2009-11-04

大修理を終えた「金堂」は大迫力『唐招提寺』@西ノ京

大修理を終えた「金堂」は大迫力『唐招提寺』@西ノ京

2000年に始まった「金堂平成大修理」を終え、『唐招提寺』の国宝の建築物「金堂」が、ようやく一般公開されました。

さっそく、一般公開の初日に参拝に行ってきましたが、さすがにすごい混雑ぶり!しかし、夕方近くなると境内も空いてきて、国宝の巨大な三尊像をじっくりと拝見することができました!


一般公開初日はとにかく大混雑!

唐招提寺の「金堂(国宝)」は、奈良時代の建立の国宝建築物です。寄棟造の本瓦葺きで、これまでに鎌倉時代・江戸時代に大きな修復作業が行われてきました。2000年からずっと「金堂平成大修理」を行っていたのですが、ようやくその作業も完了し、無事に落慶法要が営まれました。この日から一般公開が始まったため、さっそく行ってみたのですが・・・。

唐招提寺の広い駐車場がほぼ満車になるほどの混雑ぶり!さすがに「正倉院展」などと比べるほどではありませんが、金堂の前は常に人だかりが出来ていました。しかし、観光バスが到着した直後は人垣が増えるのですが、そのタイミングさえ外してしまえば、じっくりと仏さまを拝むことはできるでしょう。

この日は、まだ落慶法要の後片付けが残っていたためか、金堂の前に建築資材などが残されていたり、トラックやクレーン車でちょっとした作業が始まったり・・・と、さすがに落ち着かない雰囲気でしたが、これもほんの数日間だけのことだと思います。


唐招提寺(金堂)@西ノ京-01

唐招提寺の駐車場。2000年に始まった「金堂平成大修理」が終わり、いよいよこの日から一般公開が始まったため、広い駐車場も満車に近くなるほどの混雑ぶりでした

唐招提寺(金堂)@西ノ京-02
唐招提寺の「南大門」。仁王像などは置かないタイプです。これは帰り際に撮影したものですが、14時前に到着した頃には、拝観受付にものすごい行列ができていました!

唐招提寺(金堂)@西ノ京-04
ようやく全容があらわになった唐招提寺の「金堂(国宝)」ですが・・・、この人の波を見ると、ちょっと驚きですね。やはり皆さん、この日を心待ちにしていらっしゃったようです

唐招提寺(金堂)@西ノ京-03
世界遺産登録されていることを記した石碑。南大門の前に設置スペースがなかったためか、境内の内側にあります

唐招提寺(金堂)@西ノ京-05
唐招提寺・金堂前の燈籠。前日まで落慶法要の式典が行われていたため、まだ完全な通常営業の体制には戻っておらず、トラックや建築資材の姿も見えました


鴟尾も屋根瓦も新しくなってます

大規模な改修が終了した「金堂(国宝)」を、隅から隅までじっくりと拝見していきましたが、改めて「よくこんな複雑で巨大な建物を、解体して組み立て直せたな」と思いますね。

有名な「鴟尾(しび)」も、新しい「平成の鴟尾」が誇らしげに乗せられている光景が見られましたし、古い屋根瓦を引き続き使用している部分が分かったりと、大きな修理の跡が見られる部分もありました。

しかし、それ以外の部分に関しては不自然な新しさなどは感じられず、まさに写真集で見た唐招提寺そのままなんですよね。さすがに、変な色を塗られる・・・などとは思っていませんでしたが、これだけ違和感無く復元するのは大変な労力だったことでしょう。


唐招提寺(金堂)@西ノ京-06

金堂の正面からは、はっきりと「平成の鴟尾」の姿が見えます!以前使用されていた「天平の鴟尾・鎌倉の鴟尾」は、新宝蔵(@100円)に展示されていました。正面の屋根瓦は、金堂平成大修理で全て新しいものに変えられたそうです

唐招提寺(金堂)@西ノ京-07
金堂を東側から見たところ。屋根の中央部分だけ瓦の色が違うのが分かりますが、この部分は大修理以前から使用されていたものを引き継いだのだと思われます

唐招提寺(金堂)@西ノ京-08
唐招提寺の金堂は、垂木(軒下から何本も突き出している木材)の反り具合が、優美な雰囲気があって美しいですね。これだけパーツの多い建物を全てばらして組み立てなおして・・・と考えると、本当に気が遠くなるような作業です

唐招提寺(金堂)@西ノ京-09
金堂の北側部分には、まだ一部だけ足場が残されていましたが、夕方に解体作業を行っていて、元通りにされていました

唐招提寺(金堂)@西ノ京-10
後から後から、ワラワラと参拝客がやって来ます!建築資材が見えてしまうのが、ちょっと残念でした


金堂の巨大な仏様はとにかくスゴイ!

