月夜に三尊が浮かび上がる『観月讃仏会』@唐招提寺
中秋の名月の夜に行われる、『唐招提寺』の「観月讃仏会(かんげつさんぶつえ)」にお参りしてきました。金堂が夜間開扉され、闇夜に浮かび上がる三尊のお姿は、本当に幻想的です。生憎のお天気でしたが、見事な満月も顔を出し、素晴らしい体験ができました!
(※追記あり 写真撮影に関するルールが大きく変更になりました。最後の追記までご一読ください)
金堂での11年ぶりの「観月讃仏会」でした
唐招提寺で中秋の名月の日に行われる「観月讃仏会(かんげつさんぶつえ)」。開祖である鑑真和上をお祀りする「御影堂」の庭園が開放され、金堂では法要が行われます。この日は、夕方から駐車場・拝観料ともに無料となり、多数の参拝客で賑わっていました。
2009年10月末まで大修理が行われていたため、唐招提寺・金堂が観月讃仏会で御開扉されるのは11年ぶりのことになるのだそうです(参考記事: asahi.com(朝日新聞社):金堂の国宝三尊、11年ぶり月光の下に 奈良・唐招提寺)。
残念ながら、私たちは法要の時間には間に合いませんでしたが、金堂の三尊が夜間公開される貴重な機会ですので、その姿を拝見するだけで大満足でした!参拝客が多すぎて騒々しかったのも事実ですが、闇夜に浮かび上がる廬舎那仏坐像・千手観音立像・薬師如来立像の国宝仏三尊は幻想的で、まさに極楽浄土が具現化したようです。
唐招提寺の門をくぐると、いきなりこんな光景が目に飛び込んできます。「観月讃仏会」は、金堂の廬舎那仏坐像・千手観音立像・薬師如来立像の三尊に夜間お会いできる貴重な日となります
唐招提寺・金堂を別アングルから
画像では分かりづらいですが、ものすごい人だかりになっています
唐招提寺・金堂の「平成の鴟尾」のシルエット。残念ながら雲が広がってしまって、満月と一緒に写すことはできませんでした
御影堂の前庭も立ち入ることができます
観月讃仏会の日には、普段は一般公開されていない「御影堂(拝観料500円)」も御開扉されます。御影堂には入れませんが、鑑真和上の命日(6月6日)を偲ぶ法要「開山忌」の前後3日間開催される「御影堂障壁画特別公開」では立ち入ることができない前庭部分に入ることができました。
国宝の「鑑真和上像」も遠目で拝見できますし、東山魁夷画伯の襖絵の美しい青もはっきりと見られます。さらに、御影堂の隣にある、「覚盛上人坐像(重文)」などを祀る「中興堂」も御開扉されるなど、本当に貴重な体験をさせていただけました。
この日は時折雨も降る、お月見には生憎の曇り空でしたが、御影堂にいた時間帯に雲が切れて、美しい満月も顔を出しました。自然と参拝客の方から拍手が起こり、記憶に残るお月見になりました!
唐招提寺の観月讃仏会の日には、鑑真和上を祀る「御影堂」の前庭も一般開放されます(拝観料500円)。遠目ながら、夜の鑑真和上像(国宝)にもお目にかかれます
唐招提寺・御影堂前
唐招提寺・御影堂。東山魁夷画伯の青が鮮やかな襖絵もしっかりと拝見できました
小雨が降ってきて諦めかけていた満月も、このタイミングで顔を出しました。参拝客の間から、自然と拍手が沸き起こっていました!
唐招提寺・御影堂と満月
中秋の名月です
御影堂の隣にある「中興堂」も御開扉されていました。このお堂は、「覚盛上人」の没後750回忌を記念して建てられたもの。「覚盛上人坐像(重文)」と、昭和の中興とも言われている「第81世森本孝順長老坐像」などが安置されています
夜の唐招提寺は厳かな雰囲気でした
唐招提寺の観月讃仏会では、境内にはそれほど多くの灯りが置かれておらず、その分だけお月様が美しく見られるようになっています。写真はどれも暗めに写っていますが(三脚の持ち込みも禁止されていません)、暗い分だけ幻想的なムードが増しているようでした。
境内に配置された灯籠には、中に本物の萩の葉が入れられて、こんな風情のある姿になっていました。ちょっとしたひと手間が素晴らしいですね
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礼堂と鼓楼の間。灯籠の数が少なめですが、その分だけ時折顔を覗かせる満月が美しく見えます
この夜は、小雨が降ったりやんだりするような生憎のお天気でしたが、何度か満月が見られるチャンスも訪れました
礼堂と月
灯籠が並べられた厳かな小道
講堂の壁に写った萩のシルエット
講堂と満月
■唐招提寺(観月讃仏会)
HP: http://www.toshodaiji.jp/
住所: 奈良県奈良市五条町13-46
電話: 0742-33-7900
宗派: 律宗(総本山)
本尊: 廬舎那仏(国宝)
創建: 759年
開基: 鑑真
拝観料: 600円(新宝蔵は別途100円)
拝観時間: 8:30 - 17:00
駐車場: 有料駐車場あり(500円)
アクセス: 近鉄橿原線「西ノ京駅」から徒歩10分
※「観月讃仏会」当日は、夕方から駐車料・拝観料は無料になります。御影堂の参拝は「500円」必要です
※世界遺産に登録されています
※唐招提寺全体については、こちらをご覧ください
●大修理を終えた「金堂」は大迫力『唐招提寺』@西ノ京
●天平の空気を感じる鑑真の古刹『唐招提寺』@西ノ京
●御影堂「鑑真和上坐像」特別公開『唐招提寺』@西ノ京
※ 2014/09/20 追記
久しぶりに「観月讃仏会」の日にお詣りしてきましたが、写真撮影のルールが大きく変更になっていました。禁止事項も増えていますので、くれぐれもお気をつけください、
南大門のところにあった注意書き。「境内三脚使用禁止」「堂内撮影禁止」。金堂の基壇上でのカメラの使用は禁止です。基壇の下からなら撮影してもいい……ではなく、仏さまの写真は撮影禁止です
さらに「御影堂庭園内は撮影全面禁止」になっていました。東山魁夷画伯の襖絵などはもちろん、お庭から満月を撮影することも禁止です。残念ですね
2014年の模様は、以下の記事をご覧ください。