2013-08-12

石室の一般公開も間近!現在の『キトラ古墳』様子は?

石室の一般公開も間近!現在の『キトラ古墳』様子は?

2013年夏、最初で最後の「石室の一般公開」が行われる、明日香村の『キトラ古墳』。応募者が殺到したため、私たちも落選してしまったのですが、ひと足早く現在のキトラ古墳の様子を観て来ました。とはいえ、外から「キトラ古墳 仮設保護覆屋」を眺めるだけですが…。今現在、キトラ古墳の辺りはこんな様子です!


最初で最後のキトラ古墳「石室」一般公開

奈良県明日香村の『キトラ古墳』(Wikipedia)。

1983年、石室内から極彩色の「玄武」が発見された後、青龍・白虎・玄武・朱雀の四神すべてが現存していることが判明。天井に描かれた「天文図」は、東アジア最古の現存例とされており、大きな話題となった古墳です。

キトラ古墳の壁画は、石室内に発生したカビから守るためにはぎ取られ、「国営飛鳥歴史公園」内の修理作業室で修復作業が行われています。これまでに何度か一般公開されてきており、私たちも以前に拝見しています。


そして2013年夏、「平成25年 夏の一般公開 国宝 高松塚古墳壁画 修理作業室の公開(第10回)及び 特別史跡 キトラ古墳石室の公開」が開催されます(2013年8月18日~28日)。

今回は、高松塚古墳・キトラ古墳の壁画の公開だけではなく、キトラ古墳「石室」が、最初で最後の一般公開されるということもあり大きな話題となりました。


また、特別史跡キトラ古墳では今後墳丘整備を進める予定で、これに先立ち、整備の際に閉鎖される石室をこの度公開いたします。保護覆屋の前室から窓ガラス越しに見学をしていただくもので、キトラ古墳壁画と石室を同時に御覧いただけるよい機会ともなります。

(参考ページ: 朝日新聞デジタル:キトラ古墳の石室、最初で最後の公開へ 文化庁、8月に


参加可能な人数は一日最大450名ほどで、それが8日間ですから、計3500名以上の方が当選する計算になります。もちろん私たちも、そしてたくさんの友人たちが応募したのですが、とにかくとんでもない競争率になったそうで、当選したのはわずか数名のみ。プラチナチケットになってしまったそうです。

話題になってくれるのは嬉しいんですが、まさかここまでの騒ぎになるとは……。当選なさった皆さん、ぜひ落選したみんなの分までじっくりと観て来てくださいね!

……というだけでは面白くありませんから、一般公開が始まる直前のキトラ古墳の様子を、皆さんよりもひと足早く観て来ました(笑)


キトラ古墳は「仮設保護覆屋」で覆われています

現在、キトラ古墳の石室は、内部を保護するため「特別史跡 キトラ古墳 仮設保護覆屋」という建物で完全に覆われています。内部はもちろん一般公開されていませんので、訪れる人の姿も少なく、建物の前には数台分の駐車スペースがありますが、すべて開いていました。


これは今から4年前の記事ですが、キトラ古墳の覆屋の外観はまったく変わっていませんね(高松塚古墳はきれいに整備されました)。現地へ行っても、特に何が観られるわけではありませんが、想像力を膨らませるには楽しいところですね。


一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-01

「特別史跡 キトラ古墳 仮設保護覆屋」の建物。看板が無ければ何の建物かわかりませんね。この建物はキトラ古墳を覆うように建てられていて、この内部の前室からガラス越しに石室を見るのでしょう

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-03
キトラ古墳の前の様子。飛鳥でもかなり外れのエリアにあるため、ひときわのどかな風景です

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-07
覆屋の脇から観たキトラ古墳。キトラ古墳は、小高くなった阿部山の中腹にある「二段築成造」の円墳で、サイズは、上段が直径9.4m・高さ2.4m、下段が直径13.8m・高さ90cm。建物の裏側と石室が繋がっているのでしょう

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-06
建物の逆側。小さな階段が見えますが、もちろん立入禁止です

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-04
建物前には、キトラ古墳の案内があります。石槨内部に描かれた「キトラ古墳天文図」と、横口式石槨の透視図が

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-05
発掘当時の写真なども掲示してあります


2016年には体験学習館・墳丘整備が完成の予定

ここまでは数年前とほぼ変わりませんが、大きく違うのはキトラ古墳の周辺で大掛かりな工事をしていたことです。

高松塚古墳のある「国営飛鳥歴史公園」からキトラ古墳までは、車で数分の距離なんですが、この道がとてもきれいに整備されていました。そして、キトラ古墳へのアプローチは車のすれ違いも難しいような細い道でしたが、すぐ脇に大きな道路を新設するようです。また道路を挟んだ広々としたスペースが設けられていましたし、キトラ古墳の石室を埋め戻すのと同時に、史跡公園として整備されていくのでしょう。

先にもご紹介した朝日新聞さんの記事によると、「修理後の壁画は古墳に戻さず、近くに造る「体験学習館(仮称)」で保存・展示し、墳丘は築造当時の姿に近い2段の円墳に復元する。体験学習館と墳丘の整備は2016年度の完了予定。」とのことです。

これだけの建設ラッシュだと、少し後にはまったく風景が変わってしまうと思いますので、今のうちに目に焼き付けておくといいかもしれませんね。


一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-08

キトラ古墳の周辺で行われている工事の名称は、「キトラ古墳周辺地区地下横断通路他整備工事」。現在は主要道路から細い道を使って入っていますが、その道路の下をくぐる横断道路を作っています

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-09
向かって左手のガードレールが見えるのが、今まであった道路。その脇に地下へ降りる大きな道路を作っているようです

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-10
別角度から。正面のブルーシートの向こう側にキトラ古墳があります。この道路をくぐってキトラ古墳へアプローチできるようにしているようですね

一般公開目前のキトラ古墳@明日香村-12
道路を挟んで、広い駐車場や公園らしきスペースが続きます。明日香村の中心を離れたところで、こんな大規模工事が行われているとは驚きました!



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■キトラ古墳

HP: http://www.asuka-park.go.jp/kitora/index.html
住所: 奈良県高市郡明日香村大字阿部山


■参考にさせていただきました

朝日新聞デジタル:キトラ古墳の石室、最初で最後の公開へ 文化庁、8月に


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