2012-02-19

【書評】マンガでわかる『百人一首』&『源氏物語』

【書評】マンガでわかる『百人一首』&『源氏物語』

私は「古典」と呼ばれるような作品はずっと敬遠してきたのですが、ここ最近、漫画などを入口にして少しずつ知るようにしています。『百人一首』&『源氏物語』の2つの作品たちも、お陰さまで苦手意識を克服し、かなり興味を持てるようになりました。私のような初心者でも入りやすい本をご紹介しておきます。


競技かるたを題材にした漫画『ちはやふる』

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)
末次 由紀

講談社 2008-05-13
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百人一首を競技として行う「競技かるた」の世界を描いた、末次由紀さんの作品です(現在は2011年12月に発売された15巻まで。連載は続いています)。2011年には「講談社漫画賞」を受賞、テレビアニメ化もされ、周りからいい評判ばかりが聞こえてきたため、マンガ喫茶で恐る恐る手に取りましたが、これが本当に面白いんです!自宅に全巻買い揃えようと思っているくらいです(笑)

一般人には馴染みのない競技かるたの世界をテーマにした「スポ根」に近い内容で、絵柄もクセがなく、男性でも読みやすいでしょう。日本一(クイーン)を目指すヒロインの姿もいいですし、その友人たちとの関係も楽しいですね。

百人一首の詳しい内容にまでは触れられませんが、その世界へ興味を持つには最適でしょう。実際にこの漫画の読者を中心に競技かるた人口が増えているようです。読んでおいて損はないですよ!


分かりやすい入門書『マンガでわかる百人一首』

マンガでわかる 百人一首マンガでわかる 百人一首
あんの秀子

池田書店 2010-12-15
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百人一首に興味が湧いて、もっとも読みやすくまとまっているものを探した結果、この『マンガでわかる百人一首』を見つけました。

タイトルに「マンガでわかる」とありますが、漫画やイラスト、テキストを使い分けて、とても分かりやすく百人一首を解説してくれています。何の知識もなかった私ですが、歌の内容はや歌人の背景はもちろん、百人一首の大まかな成り立ちや歴史なども学べて、入門書としては最適でした。

百人一首は、藤原定家によって鎌倉時代に編まれました。収録された歌は、天智天皇、持統天皇の時代から、平安・鎌倉時代の歌人まで含まれ、時代順に百人の歌が並んでいます。私は普段は万葉集の歌を見ていますが、それと比べると後世に作られた歌は、どれもテクニカルで上手いもの、現代人にもより分かりやすいものが増えています。また、これだけ親しまれてきたのは、競技かるたとして遊ばれてきたことも大きな要因でしょう。

●奈良を詠んだ歌
「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山」持統天皇
「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」安倍仲麿
「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり」能因法師
「いにしえの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほひぬるかな」伊勢大輔

●有名歌人の有名な歌
「花の色は『うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に」小野小町
「嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな」西行法師
「ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」紀友則

どれも聞いたことのあるような歌や歌人ですね。それぞれ歌の意味や、歌が詠まれた背景が解説されていくため、とても親しみやすく感じられました。興味がある方は手にとって見てください。


【書評】マンガでわかるシリーズ2冊-02

『マンガでわかる百人一首』から、有名な持統天皇の歌のページ。基本は見開き2ページずつ、イラスト・漫画・テキストなどを使って、歌の意味・背景などを解説していきます。読み手の相関図があったり、とても分かりやすい内容でした

【書評】マンガでわかるシリーズ2冊-03
大伴家持の歌は、こんな漫画で紹介されています。絵のタッチも様々で、かなり凝っています

【書評】マンガでわかるシリーズ2冊-05
巻末には、競技かるたのルールなども紹介されています。最初の何文字目かでどの歌か分かる「決まり字」の早見表があったりして、なかなか楽しく読めました


源氏物語といえば『あさきゆめみし』から

あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫)あさきゆめみし(1) (講談社漫画文庫)
大和 和紀

講談社 2001-07-31
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おそらく「源氏物語」をテーマにしたコミックスでは最も有名なコミックだと思われるのが、大和和紀の名作『あさきゆめみし』です。今でも人気のある作品だけに様々なバージョンが出ていますが、私は奥さんが持っていた講談社漫画文庫(全7巻)を読みました。

紫式部が描いた源氏物語は、平安時代の貴族社会の名うてのプレイボーイ・光源氏を中心とした恋物語、というようなあらすじで紹介される作品で、今なお映画化されたり、日本人にはお馴染みの古典でしょう。しかし、男目線では色恋沙汰ばかりでどうしても退屈で、これまでも何度も途中で挫折してきました。大和和紀さんの絵も、やや古さを感じる少女漫画絵のため、次々と登場するキャラクターの見分けがつかなくなってしまうのも混乱する一因でした。

しかし、今回は特に集中して、人物相関図と往復しながら読み始めてみると、これがとても面白いんですよね。あくまでも宮廷内の恋愛絵巻ですから、戦闘シーンがあるワケではありません。しかし、男女がなかなか顔を合わすこともできず、女房を介して、または御簾ごしに会話をしたり、歌を読み交わしながら心を通じていくところに風情を感じるようになると、その雅な世界観が一気に興味深くなります。さすがは何世紀にもわたって日本人を魅了し続けてきた名作古典ですね。

源氏物語は、男性目線で読んでしまうと、単なる退屈なカサノヴァの話に見えるかもしれません。宇治十帖のくだりなど理不尽だらけに思えてしまいます。しかし、女性側に共感できるようになると、一気に切ない物語になります。男性の方も、身勝手な男性たちに翻弄される女性たちの悲哀を感じながら読んでみてください!


よくまとまってます『マンガでわかる源氏物語』

マンガでわかる源氏物語マンガでわかる源氏物語
砂崎良 上原作和

池田書店 2011-11-15
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源氏物語に興味を持ってから、あれこれと他の入門書などをめくってみたりしましたが、いずれもあまり頭に入って来ませんでした。そして、マンガでわかるシリーズの『百人一首』が面白かったこともあり、同じシリーズの『源氏物語』を読んでいますが、これは分かりやすいです。私くらいの初心者にはちょうどいいですね。

基本パターンは百人一首と一緒です。イラストや漫画を使って源氏物語のストーリーを紹介しながら、作者の紫式部について、その当時の人々の生活についてなどを簡単に解説してくれるため、イメージが掴みやすいですね。源氏物語の世界を楽しむ最初の一歩として最適でしょう。


【書評】マンガでわかるシリーズ2冊-08

「マンガでわかる」のタイトルどおり、各章の頭には短めのマンガがあり、その後にテキストの解説が掲載されるというパターンです。朝顔はこんな絵になっています。萌えるかどうかは人それぞれですね(笑)

【書評】マンガでわかるシリーズ2冊-09
ストーリー、登場人物、相関図などがまとめてあるので、とても分かりやすいです。どの姫さまも同じに見えて困っていたこともありましたが、ちゃんと把握できるようになりました!










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