2016-06-12

迫力の展示!『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館

迫力の展示!『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館

明日香村「奈良県立万葉文化館」で開催中の『すべて見せます万葉日本画~風景~』(2016年5月21日~7月31日)を拝見しました。万葉集の歌をモチーフにした「万葉日本画」を3期にわけて一挙展示する3期目で、絹谷幸二さんや片岡球子さんの迫力ある作品が並びます。万葉集がお好きな方はくれぐれもお見逃しなく!


15周年記念!館蔵品を続々と展示

万葉集を中心とする日本の古代文化を紹介する『奈良県立万葉文化館』(Facebook)。万葉集の世界観を体感できる展示がメインで、関連のライブラリーもミュージアムショップも充実。学芸員さんによる万葉歌の講座なども定期的に開催される、素晴らしい施設です。

2016年は開館15周年ということで、館蔵品の「万葉日本画」を展示する企画を行っています。年初の第2期目の『すべて見せます万葉日本画~人物~』も拝見しましたが、充実した内容で感動しました!


そして、第3期目となる『mind of Manyo part 3 すべて見せます万葉日本画~風景~』(2016年5月21日~7月31日。観覧料600円)が始まり、また拝見してきました。


『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-01

万葉文化館で開催中の『mind of Manyo part 3 すべて見せます万葉日本画~風景~』のチラシ。万葉集の歌やエピソードをモチーフにした日本画「万葉日本画」全154点を所蔵しており、それをテーマごとに展示する企画の第3期目となります

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-02
チラシ裏面には、今回の企画で展示される作品の一部が紹介されています。片岡球子さんの『富士』など、吉野や比良連峰、飛鳥や大和など、万葉の歌にちなんだ風景作品がずらりと展示されます

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-03
会場入口には、大きなファブリックパネル風に、高山辰雄さんの『ハズの音』という作品が使用されています。あとでまたご紹介しますが、この絵は雰囲気があってとても素敵でした!


図録「万葉日本画の世界」より

会場はもちろん撮影禁止ですので、先回と同様に、万葉文化館の館蔵品を収録した図録「万葉日本画の世界」から、個人的に好きだった作品をご紹介していきます。

会場には、正統的な日本画やアバンギャルドな作品、有名な万葉歌をモチーフにしたものや初めて目にした東歌をテーマにしたものなど、いろんな万葉日本画が展示してありますので、ぜひ会場でご覧ください!


『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-04

チラシのメインビジュアルにも使用されている、絹谷幸二さんの『大和国原』。舒明天皇の有名な国見の歌「大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち国見をすれば……」(巻1-2)をモチーフにしています。絵を細かく見ていくと、自然の中に仏塔が立ち、ところどころに煙が上って、豊かな大和の国の様子を描いています。間近でじっくり見ると感動しますよ!

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-05
片岡球子さんの『富士』。さすがの力強さですね!モチーフとなった歌は「田子の浦ゆ うち出(い)でて見れば 真白にそ 不尽(ふじ)の高嶺に 雪は降りける」(山部赤人 巻3-318)。見事!

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-06
川崎春彦さんのファンタジックな作品『鳥の声』。モチーフは「み吉野の 象山(きさやま)の際(ま)の 木末(こぬれ)には ここだもさわく 鳥の声かも」(山部赤人 巻6-924)。吉野にある象山は、その漢字からも見た目の印象からも、象がたたずんでいるようにも見えるため、こういう絵が完成したのだとか。手前の樹の枝にたくさんの鳥が止まっているのもいいですね

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-07
西田俊英さんの『秋山迷ひぬる』。モチーフとなった歌「秋山の 黄葉(もみじ)を茂み 迷ひぬる 妹を求めむ 山道(やまぢ)知らずも」(柿本人麻呂 巻2-208)の世界観をわかりやすく再現しています。妻を亡くした悲しみの歌ですね。印刷部物で見るとはっきりしませんが、間近で見ると絵の上部の紅葉が重なっている部分は、何層にも丁寧に塗り重ねられたことが確認できます

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-08
入り口でも紹介されていた高山辰雄さんの『ハズの音』。舒明天皇が宇智の野で狩りをしたときに間人老(はしひとのおゆ)が詠んだ長歌をもとにしたもの。反歌は「たまきはる 宇智の大野に 馬並めて 朝踏ますらむ その草深野(くさふかの)」(間人老 巻1-4)。幽玄の自然の中で小さな人間たちが狩りをする姿を描いています。滑稽に見えたり、雄々しく見えたり。もととなった歌のイメージをさらに広げてくれる素晴らしい絵ですね

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-09
東俊行さんの『月の影』。不思議な構図で絵だけでは理解しづらいですが、「落ち激(たぎ)ち 流るる水の 磐(いわ)に触れ 淀める淀に 月の影見ゆ」(作者未詳 巻9-1714)の歌を詠むとはっきりしてきます。手前の川の淀みに月が映り、向かって左上へ水がたぎり落ちていく様子を描いています。すごい構図ですね!

『すべて見せます万葉日本画~風景~』@万葉文化館-10
平松礼二さんの『路─湖愁』という作品です。モチーフは壬申の乱によって荒廃した近江大津宮を詠んだ「ささなみの 志賀の辛崎(からさき) 幸くあれど 大宮人の 船待ちかねつ」(柿本人麻呂 巻1-30)。鮮やかな金と赤を用い、寂寥とした印象を雄々しいものへと変換させています。素晴らしいですね!

こうした作品がずらりと並びますので、万葉集や日本画がお好きな方はぜひご覧ください!



■奈良県立万葉文化館

HP: http://www.manyo.jp
Twitter: @manyoasuka(非公式)
Facebook: https://www.facebook.com/nara.manyo

住所: 奈良県高市郡明日香村飛鳥10
電話: 0744-54-1850
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替日
開館時間: 10:00 - 17:30
駐車場: 無料
アクセス: 近鉄橿原線「橿原神宮前駅」から、奈良交通バス飛鳥駅行き「赤かめ」で20分、「万葉文化館西口」下車すぐ

※実際に拝見したのは「2016年2月7日」でした。


■mind of Manyo part 3 すべて見せます万葉日本画~風景~

HP: http://www.manyo.jp/event/detail.html?id=157
期間: 2016年5月21日(土)~7月31日(日)
観覧料: 大人 600円、学生 500円、中学生以下 300円


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