2009-05-31

唯一神明造りが見られる元伊勢『籠神社』@宮津市

元伊勢籠神社@宮津市

丹後・舞鶴観光の途中、当初はスルーするつもりだった『籠神社(このじんじゃ)』に立ち寄ってきました。

この籠神社は、別名を「元伊勢」といいます。日本の神社でも最も格式が高いとされる伊勢神宮に祀られている天照大神・豊受大神は、この籠神社から伊勢神宮に移られたものなんだとか!もう尋常じゃないほどの歴史を持つ古社なのです!


伊勢神宮の神様はここから移りました

京都府の宮津市にある籠神社は、11代垂仁天皇の時代に天照大神が、21代雄略天皇の時代に豊受大神が、ここから伊勢神宮へと移ったため「元伊勢」と呼ばれるお社です。

しかも、「あまりに格式が高すぎて伊勢神宮以外では使用されない」という「唯一神明造り」という建築様式が見られる、日本でも数少ない神社なのです!

つい先日、私は伊勢神宮に厄払いに行ってきたばかりですが、伊勢神宮では本殿周辺の写真撮影は禁止されていますし、せっかくの唯一神明造りも遠目にわずかしか見られず、消化不良気味でした。そのリベンジも兼ねて、ジックリと拝見してきました。


元伊勢籠神社@宮津市-01

神代より続く、歴史ある神社『籠神社(このじんじゃ)』。11代垂仁天皇の時代に天照大神が、21代雄略天皇の時代に豊受大神が、ここから伊勢神宮へと移ったため、「元伊勢」とも呼ばれています

元伊勢籠神社@宮津市-02
籠神社の境内案内図。それほど広くはありませんが、伊勢神宮と同様の「唯一神明造り」という、格式高い建築様式が残っているのが見どころです

元伊勢籠神社@宮津市-03
神門前の「手水舎」。伊勢神宮と同様に定期的に建て替えられているため、ピカピカの最新式。人の気配を察知して自動的に水が流れ出す、エコシステムです

元伊勢籠神社@宮津市-04
阿吽一対で重要文化財に指定されている「狛犬」。鎌倉時代の作。「胴と脚がどっしりして、日本化された狛犬の最大傑作と云われる」との説明がありました。確かにズングリしていて、ややクラシカルな造形です

元伊勢籠神社@宮津市-05
籠神社の狛犬(吽形)。こちらは口を閉じているだけに、頭部の小ささが目立ちます


純粋にカッコイイ「唯一神明造り」!

肝心の「唯一神明造り」ですが、色々と独特の特徴があるのですが、私の理解を超えている部分も多いため、詳しい説明は省きます。

特徴的な点だけ分かりやすく挙げておくと、

・屋根の上の丸太(かつおぎ。勝男木・鰹木などと書きます)が乗っている
・両端のV字型に組み合わせた「千木(ちぎ)」が、地面と水平に切られている
・切妻造りの平入り(屋根が三角に見える側からではなく、軒の側に入口がある)
・高欄(手すり)の上に、五色の「座玉(すえだま)」がある

などとなるようです(参考までに神明造 - Wikipediaをご覧ください)。

こんな風に分かったようなことを書いている私ですが、座玉に関しては全く知らず、写真にも収めてきませんでした・・・。ちょっと後悔してます・・・。

こんなことを知らなくても、神社建築としても様式美が感じられる、とても美しい建物ですので、天橋立の近辺に行った方はぜひご覧ください。アホみたいな言い方ですが、純粋にカッコイイですから!


元伊勢籠神社@宮津市-06

籠神社の「神門」。この屋根の形が、唯一神明造りの形式を少しだけ表しています

元伊勢籠神社@宮津市-07
籠神社の「拝殿」。賑やかな観光地の真ん中にあるのですが、この一帯だけ凛と張り詰めた空気が感じられるのはさすがですね

元伊勢籠神社@宮津市-08
伊勢神宮と同様の「唯一神明造り」。屋根の上の丸太(勝男木・鰹木)と、両端のV字型に組み合わせた「千木(ちぎ)」が、地面と水平に切られているなど、古来からの建築様式をそのまま伝える、希少な建物なのです

元伊勢籠神社@宮津市-09
中央の勝男木が10本あり、屋根を支えるように「御心柱」が建っているのも、他には見られません。この他にも、切妻造りの平入りである(屋根の軒の側に入口がある)など、様々な特徴が見られます

元伊勢籠神社@宮津市-10
籠神社の拝殿前。茅葺きのどっしりと重厚な建物ですね

元伊勢籠神社@宮津市-11
この日は、ご家族が御祈祷中でした。奥に見えるのが「本殿」ですが、例によって、正面からはほとんど見えません

元伊勢籠神社@宮津市-12
巾着型の袋の中に小さな馬が入ったお守り。丹後の寺社仏閣では、そこら中でお馬さんを見かけますが、何か理由があるんでしょうか?


猿田毘古大神の「清め砂」。子供が見たら泣き出しそうなパッケージですが、何となく欲しくなっちゃいますね(笑)

元伊勢籠神社@宮津市-13
本殿脇にある「恵美寿社(または蛭子神社)」。彦火火出見命と倭宿祢命を祀った小さなお社です

元伊勢籠神社@宮津市-14
手前が「天照大神和魂社」で、2つの末社、1つの摂社が並びます。こう見ると分かりやすいのですが、天照大神を祀ったものだけが唯一神明造りの様式に倣っていて、他とは明らかに違っています

元伊勢籠神社@宮津市-15
水琴窟(すいきんくつ)が作られた「御生まれの庭」。小規模ですが、きれいに手入れされていました

元伊勢籠神社@宮津市-16
倭宿禰(やまとのすくね)の像。神武天皇の東遷の際に亀に乗って現れ、その行軍を先導した方だそうです。海上守護の神さまですが、どことなくユーモラスですね

元伊勢籠神社-ご朱印
籠神社でいただいたご朱印です。「元伊勢宮」の力強い文字がいいですね!


「成相登山バス」乗り場もすぐ近くです

また、籠神社のすぐ近くには、成相寺行きの「成相登山バス(ケーブルカー)」の乗り場があります。籠神社に車を停めて、成相寺へ参拝・展望台から天橋立見物、というパターンも便利かもしれません。

ケーブルカー乗り場前には、数軒のお土産物屋さんが並んでいて、地魚を使った定食などがいただけます。私たちは焼き栗(お値段@1,000円!)を買ってみましたが、これもかなり美味しかったのでオススメですよ!


成相登山バス前@宮津市-01

籠神社のすぐ近くには、成相寺方面へ行ける「成相登山バス」のケーブルカー乗り場があります。天橋立も一望できる展望台もありますので、ここから成相寺へ向かうのもいいでしょう

成相登山バス前@宮津市-02
ケーブルカー乗り場のすぐ前にあるお土産屋さんでは、焼きちくわとやき栗が売ってました。この栗が、本当に美味しかったです!お店の名前は「松屋」さんのようです

成相登山バス前@宮津市-03
黒ネコの看板の影に隠れる、毛並みがツヤツヤの黒ネコ。吊るしたネットに干してあった小魚を狙って暗躍してました(笑)



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■元伊勢籠神社

HP: http://www.motoise.jp/
住所: 京都府宮津市字大垣430
電話: 0772-27-1582
主祭神: 彦火明命
創建: 不明(神代にまで遡る、長い歴史を持ちます)
開門時間: 境内自由
拝観料: 境内無料(パンフレットは有料@100円)
駐車場: 有料駐車場あり(500円)






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