2013-07-15

率川の舟型中洲の石仏さまたち『率川地蔵尊』@猿沢池

率川の舟型中洲の石仏さまたち『率川地蔵尊』@猿沢池

猿沢池のすぐ脇を流れる「率川」。その橋の下の川の中州に、不思議な舟型の台座に何体もの石仏が集められた『率川地蔵尊』が祀られています(または「尾花谷地蔵尊」など)幕末のころの河川工事の際に見つかったもので、とても不思議で、どこか奈良らしい風情を感じさせる光景です。ぜひ注目してみてください!


猿沢池のすぐ南。石橋から覗いてください

奈良公園にある、周囲300メートルほどの小さな池「猿沢池」(Wikipedia)。興福寺の放生池として作られた人工池で、奈良の名所を数えた南都八景の一つに「猿沢池の月」が挙げられるほど、誰からも親しまれてきました。

そんな猿沢池の南側に、細い川「率川(いさがわ)」(または「菩提川」)が流れています。飛火野から流れ出ており、現在ではほとんどの部分が地下に埋められた暗渠(あんきょ)となって佐保川に流入します。

その率川の、猿沢池のすぐ南側部分に目をやると、不思議な舟型の台座に何体かの石仏が集められた一角があります。これは『率川地蔵尊』(または「尾花谷地蔵尊」「舟地蔵」とも)と呼ばれるもの。幕末のころ、この辺りの河川工事をした際に、埋もれていた約40体の石仏が見つかり、ここに集められて祀られるようになったのだそうです。

なかなかこんな小さな川を覗きこんだりしないため、観光でいらっしゃった方は気づかないことも多いと思いますが、とても不思議で、どこか奈良らしい風情を感じさせる光景ですから、ぜひ注目してみてください!


率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-01

愛すべき小さな池「猿沢池」。猿沢池の七不思議として、「澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分」と言われるほど、静かで穏やかな池です。たくさんの亀がいるので。小さなお子さんからも大人気ですね

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-02
猿沢池の南側(ならまち側、元興寺方面)に、小さな石橋がありますので、そこから下を覗きこんでみてください(背後に建っているのは、廃業して取り壊されてしまった「魚佐旅館」さん)

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-04
こんな不思議な石仏群があります。これが『率川地蔵尊』です。ちゃんとお賽銭箱もついています

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-05
ここに祀られているお地蔵さまは、この辺りの工事中に出てきたもの。さまざまな形のものが見られます。率川は小さな川ですが、その中州にこんなものがあるなんて不思議なものですね。水量が増して水没したりしないんでしょうか?

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-06
別角度から。赤い前掛けは地元の今御門の自治会の方々が中心となって作っているとか。毎年8月にはここで燈籠流しが行われるそうです

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-07
すぐ近くに川べりに降りられる石段があります

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-08
橋脚には「明和七庚寅年五月吉日」と刻まれたものがあります。これは西暦1770年のこと。江戸時代の中期に作られたものなんでしょう。歴史を感じますね

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-09
川の上流側を見ると、しばらく川べりを歩けるようになっています

率川地蔵尊@猿沢池(奈良公園)-10
橋の逆側。風情がありますね。この少し先からまた地中を流れる暗渠となります



より大きな地図で 率川地蔵尊 を表示


■率川地蔵尊(いさがわじぞうそん)

所在地: 奈良県奈良市今御門町

※写真を撮影したのは「2013年4月14日」です。


■参考にさせていただきました

率川地蔵尊 燈籠流し : 奈良の風景と無形民俗文化財
率川地蔵尊 | 大和路コスモスの悠々日記 
jp3pzd's photo diary:暗渠の率川を追いかける - livedoor Blog(ブログ)






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