2013-04-14

上品な精進料理!興福寺監修の駅弁『心』を食しました

上品な精進料理!興福寺監修の駅弁『心』を食しました

創建1200年の節目の年を迎えた興福寺・南円堂(重文)では、2013年6月2日まで「興福寺国宝特別公開2013」として南円堂・北円堂の特別公開を行なっています。それに合わせ、興福寺が監修した駅弁『心(こころ)』が発売になっています!肉も魚も使わない精進料理で、とても滋味深い優しい味わいでした。記念品との引換券も入っていますので、この春お参りの方はぜひお召し上がりください!


創建1200年を迎える南円堂が北円堂と同時公開中

奈良市内にある法相宗の大本山『興福寺』。ここに、藤原北家の霊廟として特別な信仰を集め、西国三十三所の九番札所でもある「南円堂(重文)」というお堂があります。

例年は年に一度、毎年10月17日のみの開扉なのですが、2013年は「創建1200年」という節目の年を迎えており、『興福寺国宝特別公開2013』として「北円堂(国宝)」とともに特別公開されています(2013年4月12日~6月2日まで)。

南円堂の仏さまについては、以前にもご紹介していますのでこちらの記事をご覧ください。運慶の父・康慶(こうけい)が作ったご本尊「不空羂索観音菩薩坐像(国宝)」と、その周りを囲む「四天王像(国宝)」が素晴らしいんです!


さらに、定期的に公開されている北円堂ですが、こちらの仏像群は運慶らが手がけており、ご本尊「弥勒如来像(国宝)」、肖像彫刻の傑作とされる「無著(むちゃく)・世親(せしん)菩薩像(国宝)」などがおわします。この両堂が同時に参拝できる貴重な機会ですので、ぜひ鎌倉時代の仏像の最高傑作たちと対面してみてください!

まずは、JR東海さんの「うまし うるわし 奈良 | 興福寺 南円堂・北円堂篇」のCM動画をご覧いただくといいですね。あまりにも素敵すぎて、今すぐにでも奈良へ飛んで行きたくなると思います!


興福寺監修の駅弁『心』-01

法相宗大本山『興福寺』では、南円堂の創建1200年を記念して、南円堂・北円堂を同時公開中です(2013年4月12日~6月2日まで)。運慶で知られる鎌倉時代の仏師集団「慶派」が生み出した素晴らしい仏さまがいらっしゃいます!

興福寺監修の駅弁『心』-02
特別公開中の「南円堂(重文)」の様子。週末のお昼ごろでしたが、この日は大きな混雑もなく、比較的空いているようでした。私たちは他の用事があったため、お詣りできずに素通りしました…

興福寺監修の駅弁『心』-03
同じ日の「北円堂(国宝)」の様子。こちらも比較的のんびりですね。じっくりと仏さまと向き合えるでしょう

興福寺監修の駅弁『心』-04
整備された「南大門跡」からの、興福寺・五重塔と東金堂の眺め。南大門跡はずっと発掘調査が続いていましたが、基壇が出来上がりました

興福寺監修の駅弁『心』-05
境内の中央では「中金堂」の再建工事の真っ最中です。隣接する仮小屋「中金堂勧進所」では、中金堂の御朱印などもいただけます。再建の総費用は60億円と見積もられているそうですから、ぜひわずかでもご寄進ください!(ぜひ「中金堂再建勧進のお願い」のページをご覧ください)

興福寺監修の駅弁『心』-06
中金堂は、平成30年(2018年)の落慶を目指して工事が進められています。覆いの隙間から少しだけ中が見えましたが、基壇の上に柱が立っているのが分かりました。工事の進捗状況はなかなか外部には伝わってきませんが、着々と前進しているようです!


駅弁初!興福寺が監修した精進お弁当が登場中

この南円堂・北円堂の特別公開に合わせて、「株式会社ジェイアール東海パッセンジャーズ」さんより、興福寺が監修したお弁当「心」が発売されています。“お寺が監修した駅弁”なんて、もちろん業界初だとか!


 ふたを開けると、彩りも鮮やかに盛り付けられた旬の食材が目に飛び込みます。なかでも「茄子とこんにゃくの田楽味噌」は興福寺秘伝の味噌を再現しており、胡麻の風味が口いっぱいに広がるます。そのほか、五色幕をイメージした興福寺オリジナルの「精進ふりかけ」をまぶしたご飯、豆腐に海苔を貼り合わせ蒲焼きに見立てた「蒲焼きもどき」なども入り、見た目も味のお楽しみいただけます。

 また、お品書きの裏面には、「興福寺国宝特別公開2013」で限定記念品と交換できる引換え券も付いており、再建中の中金堂の貴重な木材を使用した“根付け”と“にほひ袋”の二種類いずれかと交換することができます。

「心」は、召し上がる全ての方に“日本人が古から持つやさしくやわらいだ心情「大和心」を感じてほしい”、そんな思いで作り上げられました。肉・魚を一切使っていないにもかかわらず、しっかりと満足でき、召し上がったあとに温かい気持ちになれるお弁当です。
ご旅行の方だけでなく、普段忙しいビジネスマンにもぜひお召し上がりいただきたい逸品です。


駅弁ですから、販売箇所は「東海道新幹線車内および東京、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪駅の弁当売店」と駅構内がメインでしたが、興福寺・南円堂近くにあるお土産売店、そして近鉄奈良駅地下の「ゐざさ寿司 中谷本舗」さんでも購入できるようになっています!

