2011-04-26

全国の40数躯の秘仏を掲載した書籍『日本の秘仏』

全国の40数躯の秘仏を掲載した書籍『日本の秘仏』

読みたかった書籍『日本の秘仏 (コロナ・ブックス)』を図書館から借りて読了しました。簡単にその内容をご紹介しておきます。


「秘仏」の仏さまを分かりやすく紹介

この『日本の秘仏』という本は、2002年に発行された120ページほどの書籍です。関西を中心に、日本全国の「秘仏」と呼ばれる仏さまを40数躯収録しています。



美しい仏像が、厨子の中に秘められている。何カ月、あるいは何十年という長い時間を待って重い扉が開かれるとき、畏敬の感情は最高潮を迎える。風景に守られ、伝承に彩られた日本の秘仏のなかから選りすぐりの四十余躰を旅する。

一年ごと、あるいは数十年に一度、御開帳される秘仏を四十数体選び、各像の由来と魅力を紹介。公開スケジュール、寺へのアクセスマップを掲載する本邦初の秘仏ビジュアルガイド。

Amazon販売ページより


基本的に、仏さまの写真と説明文で各1ページずつの構成で、拝観に必要な情報が掲載されています。ちなみに、巻末には「秘仏とは何か」という充実した読み物があったり、「秘仏Q&A」というコーナーで「日本で最も大きな秘仏は?」「胎内仏と秘仏との関係は?」という情報が掲載されていたりします。

ここから、最も基本的な「秘仏の定義とは?」の説明を引用しておきます。



Q.秘仏の定義とは?
A.通常は厨子(ずし)の扉が閉じられ、そのなかに安置される仏像は拝観が許されない、そのような状態にある仏像をいう。仏の威光は閉じられた扉を通して礼拝者になお十分に届くという考え方によると思われる。秘仏には、絶対に他見を許さない長野善光寺や東大寺二月堂の本尊のような場合と、数十年に一度、一年に一度というように、時期を定めて開扉(開帳)され信者にその尊容が公開されるものとがある。
本書より


通常は秘仏とされている仏さまは、お会いできるだけで大変なことです。また、やや下衆な言い方になりますが、通常は陽の光が当たらないお厨子の中にいらっしゃるだけに、仏像の色彩が美しく遺っているものも多いため、仏像が好きな者にとっては強く魅了されるものなのです。


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コロナブックス編集部

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書評『日本の秘仏』-01

図書館で借りてきた書籍『日本の秘仏』。120ページほどの内容で、紹介されている秘仏の仏さまたちは、全て大きめの画像と説明文が掲載されています。2002年の発行ですが、内容的に古くなるものでもありませんので、手元に置いておきたくなる一冊ですね

書評『日本の秘仏』-02
紹介されている仏さまは、全国の40余躯(選りすぐりの、だそうです)。やはり関西が中心で、奈良からは最大の10躯が掲載されています。意外なところに意外な仏さまが祀られていることが分かったりするのも楽しいところですね

書評『日本の秘仏』-03
掲載順は様々ですが、基本的に写真1ページ・説明1ページの構成です。こちらは、滋賀県甲賀町の「櫟野寺(らくやじ)」さんの十一面観音坐像さま。日本最大の木彫坐像なのだとか。御開帳の予定も掲載されているので、チェックしやすくなっています

書評『日本の秘仏』-04
日本全国で模刻が作られた、有名な「清涼寺式釈迦如来像」の原型となる、京都市右京区「清凉寺」さんの釈迦如来立像。毎月8日に御開帳されています。向かって左ページは、瀬戸内寂聴さんの文章。白洲正子・和辻哲郎・川端康成などの、秘仏に関連する短めの文章も掲載されています


貴重な秘仏とお会いする入門書に

奈良からは、10躯の秘仏が掲載されています。

例えば、奈良市・法華寺の十一面観音立像は、春と秋ごとに御開帳されているため、お会いできるチャンスは多いでしょう。しかし、興福寺・南円堂の不空羂索観音坐像、東大寺・法華堂の執金剛神立像、奈良市・秋篠寺の大元帥明王立像などとなると、年に一日限りの御開帳となるため、地元の仏像ファンでもお会いしたことがない方もいらっしゃるでしょう。

また、奈良だけではなく関西圏全域で考えると、それこそ何年かかってもお目にかかれないような仏さまが多数いらっしゃいます。

この『日本の秘仏』という本は、掲載数が多いというわけではありませんが、見やすく分かりやすいため、貴重な秘仏の仏さまとお会いするファーストステップには最適かもしれません。興味のある方はぜひ探してみてください。


書評『日本の秘仏』-05

奈良の秘仏となっている仏さまたち。興福寺・南円堂の不空羂索観音坐像と、東大寺・法華堂の執金剛神立像。いずれも一年に一日しか御開帳されない、とてもありがたい秘仏です

書評『日本の秘仏』-06
奈良市・五劫院の五劫思惟阿弥陀坐像と、奈良市・伝香寺の地蔵菩薩立像

書評『日本の秘仏』-07
奈良市・秋篠寺の大元帥明王立像と、奈良市・西大寺の愛染明王坐像

書評『日本の秘仏』-08
奈良市・法華寺の十一面観音立像と、斑鳩町・法隆寺の救世観音立像。この他、奈良の仏さまは、大安寺の馬頭観音立像、正暦寺の薬師如来倚像が掲載されていました

書評『日本の秘仏』-09
お隣りの大阪からも、藤井寺市・葛井寺の千手観音坐像を始めとした5躯が掲載されています。このページは、羽曳野市・野中寺の弥勒菩薩半跏思惟像と、藤井寺市・道明寺の十一面観音立像

書評『日本の秘仏』-10
和歌山県那智勝浦町・補陀落山寺(ふだらくさんじ)の千手観音立像と、兵庫県城崎町・温泉寺の十一面観音立像。補陀落山寺のことは知らなかったので、ぜひお参りしてみたいと思いました

書評『日本の秘仏』-11
補陀落山寺さんは、井上靖氏の小説『補陀落渡海記』の舞台になったお寺です。海の彼方にある観音浄土に向かって生きたまま船出する行のこと。このご本尊の前で加持祈祷してから旅だったのだそうです。毎年1月27日・5月17日・7月10日の三日間しか御開帳されないそうですが、いつかお詣りしたいですね


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