのくぼみには、あふれもせず枯れもせず、いつでも水がたまっているのだとか。岩の形は特に硯には見えませんでしたが、確かにくぼみには水がありました


巨石の地の鎌倉時代のお地蔵さん「塩瀬地蔵」

神野山の石文化@山添村-03
その近くに鎮座する「塩瀬地蔵」。昔、眼病に苦しんだ方が、ここの手水鉢の清水で目を洗ったら快方したとの言い伝えから、目の神様として祀られているとか

神野山の石文化@山添村-05
塩瀬地蔵さんのお姿。鎌倉時代の作で、祠が作られています。ここはお伊勢参りの方が通ったルートであり、道中の安全を祈願したそうです。不思議な巨石が集まる神野山の麓にいらっしゃるお地蔵さんですから、霊験あらたかなのかもしれませんね


天の川「鍋倉渓」と合わせてどうぞ

この他には、夏の大三角形の隣を流れる「天の川」に当たる、奇景『鍋倉渓(なべくらけい)』と、その中にさそり座のアンタレスに当たる「竜王岩」などは見てきました。


神野山の鍋倉渓の周辺を散策するだけなら、3時間もみておけば充分だと思います。この日は時間が足りずに行けませんでしたが、この他にも気になるポイントがたくさんありますので、これらはまた日を改めて観に行きたいと思います!

●こと座のベガ(織り姫星)に当たる「八畳岩」
●ふるさとセンター前の巨大な石球「長寿岩」
●行基建立の古刹「神野寺」



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■山添村 観光情報

HP: http://www.vill.yamazoe.nara.jp/kankou/k-kannkoutop.htm
住所: 奈良県山辺郡山添村大字伏拝
電話: 0743-85-0041(山添村役場)

※実際に行ったのは「2011年5月31日」です。


■参考にさせていただきました!
神野山の岩石群
超古代文明「イワクラ」
山添村いわくら文化研究会ホームページ






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