(※さらに、橿原神宮前駅の売店でも購入可能だそうです)

興福寺のお土産売店で購入するのが一番分かりやすいと思いますが、午前11時に販売が始まって、かなり早い時間帯で売り切れてしまうことも少なくないようです。

興福寺の広報・企画などを担当なさっている「興福寺 波乗坊 (@hajyoubou)」さんのTwitterアカウントをフォローしておくと、状況が把握しやすいです。この方は、お弁当の企画だけではなく、「精進ふりかけ」や「限定ご朱印帳」などの商品企画も実現していますので(興福寺で販売中です)要注目です!


興福寺監修の駅弁『心』-07

この日、まずは興福寺の境内にあるお土産売店(南円堂の近くです)に向かったのですが、12時半過ぎですでに完売していました。残念!

興福寺監修の駅弁『心』-08
そこで、近鉄奈良駅の地下にある「ゐざさ寿司 中谷本舗」さんの売店へ向かってみました。ここでも販売していらっしゃるはずなんですが…

興福寺監修の駅弁『心』-09
駅弁「心(@900円)」ありました!これが最後の1個です(笑)


優しい味わい!駅弁とは思えない高級感です

近鉄奈良駅で購入した、興福寺監修の駅弁「心(@900円)」。のんびりと外で食べようと、猿沢池へ移動しました。とても過ごしやすい日でしたが、やや風が強く、あれこれ飛ばされないように苦労したため、写真は少なめです(ごめんなさい)。

興福寺貫首の多川俊映さんが揮毫なさった「心」の文字が描かれた掛け紙を開けると、見た目にも美しい、上品な和のお弁当が登場します。

おしながきによると、内容はそれぞれ「白飯・精進ふりかけ・わらび白和え・花びら大根・蒲焼きもどき・たらの芽天ぷら・黒胡麻豆腐・白花豆甘露煮・桜花塩漬け・茄子とこんにゃくの田楽・煮物(湯葉、筍、南瓜、里芋、人参、こごみ、桜麩)」となっています。

肉も魚も使っておらず、すべて本当に優しいお味でした。豆腐に海苔を貼り合わせ蒲焼きに見立てた「蒲焼きもどき」、五色幕をイメージした興福寺オリジナル「精進ふりかけ」なども面白いですね。どれもとても滋味深く、素材の旨味がしっとりと感じられるよう。駅弁とは思えない高級感ですね。

なお、お弁当に入っているおしながきの裏側には、「興福寺国宝特別公開2013」の期間中に興福寺を拝観すると記念品がいただける引換券になっています。中金堂の木材を使用した「根付け」と「にほひ袋」のいずれかを選べますので、お弁当を食べてから拝観するのもいいですね!


興福寺監修の駅弁『心』-10

念願の興福寺監修の駅弁「心(こころ)」を、猿沢池の畔でいただきます!心の題字は、興福寺貫首・多川俊映さんが揮毫なさったもの格調高いですね。お弁当が1つしか手に入らなかったので、中谷本舗さんの「創作寿司 牛肉乃巻」も購入しました

興福寺監修の駅弁『心』-11
「心」の内容。彩りが鮮やかですね!肉も魚も使っていない精進料理で、お味がまろやかで優しいんです。炊いたお野菜など、素朴で滋味深いんですね。駅弁とは思えないような贅沢な味わいでした。量はやや控えめのため、男の腹にはやや足りない感もありましたが、これも腹八分目で…という教えでしょう!

興福寺監修の駅弁『心』-12
興福寺監修の駅弁「心」には、おしながきの裏側にこんな印刷があります。「興福寺国宝特別公開2013」の期間中に興福寺を拝観して、その際にこの用紙を提示すると記念品がいただけます。再建中の中金堂の貴重な木材を使用した「根付け」と「にほひ袋」の2種類から選べますので、このお弁当を食べてからお参りするのもいいですね

興福寺監修の駅弁『心』-13
一緒に買った「創作寿司 牛肉乃巻」。精進弁当と一緒に食べるには申し訳ないくらい肉々しいですね(笑)。それほど量はありませんが、美味しかったです



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■興福寺

HP: http://www.kohfukuji.com/
住所: 奈良県奈良市登大路町48
電話: 0742-22-7755
宗派: 法相宗大本山
本尊: 釈迦如来(国宝)
創建: 669年
開基: 藤原不比等
拝観料: 境内-無料、国宝館-600円、東金堂-300円
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 有料駐車場あり
アクセス: 近鉄奈良線-近鉄奈良駅 徒歩7分

※西国三十三所の第九番札所(南円堂)
※南都七大寺の一つ


■参考にさせていただきました

うまし うるわし 奈良 | 興福寺 南円堂・北円堂篇
興福寺 - Wikipedia
興福寺 中金堂再建勧進のお願い
興福寺監修のお弁当「心」: いつまでも、どこまでも


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