2014-08-19

現存最古の貴重な大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地

現存最古の貴重な大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地

生駒山の山頂にある『生駒山上遊園地』には、「飛行塔(ひこうとう)」という遊具があります。ワイヤーに吊るされた飛行機型のゴンドラが回転するだけのシンプルなものですが、1929年に製造された、現存する日本最古の大型遊具であり、貴重な近代化遺産なのです。乗っている時の眺めも素晴らしかったですし、被写体としても美しかったです!


1929年製造。80年以上たった今でも現役!

生駒山上遊園地(いこまさんじょうゆうえんち)』(Wikipedia)のシンボルとなっている、高さ40m・直径20mの「飛行塔(ひこうとう)」(料金500円。5才以下は付添いが必要)。

中央の鉄塔の周りを、ワイヤーに吊るされた飛行機型のゴンドラが回転するだけの、とてもシンプルな遊具です。普通に考えれば、観覧車のように展望を楽しむだけの古臭い機械ですが、これは「現存する日本最古の大型遊具」なのです!

生駒山上遊園地の開園は1929年(昭和4年)のこと。この「飛行塔」という遊具は、目玉アトラクションとして、開園と同時に建設され、その当時からほぼそのままの形で稼働し続けているんですから、すごいことだと思いませんか?


大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-01

生駒山上遊園地にある、現存最古の大型遊具『飛行塔(ひこうとう)』。こうして見ると、ただ単に古いだけに見えますが、それが日本最古となると驚きますね!

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-03
塔の高さは40m。ゴンドラは地上30mのところを回転します。とはいえ、決して高速回転したりせず、ゆったりと地上や生駒山の下界の風景を見ながらの空中散歩を楽しめます


貴重な近代化遺産「飛行塔」の歴史とは

1918年(大正7年)に開通した、日本初のケーブルカーである「生駒鋼索鉄道」は、その後大阪電気軌道(現・近畿日本鉄道)と合併し、1929年(昭和4年)に生駒山まで延伸しました。それと同時に、生駒山上遊園地が開園。遊園地の目玉アトラクションとして建設されたのが「飛行塔」です。

設計者は、日本の「大型遊技機械の父」と呼ばれる、土井文化運動機製作所の土井万蔵氏。明治期までは、日本ではもっぱら外国製の遊戯機械が使用されてきましたが、国産化を先駆けとなった方です。海外からの輸入品を研究し、独自の工夫と改良から「土井式飛行塔」を生み出しました。

鉄骨を組み上げた塔屋を軸として、四方に腕木状のアームを張り出し、そこにゴンドラをワイヤーで吊り下げて、腕木そのものを回転させるもので、航空機を模したライド型遊具は海外製品にも多くありましたが、当時はとても斬新な発想でした。

この土井式飛行塔は、1920年(大正9年)に京阪電鉄千里山遊園に、翌年には愛宕山の山上遊園に設置され、各地の博覧会場などでも飛行塔を出品していました。

生駒山上遊園地の飛行塔は、彼にとって16基目の飛行塔です。他の作品と違い、鉄骨の塔屋が展望台になっています。塔屋の中央部にあるエレベーターがオモリとなり、それを上下することで4つのゴンドラを昇降させています。

当時はゴンドラとエレベーターを交互に昇降させ、乗車する人と展望台へ上る人が順番に入れ替わるようになっていたのです(現在は展望台は使用されていません)。

戦前に作られたこうした鋼鉄製の大型遊具は、戦時中に供出され、ほとんど現存していません。生駒山上遊園地の飛行塔は、現存する最古の大型遊具となります。

戦時中の生駒山山頂は、海軍航空隊が配備されていました。近隣の天文台・気象観測所に併設して、航空無線実験場・航空図書館なども整備された軍事教練場でした。飛行塔は360度の展望が可能だったため、防空監視所としてそのまま活用されたため、貴重な近代化遺産として今に残ったのです。


大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-02

「土井式飛行塔」と呼ばれた形式で作られたもの。ゴンドラの上の腕木状のアームを回転させる点が特徴だったそうです

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-04
白と青に塗り分けられた鉄骨も雰囲気ありますね!


今でも動きはなめらか。眺めも最高です!

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-05
飛行機の形のゴンドラも、製造当時のままのようです。2枚の羽が上下についた復翼の「複葉機」という形は、現在では廃れてしまっているとか

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-07
最初は地上からフワリと持ち上がります。塔屋の根本の部分が見えましたが、この扉の奥に、展望スペースへ通づるエレベーターがあるんでしょう

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-08
空中をゆっくりと旋回します。動きは滑らかで、乗っていて古びた感じはまったくありません。標高642mの生駒山の山頂の、さらに地上30mからの眺めですから、景色はバツグン。生駒山山頂の鉄塔や、園内のアトラクション、大阪や京都の町並みがくるくると回ります。怖くないとは言いませんが、かなり楽しかったです!

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-09
空中散歩を楽しめる「ぷかぷかパンダ」のレールと、その向こうには奈良・京都の町並みが

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大阪平野が一望できます!写真ではよく分かりませんが、回転中でもキラキラと大阪湾が光るのが見えたりしました

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1929年に作られた古い鉄製の塔と、生駒山の山頂にそびえる現代の電波塔

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-12
間近から飛行塔の塔屋を見上げたところ。最上部が展望スペースらしきものになっているのが分かります。製造80年以上たった今でも乗って遊べるんですから、すごいですよね

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-21
参考にさせていただいた『奈良県の近代化遺産─奈良県近代化遺産総合調査報告書─』(平成26年3月 奈良県教育委員会)より、「鉄骨塔屋内のエレベーターシャフト」の写真。内部はこんな構造になっています


夕暮れの飛行塔。もの寂しくていいですね!

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-13
夕暮れの飛行塔。遊具自体からレトロ感が漂ってくるため、日暮れの寂しい感じとよく似合っています

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-14

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-15

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-16


ナイター営業中の飛行塔。人気です!

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-17
生駒山上遊園地では、7月後半~8月中、9月の土日祝には、ナイター営業も行っています。生駒山から眺める夜景は素晴らしいですから、飛行塔にもこんな行列ができていました!

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-18

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-19

大型遊具『飛行塔』@生駒山上遊園地-20



■生駒山上遊園地

HP: http://www.ikomasanjou.com/
Twitter: @ikomasanjou

住所: 奈良県生駒市菜畑町2312-1
電話: 0743-74-2173
定休日: 木曜日
営業時間: 10:00 - 17:00(シーズンによって変動あり)
料金: 入園料無料、おとなパス 3,200円(中学生以上)、こどもパス 3,000円(小学生)、幼児パス 2,500円(2才~幼稚園児)など。アトラクション個別でも乗れます
駐車場: 有料(普通車 1,200円)
アクセス: 生駒ケーブル「生駒山上」下車すぐ

※ナイター営業は、7月後半~8月中(21時まで)、9月の土日祝(20時まで)
※12月~3月上旬は冬季休園に


■参考にさせていただきました

生駒山上遊園地 - Wikipedia
信貴生駒スカイライン|近鉄ホームページ
生駒山上遊園地の飛行塔は84歳!(産経新聞「なら再発見」第65回) - tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」
これがいこまの飛行塔だ!

参考文献: 『奈良県の近代化遺産─奈良県近代化遺産総合調査報告書─』(平成26年3月 奈良県教育委員会)


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