
木造3階建ての巨大な遊郭建築『旧川本邸』@大和郡山市
古い遊郭建築が多数見られる、大和郡山市の洞泉寺町。ここに残された『旧川本邸』を会場として、涼やかな「大金魚博覧会」が開催されました。この建物が素晴らしいんです!普段は入れない建物の内部を拝見できて大はしゃぎしてきました!
K-Pool Project主催の「大金魚博覧会」へ
奈良県大和郡山市にある「洞泉寺町」は、木辻町・東岡町とともに「奈良三大遊郭」のひとつに数えられた街で、今でも古い遊郭建築が多数見られます。
ここにある木造三階建ての巨大建築物『旧川本邸』を会場として、「大金魚博覧会」というイベントが開かれました。主催者は、“金魚を通じて地域と自然を考えるプロジェクト”という「K-Pool Project」さん。20名以上の作家さんが参加し、金魚モチーフの作品を展示していました。
金魚のイラストや手拭い、ガラスコップ、ミニチュア、オブジェなど、夏っぽく、そして大和郡山っぽい作品が多数並び、とても華やかでした。作品の写真撮影が禁止されていたため、内容はお見せできませんが、またぜひ開催して欲しいですね。
大和郡山市の洞泉寺町にある、古い遊郭跡「旧川本邸」。木造3階建ての堂々たる建物です。この一帯は、源九郎稲荷神社を中心に栄えた、「奈良三大遊郭」の一つに数えられる花街で、これほどの規模ではないものの、同様の建築物がいくつも見られます
旧川本邸を横から見たところ。トタン板が貼られてしまっています。また、両隣ともにお寺で、その間に遊郭跡が遺っているのも面白いですね
この日は、大和郡山市の活性化の活動をしている「K-Pool Project」さん主催で『大金魚博覧会』というイベントが行われていました。20名以上の作家さんが、金魚モチーフの作品を展示する、夏らしい、そして金魚の産地・大和郡山市らしい企画展でした
浴衣姿のスタッフさんもいらっしゃって、お祭り気分を盛り上げてくれます。この日は、源九郎稲荷神社の夏祭りと連動して、この通りにロウソクの火が灯されるなど、しっとりとした雰囲気でした
陰影が美しい豪華な遊郭建築でした
会場となった『旧川本邸』(旧川本家住宅)は、その昔は花街として栄えた洞泉寺町に残された、木造3階建ての建築物です。
【旧川本邸とは】
大和郡山の城下町の一角、その昔は花街として賑わった『洞泉寺地区』にある、大正13年建築の木造3階建ての遊郭建築です。平成11年に解体されることになり、大和郡山市が保存活用のために取得し、現在は空き家状態となっていましたが、市民や学生のボランティアによって少しずつ、掃除や修繕を行っています。
ボランティアの方々が保存・活用に向けて、頑張っていらっしゃいますが、建物が耐震面・防災面で公共建築物の基準を満たしていない、市の財政難、さらにかつて遊郭であったことを問題視する方もいらっしゃるため、問題は山積しているようです。このような理由もあり、普段は建物内部は一般公開されておらず、こうしたイベントの時に訪問するしかありません。
私はこの時代の古建築が大好きですので、建物の隅から隅まで拝見してきましたが、いたるところに贅沢な遊び心が伝わってくるような、素晴らしい建築でした。明るい中庭と、光が届かない座敷の奥の陰影が、とても隠微ですね。通りに面した格子窓、ハート型の窓、洗面所のタイル、トレイの小窓など、光と影の対比がたっぷりと感じられます。
この日はたくさんの写真を撮影してきました。少しでもこの建物に注目が集まり、保存活用に向けて進展があることを願っています!
旧川本邸の玄関に入ってすぐ左手には、こんな玉砂利を敷いたスペースがありました。ここは昔は水を張った池だったとか!贅沢な作りは、さすがは遊郭建築ですね。なお、右手には和室がありますが、ここは作品展示になっていました。今回は「作品は撮影禁止」とのことでしたので、それを避けて撮影しています
旧川本邸の建物奥側からの眺め。三階建ての巨大な木造建築だからこそ、中央には明かり取りのために、廊下に囲まれた中庭があります。風情がありますね
こちらは裏庭です。中央の広間は、2つの庭に挟まれる贅沢な作りになっています
浴室の天井。湯船などは取り外されていましたが、照明といいいタイルといい、雰囲気ありますね
2階への階段。これだけの大きな建物だと、階段も何箇所もあります。分かりづらいですが、階段脇の板を繰り抜いて、足元に灯りを取りこんでいるのが見えます
2階の窓から、吹き抜け部分の眺め。味気ない雨といが取り付けられたり、屋根には透明の波板がかけられていたりします
2階部分。中庭側の窓が外から板でふさがれているため、薄暗くなっています。左手が客が待ち合わせる「案内所」「客座敷」、右手の奥には髪を結う「髪結所」などがあります。一部は立ち入り禁止になっていました
客室の一つ。主に2階と3階の表通り側に、10室以上が並びます。この格子の窓辺に、娼妓さんが座って外を眺めていたりしたのでしょうか
3階も客室が並びます。ボランティアの方々が修復のために頑張っていらっしゃいますが、まだ全部が終わったわけではありません
■旧川本邸(旧川本家住宅)
HP: http://kmachi.narasaku.jp/
住所: 奈良県大和郡山市洞泉寺町10
駐車場: なし
アクセス: 近鉄橿原線「郡山駅」より徒歩約10分。JR大和路線「郡山駅」からは徒歩約15分
※旧川本邸は、通常は非公開です。イベントなどで内部に入れるチャンスはあると思いますので、ホームページなどをチェックしてください
■参考にさせていただきました!
921町並: 久延毘古 独言 ―幽黙庵の囲炉裏端―
金魚田と遊郭跡の「大和郡山」(2)洞泉寺町<前編> - 大阪DEEP案内