2009-11-19

八部衆・十大弟子ズラリ『お堂でみる阿修羅』@興福寺

八部衆・十大弟子ズラリ『お堂でみる阿修羅』@興福寺

興福寺」の仮金堂で開催され、大きな話題となった『お堂でみる阿修羅』を見てきました。阿修羅像を中心に、八部衆・十大弟子像がズラリと並ぶ姿は圧巻でした!また仮金堂の内部に入って、初めてお堂の主である巨大仏「釈迦三尊像」を拝見できましたが、こちらも大迫力!面白かったです!

(※この記事は「お堂でみる阿修羅」終了後の2009年11月27日に書いています)


夕方の興福寺もものすごい人出!

連日の大行列が話題になっていた「お堂でみる阿修羅」ですが、終了間際になってようやく見に行くことができました。

ひどい時には「210分待ち(=3時間半!)」という、とんでもない待ち時間になったということは聞いていましたので、あえて閉館時間ギリギリを狙って、平日の16時近くになってから興福寺へ向かったのですが・・・、それでもまるで「なら燈花会」が始まる前のような賑やかさでした!


お堂でみる阿修羅-01

奈良・興福寺「仮金堂」で開催された『お堂でみる阿修羅』。2時間や3時間待ちは当たり前という大盛況ぶりに恐れをなしていたため、なかなか行く勇気が出ませんでしたが・・・。会期終了間際になってようやく拝見してきました

お堂でみる阿修羅-02
北円堂と南円堂の間に設置されていた仮設売店。平日の15時半くらいの光景なんですが、とにかくものすごい人混みでした!阿修羅さんの人気はすざましいことになってますね!

お堂でみる阿修羅-03
その隣には、仮設のお茶処も登場。興福寺の境内には他にお茶屋さんなどはありませんので、こちらも大盛況のようでした。肌寒い時の甘酒は美味しいですよね

お堂でみる阿修羅-09
いつもは夕方になると静まり返る興福寺も、この日ばかりは賑わっていました。「これからなら燈花会が始まるのか?」というくらいの人出ですね

お堂でみる阿修羅-10
興福寺・東金堂前もこんな状態です。小学生たちの姿も見えましたが、みんなあの行列に並んだのでしょうか?

お堂でみる阿修羅-11
南円堂の前はまだひっそりと静かでした。「お堂でみる阿修羅」に合わせて南円堂も特別公開・・・ってワケにはいかなかったんでしょうか?


「北円堂」はいいライトアップでした

まずは、仮金堂と同時に特別公開されていた興福寺「北円堂」から。

北円堂は、興福寺のお堂の中では地味な印象のあるお堂のため、昨年の秋の特別公開の際にも、ここだけガラーンと空いている・・・という印象でした。

ところが、今年は【「お堂でみる阿修羅」とセットになって1,500円】という設定になっていましたので、こちらも大混雑でした。16時前でしたので、さすがに待ち時間は無かったものの、それほど広くないお堂の中は身動きが取れないほどの混雑ぶりでした。

北円堂のご本尊は「弥勒如来坐像(国宝)」ですが、やはり最も有名なのは、法相宗の高僧を運慶が写実的に彫り上げた「無著・世親菩薩立像(国宝)」でしょう(それぞれ、むじゃく・せしん、と読みます)。

今回はそのままの展示ではなく、しっかりと照明で照らされて、何分かに一度は係員(アルバイトさん)の説明が聞けるという大サービスでした!

立ち止まっているワケにも行きませんので、それほどじっくりとは見られませんでしたが、無著・世親のご両人(どちらも運慶の作!)の大きな背中は素敵でしたね。ぜひこのライティングは来年からも続けて欲しいと思います。


お堂でみる阿修羅-05

「お堂でみる阿修羅」とセットで拝観できるようになっていた興福寺「北円堂」。毎年の特別公開の時にもひっそりとしているお堂なんですが、これだけの行列です!無著・世親菩薩立像が有名になって嬉しいような気もするし・・・、ちょっと複雑な気分でした(笑)

お堂でみる阿修羅-06
夕暮れが迫った興福寺「北円堂」。まだまだ行列は続いています


仏像が立ち並ぶ「仮金堂」は圧巻!

