干潮の『厳島神社』大鳥居。牡蠣と穴子も!@広島県
日本三景の一つ「宮島(厳島)」に位置する、世界遺産『厳島神社』。海上に浮かぶように建てられた寝殿造の社殿が有名ですが、ちょうど干潮で潮が引いていたため、沖にある「大鳥居」まで歩いていけました!参道では、名物の牡蠣や穴子をいただいて、楽しく参拝できました!
海に浮かぶ社殿。美しい厳島神社
広島県廿日市市の宮島(厳島)に位置する、世界遺産『厳島神社(いつくしまじんじゃ)』(Wikipedia)。
日本三景の1つに数えられ、全国に約500社ある厳島神社の総本社です。創建は、593年(推古元年)と伝わり、宮島にある山「弥山」をご神体としています。平安時代後期に平清盛の援助を受け、今日のような海上に浮かぶような社殿が造営されました。
海上に浮かぶように建てられた回廊、海面に凛々しく建つ大鳥居など、他では決して観られない、荘厳で力強い姿が特徴です。
この日は平日でしたが、本当にたくさんの観光客が訪れていてとても賑やかでした。海外からの観光客が多く、やはり海に浮かぶ不思議な神殿の光景はあらゆる国の方を惹きつけるのでしょう。
世界遺産『厳島神社』の参拝のためには、日本三景の一つ「宮島」へ船で渡ります。JR宮島口駅の正面に「JR西日本宮島フェリー」と「宮島松大汽船」の2つの乗り口が並んでいます。所要時間は約10分間。ほぼ15分おき便があります。料金は、大人往復360円(子供は半額)で、どちらも変わりません
この日は「宮島松大汽船」を利用しました。海無し県の住人としては、船を見ると一気に旅気分が盛り上がりますね!デッキから海を眺めていると、次第に宮島へ近づき、有名な大鳥居が少しずつ近づいてきます
宮島へ上陸し、お土産物店などが並ぶ商店街(表参道)を抜けると、10分弱で厳島神社へ到着します。この日は時間の関係で行けませんでしたが、巨石がある聖なる山「弥山」へロープウェイに乗って行くこともできます
海に浮かぶ社殿を持つ厳島神社では、潮の満ち引きによって大きく表情が変わります。この日は満潮が「13:20」、干潮が「19:40」でした。この写真は「16:30」ごろ撮影したもの。時々によって潮位は変わりますが、干潮のピークの3時間前くらいでもこんなに引いています。詳しくは「宮島観光協会│年間潮汐・潮見表」から調べられます
美しい回廊。他にはない不思議な光景です
厳島神社の社殿への入口。背景には弥山が観えます。建築様式としては、人が住まうための「寝殿造」ですが、屋根を桧皮葺とし、人の住まいを神の住まう場所へと転用しています。なお、参拝順路は一方通行になっていて、帰りは別のルートで退出します
朱塗りの「回廊」(国宝)。潮が引いて地面が見えるのも面白いのですが、やはり回廊部分は足元に海水が満ちた状態を観たかったです(笑)
客神社(まろうどじんじゃ)の祓殿と廻廊で囲まれた部分で「枡形」と呼ばれているとか。潮が引いていても、満ちていても不思議な光景ですね
回廊の床板は、あえて隙間を開けてあります。高潮の際に床下から押し上げる圧力を弱め、たまった海水を流す目的もあります。床板は2重になっていて、本来の床板の上に養生板が敷いてあります。本来なら靴を脱いで上がるところですが、この板のため土足で歩けます
厳島神社の拝殿。奥の本殿なども、すべて国宝に指定されています。市杵島姫命・田心姫命・湍津姫命の水を司る女神さま「宗像三女神」を祀っています
拝殿の正面には「大鳥居」が
朱の連続が美しいですね。回廊を歩くだけで、次々と貴重な神殿や建築物が現れます。これだけ自然に囲まれた神社だけに、幾度と無く災害にあっていますが、よく現在まで伝わってきたと感心してしまいます
潮が引いていたため、社殿の砂州の部分を歩けました。海中にあって傷みやすい土台の柱部分は、新しい材で修繕されています。礎石の上に乗っているだけなので、傷んでも修理しやすくなっています
潮だまりには、カニや小魚などの生き物の姿が観られます。それを狙って鳥たちも集まってきます
数時間前まで海中にあった場所から観た社殿。不思議な感じですね
干潮時には大鳥居の足元に行けます
厳島神社のシンボルである「大鳥居」(重文)も、干潮の時には足元まで行って間近に観察できます。
大鳥居の高さは約16.6m、総重量は約60tもあります。海底に埋められているのではなく、ただそこに置かれているだけ。これだけ巨大なものが、地面に埋められずにポンと置かれているのかと思うと驚きますね。
潮が満ちてくると浮力がかかって流されやすくなるので、少しでも重くするように、上部の「鳥木」と呼ばれる部材の中に約7tもの小石を詰めて重量を増しているのだとか。
宮島は島全体がご神体だったため、室町時代以前は伐採や居住は禁じられていたそうです。このため、島の土を踏まずに参拝できるよう、社殿を波打ち際に作り、海から船で大鳥居をくぐって参拝していたというのですから、スケールが大きいですね!