私は、完全な状態の唐招提寺・金堂をお参りするのは初めてでした。数年前に来た時には、すでに大改修が始まっており、千手観音さまも別の場所に移されていた状態でお会いした記憶があります。

初めて見る、金堂に勢ぞろいした仏さまたちは、やはり圧巻の大迫力でした!


●廬舎那仏坐像(国宝)- 奈良時代作・像高339.4cm・脱活乾漆造
奈良の大仏さんと同じ「廬舎那仏」が唐招提寺の御本尊です。丈六よりもさらに大きな像で、本当に迫力がありました。光背には大量の化仏がついていて、1,000体のうちの864体が現存しているそうです。表情は落ち着いていて、どことなく悲しげ。今にも動き出しそうな指先や、蓮の表現が見事でした。

●千手観音立像(国宝)- 奈良時代作・像高535.7cm・木心乾漆造
数少ない「本当に千本の手がある千手観音像(現在は953本)」として有名な像です。合掌する太い手と、光背のように広がる持物を持った中サイズの手、そしてその間を埋めるように伸びる小さな手。5mを越す大きな像ですので迫力があるのは当然ですが、手の表現が立体的なことで、より力強さが感じられました。

●薬師如来立像(国宝)- 平安時代作・像高369.7cm・木心乾漆造
薬壷を持たない古式の薬師像で、衣文などの表現もかなりクラシックな雰囲気が感じられる、とても優美な仏さまです。鮮やかな緑色が残るO型の光背も、よく雰囲気に合っていますね。このお堂にいると目立ちませんが、こちらもかなり巨大な仏さまですので、とにかく迫力があります


この三像の脇にいらっしゃる「梵天立像」「帝釈天立像」ももちろん国宝。大量の漆を使うため費用がかかるため作例の多くない「乾漆造」の仏さまという点もすごいですね。元々、いずれも大きな仏さまなんですが、かなり至近距離から拝見できますので、本当に迫力がありました。

また、仏像ばかりに目が行きがちですが、金堂の天井などを見てみると、美しい色彩の天井画などがありますので、こちらもお見逃し無く!


唐招提寺(金堂)@西ノ京-11

唐招提寺の金堂前。人数が少ないタイミングで撮影していますが、観光バスが到着するたびにドッと人が押し寄せてきて、初詣のような状態になります。時間に余裕があれば、閉門間際の16時くらいに行くと、ゆったりと仏さまが拝めるでしょう

唐招提寺(金堂)@西ノ京-12
唐招提寺の金堂にいらっしゃる仏さまの絵葉書。有名な「千手観音立像(国宝)」も、やはりお堂の中にいらっしゃる姿がいいですね。どの仏さまも圧倒されるような迫力がありました


金堂の建物の細部にもご注目ください

せっかく修理が終わったばかりの金堂ですから、その建物の細部にもぜひ注目してあげてください。ややこしい言葉や知識はなくても、木材を加工して複雑な形に組み合わせた様子は、見ているだけでワクワクしてきます!

奈良時代の大工さんが作り上げたものを、各時代の匠たちが修繕して、今でも立派に使用しているんですから、これはものすごいことですよね。金堂平成大修理が終わった直後ですので、そんな歴史の流れをよりリアルに感じられると思います。


唐招提寺(金堂)@西ノ京-13

唐招提寺・金堂の組物。軒下の二段になった垂木(下段が地垂木、上段が飛燕垂木といいます)が穏やかに反っていて、組物から飛び出した「尾垂木」の角度といいバランスを保っています。奈良のお寺には少ない鳩よけのネットが目立つのが、ちょっと残念ですね

唐招提寺(金堂)@西ノ京-14
金堂の組物は「三手先(三段に持ち上げてあるもの)」になっています。落ち着いた木の色合いと、清潔な白い壁のコントラストが美しいですね。幾何学的で、見ていて吸い込まれそうな感じすら受けてしまいます

唐招提寺(金堂)@西ノ京-15
唐招提寺「金堂」の軒まわり

唐招提寺(金堂)@西ノ京-16
唐招提寺「金堂」の虹梁(こうりょう)。曲線で作られた化粧の梁です

唐招提寺(金堂)@西ノ京-17
どっしりと重厚な柱

唐招提寺(金堂)@西ノ京-18
柱の一部には、このような補修の跡が見られます。見事な技術ですね

唐招提寺(金堂)@西ノ京-19
唐招提寺「金堂」の連子窓。隣に吊るされた垂れ幕といい、いかにも奈良らしい風情があります

唐招提寺(金堂)@西ノ京-20
唐招提寺の垂れ幕(正式名称は何て言うんでしょうか?「斗帳」というそうです!powderskiさんにコメントから教えていただきました!感謝!)。みうらじゅん氏が、色んなお寺でこの垂れ幕を見るたびに「唐招提寺っぽいね!」って言っているのを思い出しました!


