遊郭建築『町家物語館』で「大和な雛まつり」見学＠大和郡山市
大和郡山市の洞泉寺町にある、かつて遊郭だった木造3階建ての建物『町家物語館』（旧川本家住宅）。貴重な建物の内部を無料で拝見できる施設で、薄暗くて淫靡な雰囲気が素晴らしいです。イベント「大和な雛まつり」開催中には、大階段に迫力の雛飾りも見られました！
全国的に貴重な「入れる元遊郭建築」
かつては10軒以上もの「遊郭（ゆうかく）」が存在した、大和郡山市の洞泉寺町。そのうちの1軒「旧川本家住宅」（登録有形文化財）は耐震補強工事などが行われ、現在は『町家物語館』として一般公開されています。
「町家物語館」(まちやものがたりかん)は、大和郡山市内の中心市街地の南東部にある洞泉寺町(とうせんじちょう)に位置する町家建築です。大正11年に納屋と蔵が、大正13年に本館と座敷棟が建てられました。この当時では珍しい木造三階建て遊郭建築で、遊郭として一世を風靡しますが、昭和33年に廃業。その後下宿として客間は貸間として利用されます。今も尚、当時の上流花街の繁栄を偲ばせています。堅固な構造の下、良好な保存状態で現在に至っており、内部には意匠を凝らした欄間や上質な数寄屋造りの小部屋など特殊な建築技法を各所に取り入れた遊郭建築ならではの造形美を創出しています。平成26年に登録有形文化財となっています。
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私たちは改修工事前の状態も拝見していますが、老朽化が目立っていた部分もしっかりと整備され、当時の独特な雰囲気が伝わる素敵な施設へと生まれ変わっています。
木造3階建ての堂々たる『町家物語館』。大正13年（1924）に建てられたもので、登録有形文化財に指定されています。貴重な遊郭建築を内部まで拝見できる（※しかも拝観料は無料！）のですから嬉しいですね！
1階の座敷部分には、関連資料が展示してあります。遊郭として営業していたときの料金表や顧客の帳面、そして改修工事の経過なども見られます
2階への階段
小さく区切られた部屋が多数あり、凝った床の間や欄間などが見られます。遊郭建築らしいダークな雰囲気もわずかながら感じられます
1階部分の洗面所と廊下。奥の突き当り左手にはトイレがあります。薄暗くて、どことなく淫靡。魅力的ですね！
「大和な雛まつり」期間中は雛飾りも
この日は「第9回 大和な雛まつり」の開催中（2020年2月22日～3月3日）だったため、町家物語館の大階段には大迫力の雛飾りが展示されました！
ずらり！
また、「大和な雛まつり」期間中は、施設内の各所に雛人形が展示されます
かつては遊郭として使われていた狭い部屋ですから、いろんな物語があったことでしょう。そんな場所に、女の子の幸せを願う雛人形たちが飾られるというのも、不思議なような皮肉なような感じがします
「大和な雛まつり」は、大和郡山市の旧市街地周辺の広いエリアで開催されました。商店のガラスケースにお雛さまが飾ってあったりしますので、街歩きをしながら楽しめます
■第9回 大和な雛まつり
HP: http://www.yamato-koriyama.com/spotlight/hina%20top.htm
開催期間: 2020年2月22日（土）～3月3日（火）
開催場所: 大和郡山市 旧市街地周辺
到るところで感じる遊郭の雰囲気
印象的なハート型（猪目（いのめ）といいます）の窓。この建物のシンボル的な存在となっています。以下、内部の画像をざざっと掲載しておきます。独特の雰囲気の“映える建物”ですからぜひ訪れてみてください！
■町家物語館
HP: https://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/kankou/kanko/info/004886.html
住所: 奈良県大和郡山市洞泉寺町10
電話: 0743-52-8008
休館日: 月曜日（祝日の場合は開館。翌平日休）、祝日の翌日、年末年始
開館時間: 9:00～17:00
入場料：無料
駐車場: なし
アクセス: 近鉄橿原線「近鉄郡山駅」から徒歩約8分。JR大和路線「郡山駅」からは徒歩約8分です
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