旧鴻池邸表屋でいただく絶品かき氷『みやけ』@奈良市
奈良市鳥見町にある、和菓子・和カフェの『みやけ』さんで、絶品のかき氷をいただいてきました。その建物は、大阪の豪商・鴻池家が建てた「旧鴻池邸表屋」を移築したもの。300年以上もの歴史を積み重ねた町家建築です。雰囲気も素晴らしいですし、かき氷のお味も絶品でした!遠方からでも訪れる価値のあるお店ですね。
大阪・今橋にあった鴻池家の邸宅を移築
奈良市鳥見町にある、和菓子・和カフェの『みやけ(旧鴻池邸表屋)』さん。1907年(明治40年)からお菓子作りにたずさわってきたという老舗の和菓子屋さんで、食べログなどでもとても評価の高いお店です。
その建物がとにかく豪華です!大阪・今橋にあった、江戸時代の豪商・鴻池家(Wikipedia)の「旧鴻池邸表屋」(鴻池善右衛門の今橋本邸)を、1982年に移築・復元したもの。300年以上の歴史をもつ建物で、大塩平八郎の乱の際に焼き討ちされて焼失したものの、再建されています。
この建物は、戦後は鴻池財閥の流れをくむ「大阪美術倶楽部」の会館として使用されていましたが、改築の際に撤去されることになりました。歴史的建造物ですから、保存を求める声も強かったのですが、財政難を理由にこれを断らざるを得なかったのだとか。そこで、みやけを経営する「三宅製餡株式会社」の二代目社長がこれを引き取り、奈良市鳥見町へ移築したのだそうです。
大阪の貴重な遺構が、縁あって奈良に移築され、和菓子の販売・カフェ・ギャラリーの複合施設として生まれ変わっているんですから、不思議な感じですね。
お店は、近鉄奈良線「富雄駅」からほど近い、閑静な住宅街にあります。ゆったりとした駐車場もありますので、車でも問題ありませんが、我が家のカーナビで住所を入力して案内させたところ、なぜかまったく別の場所へ連れて行かれましたので、一応ご注意ください(笑)
奈良市鳥見町にある『みやけ』さんの建物。今から300年も前に建てられた「旧鴻池邸表屋」を移築したもので、白い漆喰の壁が美しいですね。閑静な住宅街の中にシックに溶け込んでいました
入口部分。1837年、幕末の大阪で巻き起こった「大塩平八郎の乱」の際に焼き討ちされた歴史を持つとか。他の土地から奈良に古建築が移築されるということ自体が珍しいですね
美しい庭園も。これが和菓子店・カフェ・ギャラリーの複合施設なんですからすごいですね!
暖簾をくぐったところ。向かって右手がカフェスペースで、この左手が和菓子の販売スペースになっています
鴻池家に伝わっていた「手押ポンプ(竜吐水)」。珍しいものが無造作に置いてあるのがさすがです
落ち着いた和のお座敷。美しいお庭も見えます
『みやけ』さんの店内は、シックで落ち着いた雰囲気の座敷席になっています。和室4室分ほどのスペースで、計40席近くあるでしょうか。すべてお座敷で、椅子席は無いようでしたが、足を曲げずに座れる「正座椅子」がありましたので、膝が良くない方でも安心でしょう。
この日は、平日のお昼時に伺ったのですが、奥に2組ほどのお客さんがいらっしゃっただけでのんびりとしていました。しかし、夏のような暑い日だったこともあってか、他でお昼ごはんを食べ終えたらしき方たちが次々に来店してきて、私たちが食べ終わる前には満席になっていました!写真には写ってませんが、ものすごい人気ぶりでした。還暦前後と思われる方がほとんどなのも、期待が持てますね。
入り口すぐの座敷席。建具などをはずして大広間にして使っています。雰囲気がバツグンですね!
