平城遷都1300年祭『東院庭園広場』
『平城遷都1300年祭』の初日レポート。無料で入場できる『東院庭園広場』の模様です。「続日本紀」に登場する東院(現代の迎賓館)に当たる場所で、平安時代以降の日本庭園の原型といえる庭園が再現されています。
奈良時代の迎賓館の施設があった場所です
平城宮跡の南東部分にある『東院庭園広場』は、日本庭園の原型といえる庭園を復元したものです。
ここは平城宮の東に張り出した位置にあり、孝謙・称徳天皇に東院と呼ばれるようになりました。ここに「東院玉殿」という建物を建てて宴会や儀式を行う、今の迎賓館の役割を果たしていたそうです。
この場所を調査した結果、東西80m・南北100mの敷地の中央に複雑な形の洲浜敷の池があり、その周囲にはいくつもの建物があったことが確認されました。これを1995年から1998年にかけて復元したものが『東院庭園』となります。
入口部分にある「西建物」には、発掘調査の様子が分かる資料などが展示されています。時間帯によっては、ガイドさんの説明が聞ける「平城宮跡定点ガイド」も開催されていますので、それを聞いてみるのもいいでしょう。
■参考サイト
奈良文化財研究所(東院庭園)
時間を合わせれば、無料の「平城宮跡定点ガイド」(所要時間20分)を聞くことができます。詳しい方の説明を伺うとより理解が深まりますので、ぜひタイミングを合わせてみてください
東院庭園の発掘現場の模型。池や建物は何度か作り直されているため、とても複雑な遺構となっています
東院庭園の遺構を説明する模型。地層は何重にもなっていて、1000年以上前の礎石などは地中深くに埋まっていました
こんな鬼瓦の展示も。「獣面文鬼瓦」といい、東院庭園の中央の建物の鬼瓦のモデルになったものだそうです。このような物や説明パネルが多数展示されています
奈良時代の素朴な庭園を散策できます
実際の東院庭園は、京都の寺院の庭園のような広いものではなく、かなり小じんまりとした印象を受けます。しかし、他ではまず見られない奈良時代の庭園の姿かと思うと、感慨深いですね。池の中央に浮かぶ「中央建物」では、先日放送されたNHKドラマ「大仏開眼」のロケも行われた場所ですので、見覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。
入場料金なども不要ですので、ぜひのんびりと庭園散策をしてみてください。
復元された東院庭園のマップ。平城京の東に張り出した場所にあり、作られた当初は大陸風庭園で、後に日本風庭園に作り替えられたそうです
■関連情報
平城遷都1300年祭ホームページ
平城遷都1300年祭/交通案内
平城遷都1300年祭/施設の利用状況
平城遷都1300年祭/遺構展示館
奈良文化財研究所(東院庭園)