今回のメイン「お堂でみる阿修羅」は、平日16時から並んでも30分以上の待ち時間でした。お堂に入っても混雑は続いていましたが、中で順路が折り返しているため、お堂の中央部分を3回ほど横切れるようになっていて、思ったよりもじっくりと拝見できました。

とにかく、八部衆・十大弟子像がズラリと並ぶ姿は圧巻ですね。普段は「国宝館」にいらっしゃるため、もう何度もその姿は拝見していましたが、やはり勢ぞろいしてお堂に並ぶと迫力が違います。博物館での展示のように背後から見ることはできませんが、それでも十分に満足できる展示だったと思います。

また、普段は仮金堂は非公開のため、初めてご本尊の「釈迦如来坐像」を中心とする「釈迦三尊像」も拝見できましたが、こちらもものすごい迫力です。

●釈迦如来像 像高362.0cm 江戸時代 木造
●薬王菩薩立像 像高362.0cm 1202年 木造(重要文化財)
●薬上菩薩立像 像高360.0cm 1202年 木造(重要文化財)

とにかく大きい!私は大きな仏さまが好きなタイプですので、3メートル超の三尊像が見られたのは嬉しかったです。

その周囲には、康慶(運慶のお父さん)作の「四天王像(重文)」が。1189年の作で、元は南円堂にいらっしゃったのだそうです。鎌倉仏らしい力感が感じられる、素晴しい仏さまでした。


お堂でみる阿修羅-07

「お堂でみる阿修羅」の行列が続いていた興福寺「仮金堂」。阿修羅像はともかく、この仮金堂は普段は公開されていないお堂ですので、初めてその内部を拝見できることが嬉しいですね。仮金堂の主である、巨大な「釈迦三尊像」にも初めてお会いできました

お堂でみる阿修羅-08
夕方の16時過ぎでもこれだけの行列。結局、待ち時間は30分少々でした。ピーク時の210分(=3時間半!)の行列って、どんな状態だったんでしょうね?


興福寺南大門の発掘調査もやってました

これらの企画以外にも、興福寺境内で「興福寺南大門の発掘調査」が行われていたのも面白かったですね。この作業は奈良市内のド真ん中の有名寺院の境内で発掘作業・・・と、なかなか見られない貴重なシチュエーションだと思いますので、いいものを見られたと思います!


お堂でみる阿修羅-12

興福寺の境内では「興福寺南大門の発掘調査」が行われていました。南大門は、創建以来7度も焼失を繰り返し、その最後は1717年のこと。重層門で、巨大な金剛力士像が立っていたのだそうです

お堂でみる阿修羅-13
発掘現場を見るとかなり本格的ですね。調査は秋の間は続くのだそうです。奈良県民であれば、発掘現場くらいじゃ驚かない方も多いと思いますが、さすがに興福寺の境内でこんな光景が見られるチャンスはなかなかありません!

お堂でみる阿修羅-15
夕暮れの南円堂

お堂でみる阿修羅-16
夜の南円堂。静かで美しいものです


全国「約190万人」が阿修羅像を拝観!

東京国立博物館、九州国立博物館と続いた、奈良・興福寺の「阿修羅像」の全国ツアーのラストを飾るイベント「興福寺国宝特別公開2009 お堂でみる阿修羅」。奈良でも25万人を超える来場者を集め、大成功に終わりました。



 奈良・興福寺の「興福寺国宝特別公開2009 お堂でみる阿修羅」(興福寺、朝日新聞社、テレビ朝日主催)が23日、閉幕した。10月17日から38日間の来場者は25万6279人で、昨年の特別公開の約10万9千人を大幅に上回った。先だって阿修羅像が公開された東京国立博物館と九州国立博物館の来館者を合わせると約191万2600人が鑑賞した。

 阿修羅像など八部衆・十大弟子像の現存14体(734年、国宝)は一部を除いて12月1日~来年1月17日(無休)、興福寺国宝館に展示。その後、国宝館の改装工事があり、3月1日から再び公開される。

asahi.comより引用


会場となった興福寺・仮金堂では、最大で「210分待ち」というような大混雑となったようです。それでも、

●東京国立博物館 来場者数 946,172人 (3月31日-6月7日)
●九州国立博物館 来場者数 710,138人 (7月14日-9月27日)
●お堂でみる阿修羅 来場者数 256,279人 (10月17日-11月23日)

展示方法・開催期間の違いはあるとはいえ、さすがは東京や九州などの大都市に出かけると、集客力の差は歴然ですね。九州国立博物館では、来場記録を塗り替えたというのですから、本当にすごい人気ぶりだったことが伺えます。


同じく大行列となっていた「正倉院展」もそうですが、行列に並ばずに済むような、もう少し上手いオペレーションはできないものか・・・とは思いますが、とりあえず来年の「平城遷都1300年祭」に向けて、良いアピールが出来たのではないでしょうか?



大きな地図で見る


■興福寺

HP: http://www.kohfukuji.com/
住所: 奈良県奈良市登大路町48
電話: 0742-22-7755
宗派: 法相宗大本山
本尊: 釈迦如来(国宝)
創建: 669年
開基: 藤原不比等
拝観料: 境内-無料、国宝館-500円、東金堂-300円
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 有料駐車場アリ
アクセス: 近鉄奈良線-近鉄奈良駅 徒歩7分

※西国三十三所の第九番札所(南円堂)
※南都七大寺の一つ






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