2016-09-09

「行基葺き」の屋根が間近に見られます!@元興寺(ならまち)

「行基葺き」の屋根が間近に見られます!@元興寺(ならまち)

ならまちエリアにある世界遺産寺院『元興寺(がんごうじ)』で、本堂と禅室脇に足場を組んで「行基葺き」の屋根瓦を間近で観察できるという企画が開催されています(2016年8月28日~9月17日)。飛鳥時代の瓦も間近に見られて感激でした!また、禅室の中に入れたり、ご本尊の「厨子入智光曼荼羅」と、「元興寺 極楽坊縁起絵巻」全2巻が特別公開されたりと、見どころたっぷりでした!


屋根までの足場を組んでの特別見学

奈良市のならまちエリアにある世界遺産寺院『元興寺(がんごうじ)』。593年に飛鳥の地に創建された、日本最初の本格的な寺院「法興寺」が元となり、平城遷都とともに現在の地へ遷ったものが「元興寺」に、飛鳥の地に残ったものが「飛鳥寺」となりました。

法興寺には、百済の瓦博士が日本に初めて本瓦葺きの屋根を伝えたとされ、元興寺にはその建物が移築されています。国宝の本堂「極楽堂」(曼荼羅堂)と「禅室」は、奈良時代の僧坊の遺構であり、鎌倉時代に大きく改造されていますが、創建当時からのさまざまな部材が使用されています。

有名なのが、本堂と禅室の屋根に「行基葺き(ぎょうきぶき)」と呼ばれる方法で葺かれた瓦で、飛鳥時代や奈良時代に焼かれた瓦が今なお現役で使われているのです!

屋根瓦は遠目からでも見えるのですが、2016年夏、JR西日本のキャンペーン「ちょこっと関西歴史たび世界遺産元興寺」(PDF)の一環として、屋根の高さの足場を組んで、屋根瓦を間近で観察できるという企画が開催されたのです(2016年8月28日~9月17日)。

この期間の元興寺は、この他にも特別公開が目白押しで、寺宝のすべてを公開してくれるかのような勢いで、何時間も楽しませていただきました!


行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-01

ならまちの世界遺産寺院『元興寺』の入り口。2016年7月1日~9月30日までの「ちょこっと関西歴史たび世界遺産元興寺」と、アートイベント「古都祝奈良(ことほぐなら)」の案内がありました。期間中は見どころ満載です!

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-02
国宝の「本堂」。僧坊だった建物を、鎌倉時代に大きく直し、東大寺などと同じ「大仏様(だいぶつよう)」の建築様式を取り入れています。正面の柱間が6間のため、中央(お賽銭箱の前)にも柱があるなど、珍しい造りになっています。屋根瓦は、正面側から見るととくに特徴もないように思えますが……

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-03
裏手に隣接する「禅室」(国宝)との間の部分に、今の時期だけの足場が組まれていて、希望者は間近から屋根瓦を拝見することができます!足場の上にたくさんの人が見学しているのが見えます

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-04
別の角度から。お寺さんの建物に足場が組まれていたりすると、普通は見栄えが悪くてがっかりするものですが、今回ばかりは違います。なお、境内の拝観料(大人500円など)とは別に、500円が必要です

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-05
間近で見た、元興寺・本堂と禅室の屋根瓦。他の部分は、丸瓦と平瓦を交互に葺く「本瓦葺き」ですが、この写真に写っている本堂の西側、禅室の南側の東寄りの部分だけは「行基葺き(ぎょうきぶき)」という方法になっています

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-17
足場の上部はこんな感じ。ガイドさんの説明を聞きながら、楽しく拝見できました!


飛鳥時代の瓦!今でも現役です

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-13
禅室の南側の屋根。東側は古い瓦を使用した「行基葺き」になっていて、西側は新しい瓦を使った「本瓦葺き」です

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-14
もっとも古い飛鳥時代の瓦も現役で使用されていて、この画面中央の一枚だけ黒っぽい色のものも飛鳥時代のものだとか。元興寺の本堂と禅室の屋根には、いまでも奈良時代以前の丸瓦が1,525枚、平瓦が3,590枚も使用されているそうです。さらに、飛鳥寺の創建当時の瓦が200枚ほどもあるというのですから驚きですね!

