2007-11-20

凛々しい双塔がシンボル『当麻寺(當麻寺)』

当麻寺

奈良県在住の私ですが、現住所から一番近い国宝、それがこの『当麻寺(當麻寺)』です。法隆寺などからも約20kmほど離れていて、観光地としてはややマイナーな存在かもしれません。しかし、これがなかなかいいお寺なんですよ!

私などは、ジョギング途中に立ち寄ることさえあるぐらいですから、当麻寺へはもう何度もお邪魔しています。今回はご朱印をいただきに、そして(まだ少し早かったのですが)紅葉を眺めるために、フラッと出かけてみました。

ちなみに、本堂内などを拝観したり庭園に入場したりすると、拝観料が必要になりますが、今回はちょっとお天気が悪かったですし、仏像さんたちにも何度もお目にかかっていますので、全てパス(笑)。ご朱印の代金だけお渡ししてたっぷりと楽しませていただいています。


「中将姫」伝説が有名な当麻寺

この当麻寺は元々、聖徳太子の弟の麻呂子親王が河内に建立した万法蔵院(まんぽうぞういん)が起源。681年、當麻国見によって、役行者の開山の地へ移転したのが當麻寺なのだそうです。

やはりゆかりが深いのは「中将姫(ちゅうじょうひめ)」の伝説でしょう。



天平時代、藤原家の娘中将姫(ちゅうじょうひめ)は、継母に妬まれ命を狙われ続けますが、あえて恨むことなく、万民の安らぎを願い「写経」や「読経」を続けました。そして1000巻の写経を成し遂げた16才のある日、二上山に沈む夕陽に阿弥陀如来の姿を見た姫は、現世の浄土を求めて都を離れ、観音さまに手を引かれるように當麻寺を訪れます。当時の住職・實雅法印(じつがほういん)に認められ中之坊にて尼僧となり、法如(ほうにょ)という名を授かります。その後、あの日に見た阿弥陀さまのおられる極楽浄土の光景を、五色の蓮の糸によって織り表しました。これが国宝・當麻曼荼羅(たいままんだら)です。その輝きに心を救われた法如は、人々に現世浄土の教え(この世で浄土を観じる教え)を説き続け、29才の春、不思議にもその身のまま極楽浄土へ旅立たれたということです。


このため、当麻寺のご本尊は仏像ではなく、中将姫さまの手による「當麻曼荼羅(国宝)」ですから、珍しいかもしれません。ただし、ここの仏像さんたちは、(罰当たりな言い方ですが)やはりやや地味系なのです。元のご本尊だったという日本最古の塑像「弥勒仏(国宝)」などもありますが、やはりどこか地味・・・。

やはり当麻寺の一番の見どころは、遠めからでもその姿を拝むことができる「双塔(国宝)」でしょう!これは天平時代のもので、2塔揃って現存しているのは全国でここだけなんだそうです。いずれも凛々しい塔なんですが、やはり2塔を同時に視野に収めようと思うと庭園に入らないと難しいですね。

この庭園は東塔を囲む「香藕園(こうぐうえん)」と、西塔を囲む「西南院」があるのですが、いずれも落ち着くお庭です。これもまた京都の寺院のような作りこんだ感じはしないものの、双塔を眺めながらのんびり過ごすには最適な場所ですね。機会があればぜひ入園してみてください。

当麻寺-01
当麻寺(當麻寺)の「仁王門」=「東大門」。素朴な印象のある門ですね

当麻寺-02
当麻寺の「本堂(曼荼羅堂)」。天平-藤原時代の建立で、当然のように国宝です。ご本尊が仏像ではなく、中将姫(ちゅうじょうひめ)ゆかりの「當麻曼荼羅」というのが珍しいですね

当麻寺-03
「講堂(重要文化財)」。鎌倉時代のもので、阿弥陀如来・妙幢菩薩(みょうどうぼさつ)・地蔵菩薩などの重要文化財が

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講堂の向かいにある「金堂(重要文化財)」。元々はここが本堂だったとのことで、日本最古の塑像「弥勒仏(国宝)」などが祀られています。

当麻寺-05
ひっそりとした「梵鐘(国宝)」。白鳳時代の日本最古のものだそうですが、私が知る限り、最も地味な国宝かもしれません(笑)

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当麻寺のシンボル「双塔(国宝)」。天平時代のもので、2塔ともに残っているのは全国唯一。これは「西塔」で、2mぐらいの至近距離まで近づけます

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これは「東塔」。庭園「香藕園(こうぐうえん)」の中にあります

当麻寺-08
仁王門付近からの眺め。正面のポコポコッとした山が二上山。近すぎてイマイチ綺麗な形に見えませんね


さすがに紅葉もなかなか見事!

11月20日にも「当麻寺(當麻寺)」へ行きましたが、まだ少しだけ紅葉のピークには早かったようで、見渡す限りの・・・とまでは行きませんでした。オマケに、お天気が悪くって傘をさして歩いていたぐらいですから、クッキリとクリアな画像になっていないのが残念です。

ここに関しては、ゴールデンウィーク頃の「ぼたん」が有名ですが、それ以外にも色んな花が見事ですので、興味のある方はぜひ!

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紅葉から西塔を眺めた図

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楼門の赤と紅葉の赤がキレイでした

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こちらは赤×黄色のコントラスト

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奥院へ抜ける石段付近

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真っ赤に色づいたモミジ

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紅葉のモミジ。まだ完全な赤にまではなっていませんね

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こちらは見事な黄色のモミジ

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当麻寺のつくばい。モミジが落ちていると絵になりますよね


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■画像の一覧は【Flickr】でどうぞ。



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■当麻寺(當麻寺)

HP: http://www.taimadera.org/
住所: 奈良県葛城市當麻1263
電話: 0745-48-2001
宗派: 高野山真言宗・浄土宗
本尊: 当麻曼荼羅
創建: 7世紀前半ごろ
拝観料: 境内は無料(伽藍:500円、中之坊:500円、西南院:300円、奥院:300円、護念院:300円)
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 有料(「二上山ふるさと公園(無料)」から歩くことも出来ます)
アクセス: 近鉄南大阪線「当麻寺駅」下車、徒歩20分

※「大和七福八宝めぐり」「大和十三佛霊場めぐり」などの中に入っています
※中将姫伝説の関連もあり、「写経」「写仏」の講習を開催しています






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