美しい建具の向こうに竹林が。京都のような風情ですね
お隣の座敷席には、文楽の人形「熊谷次郎直実」が飾ってありました
ふんわり溶ける!絶妙な舌ざわりのかき氷
『みやけ』さんでは、抹茶パフェ・ぜんざい・あんみつなどのメニューもありますが(カフェメニュー)、私たちはかき氷をいただきました。
かき氷のメニューは、「宇治ミルク金時(@730円)」「宇治金時(@680円)」「きなこ黒蜜ミルク金時(@700円)」「黒蜜ミルク金時(@700円)」など。さらに、一日限定15食の「いちごミルク(@700円)」は、大和郡山市の佃農園さんが丹念に育てたいちごを使用していて、香料・着色料などは一切使用していないとか。
私たちは、「宇治ミルク金時(@730円)」と「いちごミルク(@700円)」をいただきましたが、どちらも本当に美味しかったです!氷の口当たりが柔らかで、口の中でふんわり溶けていきます。それなりにたっぷりと盛られていますが、どんどんお腹に収まっていきますね。「とても上等なかき氷をいただいた」という満足感がありました!
やや見づらいですが、『みやけ』さんのかき氷のメニューです。「宇治ミルク金時(@730円)」「きなこ黒蜜ミルク金時(@700円)」など、さらに限定の「いちごミルク(@700円)」があります。その他のカフェメニューはホームページからご覧ください
迫力のかき氷が登場!見るからに美味しそうです!
定番の「宇治ミルク金時(@730円)」は、安定の美味しさ。ふんわりと溶けてゆく氷の口当たりが贅沢ですし、抹茶蜜と練乳、上品な粒あんと白玉と、脇役たちがどれも絶品!素晴らしいバランスです。抹茶蜜が比較的濃い目の味ですが、最後まで飽きずに食べられました
「いちごミルク(@700円)」は、とっても優しい味わいです。酸味も甘みも穏やかで、ふんわりとした氷の美味しさが伝わってきます。ただし、やや味わいが大人しすぎる感があって、氷が溶け始めるとやや物足りない感もありました。2人で宇治ミルク金時と半々でシェアしたらベストでした(笑)
和菓子の販売も。「パイ大福」が美味でした
隣接して、みやけさんの菓子を販売する窓口もありますので、そこでも何点かお買い物をしてみました。かき氷だけで十分に満足していたので、何となく適当に購入しただけだったんですが、ここのお菓子が美味しかったんですよ!
特に、パイ生地に大福を包んだ「パイ大福(@210円)」は、個人的にどストライクでした。みやけさんの餡自体が上品でとても美味しいですし、もっちりとした大福の生地と、パイ生地のちょっと香ばしい味わいの対比が絶妙で、ちょっとした新食感です。
おそらく、このパイ大福にそのままアイスを添えたメニュー「パイ大福 バニラアイス添え ドリンク付き(@800円)」がカフェでいただけるようですので、今度はそちらも食べてみたいと思います!
暖簾をくぐってすぐ右手にある、みやけさんのお菓子の販売コーナー
シックな踏み石や大きくて明るい窓、そして天井のライトレールのラフな感じなど、とてもいい雰囲気ですね。古いだけではない魅力を感じます
これが「パイ大福(@210円)」。車の中で何気なく食べて、あまりにも美味しくて驚きました(笑)。ここにバニラアイスを添えたら、間違いなく雪見だいふくをはるかに凌ぐ味になると思います!
さらに「塩豆大福(@150円)」と、鹿の文様が可愛らしい「ならさんぽ(@120円)」もいただきました。どちらもレベル高いです!
■みやけ 旧鴻池邸表屋
HP: http://www.miyake-flagship.jp/
住所: 奈良県奈良市鳥見町1-5-1
電話: 0742-51-3008
定休日: 日曜日
営業時間: 10:00 - 18:00
駐車場: あり
アクセス: 近鉄奈良線「富雄駅」より徒歩10分ほど
※実際にお邪魔したのは「2013年6月17日」でした
■参考にさせていただきました
旧鴻池邸表屋「みやけ」のいちごミルク : 心と体の癒しのメッセージ
●【食べログ】の該当ページへ
■関連する記事