これが「17:10」ごろ。干潮のピークの2時間半くらい前ですが、かなり潮が引いていて、鳥居の当たりの水深は大人の膝くらいでした。西洋の方のほうが好奇心旺盛なのか、真っ先に靴を脱いでじゃぶじゃぶと入っていきます(笑)
少し待っていると、どんどん潮が引いていくのが分かります
「17:50」ごろの様子。ほぼ完全に潮が引きました。【豆知識その1】大鳥居の屋根の部分の両脇には、東側に「太陽」、西側に「月」が描かれている 【豆知識その2】掲げられた扁額は、沖へ向かった側は「厳島神社」、本殿側は古名の「伊都岐島神社」と書かれている
鳥居の足元。腐りにくいクスノキを用いています。ほぼ自然木の状態ですが、ところどころ修復の痕がみられます。鳥居は置いてあるだけですから、ほんのわずか埋まっているだけなのでしょう。不思議なものです
夕日が沈み、大鳥居にかかりました。今回は満潮の時の様子は観られなかったのが心残りです。宮島で一泊するか、時間に余裕を見て訪れるか(おそらく5時間ほど滞在すれば両方の姿が観られるはず)すべきでした
参道で宮島名物の牡蠣・穴子も食べました
宮島の参道で、名物のカキ料理などもいただいてきました。ここで食べておきたかったのは、カキ・穴子・揚げもみじなど。通りにはたくさんのお店が並んでいますから目移りします!
有名な「世界一の大杓子」も通り沿いにあります。長さ7.7m、重さ2.5t!1983年に制作されましたが、大きすぎたためか展示場所が決まらず、14年間も倉庫に入りっぱなしになっていたのだとか!ちょっと切ないエピソードですね(笑)
この日は『焼がきのはやし』さん(食べログ)を利用しました。お店の前で牡蠣を焼いていたり、そそられます!
焼きがきのはやしさんの名物「かきめし(@980円)」。牡蠣を炊いて、その汁を使ってお米を炊いているため、とにかく御飯が美味しい!大ぶりな牡蠣が5つも入っていて、このお値段は格安ですね。ただし、牡蠣の味わいとしては、焼きがきや生がきよりもやや落ちるため、お財布に余裕があればそちらをぜひ!
こちらは宮島名物の「あなご飯(@1,700円)」。どうしてもウナギの代用品のように見られがちですが、本場でこの価格ともなるとふんわりと美味!満足度の高いメニューです!
また、通りで営業しているお店の「焼きがき」も食べてみましたが、これがはっとするほど美味しかったです!ここは「1皿2個(@400円)」。お店によって多少の値段の差はあるようです。身はそれほど大きくありませんが、さすがに地元ですね。新鮮な牡蠣をシンプルに焼いただけでこれほど美味しいんですから最高です!
なお、私はまだ食べたことがないのですが、ウチの奥さんの大好物だという、もみじ饅頭を揚げた「揚げもみじ」のお店も見つかります。のんびりお詣りしていたらもうお店が閉まってました……
余談ですが、この日は広島市内に宿泊。休みのお店が多くてお店探しに苦労しましたが、広島名物の「お好み焼き」もいただけました!満足!
■厳島神社(いつくしまじんじゃ)
HP: http://www.miyajima-wch.jp/jp/itsukushima/
住所: 広島県廿日市市宮島町1-1
電話: 0829-44-2020
主祭神: 宗像三女神
創建: (伝)593年
開門時間: 6:30 - 18:00(冬は17:00まで)
拝観料: 大人300円、高校生200円、小中学生100円
駐車場: 無し
アクセス: JR「宮島口駅」下車、船で10分で宮島桟橋へ。さらに徒歩15分
※実際にお詣りしたのは「2015年5月24日」でした。
■参考にさせていただきました