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-15
美しい行基葺きの屋根。この丸瓦は「上が細く下が広い」のが特徴で、その差を活かして被せていきます。間近で見ると、瓦を作った時の縄目の文様がはっきり見えるものがあったり、大きく割れているものがあったりして、それぞれ個性が感じられました

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-16
上から見下ろす元興寺・禅室。このアングルから観察できるのは、これが最初で最後でしょうね


表情豊かな「行基葺き」の屋根瓦たち

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-06
これは本堂の西側の屋根瓦。各時代の瓦を使用しているため、瓦の色や質感もさまざま。遠目から見てもここだけ賑やかな印象ですが、間近で観察するとそれぞれ表情が感じられていいですね!飛鳥時代のものから、奈良時代や平安時代の瓦も混ざっています

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-07
本堂の西側を観察してみます。屋根の先端部分の「軒瓦(のきがわら)」のほとんどは、昭和の解体修理の際に、鎌倉時代のものと昭和の復元瓦にあらためられています。丸い「軒丸瓦」は奈良時代の文様を復元した新しいものです。その間の「軒平瓦」は、まだ一部に古いものが使用されています

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-08
真ん中の平瓦は、奈良時代の創建当時のもの

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-09
その隣に葺かれた、平安時代のもの

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-10
これは奈良時代のもの

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-11
こちらも奈良時代のもの。それぞれ文様が少しずつ違います。歴史ある古刹ですから、落雷や火災、地震などの天災はもちろん、戦禍に巻き込まれたり一揆が起こったりと、いろんな危機があったはずです。それでもこれだけ長い間、まったく問題もなく屋根の上で働いているなんてすごいですね

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-12
鬼瓦も目線の高さに。その下の建物の組物の部分も間近で観察できました。貴重な体験ができて幸せです!

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-27
なお、参加者には「古代瓦見学記念」という拓本とともに、わかりやすい解説書もいただけますので、とてもわかりやすいです。また、収蔵庫である「法輪館」では、飛鳥時代の瓦に実際に触れる(!)というコーナーもあります。本当に貴重なチャンスですよ!


国宝「禅室」やご本尊の特別公開も

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-18
また、2016年夏のキャンペーン「ちょこっと関西歴史たび世界遺産元興寺」では、元興寺のいろんな初体験ができます。普段は非公開の「禅室」の中にも入れました!司馬遼太郎さんの「街道をゆく」の挿絵を担当したことでも知られる須田剋太さんの大きな衝立などが拝見できました。建物内部は柱がいっぱい立っていて、広間ともいえない雰囲気でした

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-20
「東アジア文化都市2016奈良市」の一環として開催されるアートイベント「古都祝奈良(ことほぐなら)」(2016年9月3日~10月23日)。元興寺などの社寺も会場となっていて、韓国のキムスージャさんの作品が、ここ石舞台の上と「小子坊」の中の2箇所に展示してありましたどちらも鏡を印象的に使った作品です

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-21
この他にも、収蔵庫「法輪館」では、元興寺のご本尊「厨子入智光曼荼羅」(重文)と、全2巻の「元興寺 極楽坊縁起絵巻」が特別公開されていたりします。どちらも初めて拝見しました。高さ5m強の小さな「五重塔」(国宝)なども常時展示されていますし、見どころたっぷりでした!

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-22
境内には桔梗や萩も咲いていました。元興寺の境内にはたくさんの石仏が並んでいて、秋の可憐な花々とはよく合います。お花好き、写真好きなかたもきっと楽しめるでしょう!

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-23

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-24

行基葺きの古代瓦の見学@元興寺-25



■元興寺

HP: http://www.gangoji.or.jp/
住所: 奈良県奈良市中院町11
電話: 0742-23-1377
宗派: 真言律宗
本尊: 智光曼荼羅(重要文化財)
創建: 593年
開基: 蘇我馬子
拝観料: 大人500円、中高校生300円、小学生100円
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり(拝観者のみ)
アクセス: JR奈良駅から徒歩20分、近鉄奈良駅から徒歩10分

※「屋根に葺かれた古代瓦の見学」や「国宝・禅室の特別公開」などは、2016年9月17日(土)までとなります
※ここでご紹介した他、境内で鬼を探す企画や、特別の御朱印を授与する企画などがありますので、詳しくは「【PDF】「ちょこっと関西歴史たび世界遺産元興寺」開催のお知らせ│JR西日本」をご覧ください


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