夕方は仏さまをほぼ独り占めできます

昼過ぎには団体客などで大混雑だった唐招提寺も、16時くらいになるとかなり空いてきます。遠くからいらっしゃっている方なら仕方ありませんが、お近くにお住まいの方は、ぜひ遅めの時間帯を狙ってみてください。大迫力の仏さまの前に陣取って、誰の迷惑にもならずに独り占めできるんですから、こんな贅沢なことはありませんからね。

唐招提寺は見どころの多いお寺ですし、ちゃんと休憩できるスペースも用意してあります。ぜひ時間をかけてじっくりと参拝してみてください!


唐招提寺(金堂)@西ノ京-21

夕方になると、大混雑だった金堂前ものんびりしたものです。素晴しい仏さまとじっくりと向き合うことができますので、時間に余裕がある方は夕方が狙い目です

唐招提寺(金堂)@西ノ京-22
16時過ぎの唐招提寺「金堂」。昼間の騒々しさがウソのように静まっていました

唐招提寺(金堂)@西ノ京-23
結局、この日は3時間近くも楽しませていただきました。ありがとうございました!

唐招提寺(金堂)@西ノ京-24
南大門の石畳。夕陽が当たって美しかったです



大きな地図で見る


■唐招提寺

HP: http://www.toshodaiji.jp/
住所: 奈良県奈良市五条町13-46
電話: 0742-33-7900
宗派: 律宗(総本山)
本尊: 廬舎那仏(国宝)
創建: 759年
開基: 鑑真
拝観料: 600円(新宝蔵は別途100円)
拝観時間: 8:30 - 17:00
駐車場: 有料駐車場あり(500円)
アクセス: 近鉄橿原線「西ノ京駅」から徒歩10分

※世界遺産に登録されています
※唐招提寺全体については、こちらをご覧ください
天平の空気を感じる鑑真の古刹『唐招提寺』@西ノ京






 【大修理を終えた「金堂」は大迫力『唐招提寺』@西ノ京】へのコメント
ねおねお  09-11-09 16:23

よかったですか。阿修羅は見ましたか?私は、今日朝から京都方面の仕事があったので朝一で阿修羅を見て(月曜日の9時からなんてあんまり人がいないだろう)行こうと思っておりました。ところが正倉院展もあり、ものすごい人、人!!あきらめて雨の降っている日の朝一にすることにしました。桂方面の仕事だったので行ってきました、願徳寺。本当に綺麗なお方でした。住職さんと一対一でお話しを聞いてきました。あのお堂を暗くしてあの方だけに明かりを当てるという演出には、びっくりしました。はじめお顔が見えないと心の中で煩悩のかたまりになってしまいました。綺麗な方でした。

naka  09-11-09 22:03

>ねおねおさん

長いこと、完全な姿の唐招提寺を見たいと思ってましたので、やっぱり感動しましたねー。どこを修復したのか、外見からはサッパリ分からないところがスゴイんですよ!本当はこの日、唐招提寺の後に「お堂で見る阿修羅」展へ行く予定だったんですが、ついつい長居してしまったので、また近々行きたいと思ってます。報道写真でチラッとだけ見たんですが、やっぱり迫力がありそうですからね!

願徳寺は、あのじらすような演出がにくいですよね(笑)。あんなきれいな仏さまの前でなら、何時間でも座っていられそうでした。私もいつかまた必ず行きたいと思ってます!

コメントありがとうございました!

powderski  09-11-10 14:09

初めまして

私も公開初日に拝観しました。
朝の早い時間だったので混雑はそれほどでもなく拝観出来ましたよ

垂れ幕の名称は”斗帳”と言うそうです、金堂と講堂の斗帳の柄が違っていたのに気づかれましたか?

お寺によって柄が違うのでいつも興味をもって観ています。

naka  09-11-10 15:14

>powderskiさん

コメントありがとうございます!

あの幕の正式名称は「斗帳」なんですね!実は、つい昨日のことですが、今熊野観音寺にお参りに行った際に、お寺の方に質問してみたんですが、「特に名前は・・・。幕とか呼んでます(苦笑)」なんて言われてしまったので、もう諦めかけていたんですよ。本当に勉強になりました!

後から写真を見直してみたら、確かに金堂と講堂の斗帳の柄が違いましたね。何か意味があるんでしょうか?とっても美しい紋様で、私も大好きですので、これからもっとしっかりチェックしたいと思います。ありがとうございました!

たぬき  09-11-10 21:26

金堂、私も見に行きたいです。来年の鑑真和上像の公開日はすごい参拝客なんでしょうね。まだ金堂工事中に鑑真和上像公開の日に訪れたときも、像の前で行列待ちだったのを思い出します。

naka  09-11-10 22:22

>たぬきさん

金堂の修復が終わって初めての鑑真和上坐像の公開だし、平城遷都1300年祭の期間中だし・・・と考えると、確かに来年は大混雑になりそうですねー。私はまだ鑑真さんは拝見してないので、来年を楽しみにしてるんですが、1300年祭がどうなっているんだか全く想像がつかないですしね。ちょっとビビってます(笑)





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