室生寺門前でいただく絶品の山菜料理『橋本屋』@宇陀市
室生寺の門前に建つ、写真家・土門拳ゆかりの料理旅館『橋本屋』さんで、自慢の山菜料理をいただきました。地元の山菜などを使用した、身体にじんわりと染み入る渋めの精進料理で、名物の「とろろ汁」や、みんな大好きな「山芋の磯部揚げ」なども絶品でした!室生寺に2020年9月に開館した「寳物殿」もお参りできて、いい一日になりました。
写真家・土門拳ゆかりの料理旅館
室生寺の門前に建つ、明治4年創業の老舗の料理旅館『橋本屋』さん(Facebook・食べログ)。山菜などを中心とした和のお料理が味わえる名店で、写真家・土門拳が定宿としていたことでも知られています。
料理旅館の橋本屋さんの真向かいには、よりリーズナブルな食堂風の『御食事処 橋本屋』さんが営業しており、こちらもよく利用させていただいています。
この日はお墓参り(※義父が室生の集落の出身です)の前に、本館の方でゆっくりと食事をさせていただきました。
室生寺の「太鼓橋」の前に建つ『橋本屋』さん。この真向かいに『御食事処 橋本屋』さんがあり、いつも「室生寺の阿吽みたいだな」などと思います(笑)
室生川にかかる太鼓橋から見た橋本屋さん。渋い建物です。あの窓から景色を眺めながらお食事できます!
玄関を入ってすぐ、こんな趣のある雰囲気です。急角度の階段もいいですし、天井・時計・照明・襖絵など、どこもとっても歴史を感じますね。左手の座敷がお食事スペースとなっています。
この日は奥の個室でのんびりと食事をいただきました(※食後の写真ですみません)。窓の外には、美しい室生川の流れと太鼓橋などが見られます。
橋本屋さんは、コロナ禍で宿泊の受付を停止している時期などもあったとか。室生寺の仏像や風景の撮影をライフワークとした、写真家・土門拳ゆかりのお宿で、念願だった雪の室生寺の撮影エピソードなどはとても有名です(詳しくはこちら)。早くコロナが終息して以前の通り営業を続けられることを祈ってます。
じんわり染みる美味しさの山菜定食
この日いただいた、橋本屋さんの「山菜定食(あじさい)」2,160円。地元の山菜などを使用した、身体にじんわりと染み入るような、渋めの精進料理です。
この他にも品数を増やした「つつじ」2,700円や、あまご甘露煮がプラスされた「しゃくなげ」3,240円、また女性向けの「スペシャル山菜ランチ」2,000円なども提供されています。
1品ずつ簡単に。こちらは「煮合わせ」。見た目も美しく、名刹の門前でいただく精進料理らしい風情があります。
「なす田楽」は、炊いた茄子とピーマンにお味噌をかけたもの。これがはっとするほど美味しかった!茄子の食感と旨味がしっかりと感じられて、素朴ながら絶品でした!
こちらはちょっと珍しい「しめじ酢のもの」。ほかであまり見かけないお料理ですが、お口の中をさっぱりと整えてくれます。
丁寧な仕事をした「からし和え(こんにゃく、うど、わらび)」。
シンプルな「白和え」に、
こちらもシンプルな「山芋月見」。すりおろしただけの普通の山芋に見えますが、粘りがすごいんです。液体に近づくことを拒否して、固体のままでいたいかのよう。食べごたえはそのままに、すりおろすことで口当たりはなめらかになっていました。
「ごはん」と、名物の「とろろ汁」。山芋がたっぷり入ったお吸い物は、アツアツでなめらかで、じんわりと美味しいです。そのお隣にあるのは、単品で注文しておいた「山芋の磯部揚げ」。すりおろした山芋を揚げることで香ばしく、食感も変えています。
橋本屋さんのお料理は、やはりこの山芋のバリエーショが素晴らしいですね。「とろろ汁」と「山芋の磯部揚げ」はどちらもぜひ味わっていただきたい逸品です!
そしてこちらは「季節のもの1品」。この日は木の芽和えでした。しっかりと苦味が感じられる大人の味です。どのお料理も大満足で、あらためて「こんな渋いお料理が大喜びで食べられるなんて、我ながらオトナになったもんだ」と思いました(笑)
室生寺「寳物殿」も素晴らしい!
橋本屋さんでの食事のあと、もちろん『室生寺(むろうじ)』にもお参りしました。2020年9月に開館していた「寳物殿」も、ようやく半年遅れで拝見できました。
仏像ファン的な目線で言うと、
・弥勒堂の客仏扱いだった「釈迦如来坐像」(国宝)が堂々とセンターに収まっていて嬉しい!
・金堂でもトップクラスの美仏だった「十一面観世音菩薩」(国宝)も移られて、間近で拝見できます。美しい装飾品も光背の文様もはっきり観察できます!
・室生寺のシンボル的(アイドル的)な存在でもある「十二神将像」(重文)のうち、6体が寳物殿にお引越し。ガラス越しですが、数十センチの距離で拝見できます。
・その一方で、あの薄暗い中にところ狭しと尊像が並んでいた金堂は、数が減って一気にゆったり。昔の姿を知る者からすると、ちょっと寂しい感はあります(すぐ見慣れると思いますが)。
寳物殿自体はそれほど大きな規模ではありませんが、美しさと華やかさは感動的なほどでした。ぜひお参りしてください!
■橋本屋
HP: https://www.hashimotoya-uda.jp/
Facebook: @hashimotoya.nara
住所: 奈良県宇陀市室生800
電話: 0745-93-2056
定休日: 不定休
営業時間: 10:00~16:00
駐車場: あり(50台分)
アクセス: 奈良交通バス「室生寺バス停」から徒歩約4分です
※実際にお店にお邪魔したのは「2021年5月9日」でした。
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