ミシュラン星付きの蕎麦『蕎麦・菜食 一如庵』@宇陀市
宇陀市榛原の『蕎麦・菜食 一如庵(いちにょあん)』さんへお邪魔してきました。お蕎麦がメインですが、精進料理をベースとした一品もいただけます。山間の築150年の古民家を改装した店舗でいただくお料理は、上品で上質。さすがはミシュランガイドで1つ星を獲得しているだけはありますね。
山間の静かな古民家で美味しいお蕎麦を
宇陀市榛原にある、蕎麦と精進料理がいただける『蕎麦・菜食 一如庵』さん。山深くアクセスが良くない土地で営業する店舗ながら、「ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2013」でも1つ星を獲得した、話題のお店です。
お店の場所は、近鉄の榛原駅から車で10分ほど。伊勢方面へ抜ける369号線の右手にあります。築150年の小さな古民家を改良した店舗で、看板も控えめサイズであまり目立たないので注意が必要でしょう。近くに「山根製材」さんがありますので、それを目印にするといいかもしれません。
昔ながらの民家の雰囲気が感じられる建物で、入口の辺りに炭が積んであったり、すりガラスの引き戸だったりと、田舎へ里帰りしたかのような懐かしさです。玄関の土間部分から靴を脱いで上がると、囲炉裏がある日本家屋らしい広間が広がっています。
一如庵さんの店主・桶谷さんについては、ダイヤモンド・オンラインの「奈良・宇陀市「蕎麦 一如庵」―幕末の古民家で堪能する精進料理と蕎麦の輝き」この記事に詳しいですので、ぜひご覧ください。店主は以前はストリートミュージシャンで、神道の自然観を学ぶために日本全国の神社を巡る旅をしていた方なのだとか。
この記事によると、店主が高校生の時まで実際に生活していた建物を、外装・内装・駐車場・庭など、ご夫婦でリノベーションしたのだそうです。佇まいが素晴らしいですね。
宇陀市榛原にある『蕎麦・菜食 一如庵』さん。幕末頃に建てられた、築150年の古民家を改装しています。369号線沿いにありますが、目立つ看板などはありませんので、通り過ぎないようにご注意ください
門をくぐったところ。玄関のすりガラスや、ガラス越しに見える灯りが暖かですね
店内の様子。全部で20席ほどで、広々とした座敷をゆったりと使っています。上がってすぐには、囲炉裏で使っていたであろう自在鉤が吊るしてあったり、床の間には竹のオブジェがあったり、細部まで凝ってますね
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囲炉裏の席も!火は入っていないようでしたが、使用することもあるんでしょうか?
縁側の部分には、お庭に面した差し向かいの席が2つ設けられていました。冬の窓際席は寒くなりがちですが、座椅子の下にホットカーペットのようなものが仕込んであってポカポカでした。小さな気配りがいいですね。接客もとても丁寧でしたしさすがはミシュランガイドで星を獲得するお店だけあると思います
人気店だけに「要事前予約」です
一如庵さんのメニューは、蕎麦単品は「もり(十割)(@1,000円)」「辛味おろし(@1,200円)」「手挽き(@1,100円)」。そして冬季のみの「かけ(@1,000円)」とあります。
また、精進料理のコース仕立てになっている「一の膳(@1,800円)」(菜食・もり・玄米ご飯。要事前予約)と、「二の膳(@3,800円)」(菜食数品・そば2種・玄米ご飯・デザート。要前日予約)の2種類。一の膳は当日予約もできますが、昼の二の膳と夜の部(夜の膳のみ)は前日までに予約が必要となるようですのでお気をつけください。
なお、この日は月曜日でしたが、お昼をいただくため当日の午前10時過ぎに予約の電話を入れたところ、すでにほぼ満席に近かったようです。お昼の営業時間は「11:30~14:30」ですが、13時半からなら席は確保できるとのことでした。さすがは人気店ですね。
予約の電話を入れる際には大まかな注文内容も聞かれますので(お店側で蕎麦をどれだけ用意すればいいのかを把握するためです)、事前に考えておいて、お店の方に相談しながら決めるといいでしょう。
一如庵さんのメニューは、蕎麦単品は「もり(十割)(@1,000円)」「辛味おろし(@1,200円)」「手挽き(@1,100円)」など。要予約の「一の膳(@1,800円)」「二の膳(@3,800円)」がオススメです
精進料理とお蕎麦。全てが上品で上質でした
この日、私たちは精進料理をコース仕立てで味わえる「一の膳(@1,800円)」をいただきました。野菜料理二品とお蕎麦、そして玄米ご飯というコースで、どれも本当に上質な味わいですね。
お蕎麦は、奥さんが「もりそば」を、私が「手挽きそば」をいただきましたが、どちらもさすがのお味です。決して蕎麦の風味がドーンと強く香るのではなく、喉の奥からふんわりと立ち上ってくるようなイメージです。蕎麦つゆもすっきりとシンプルで、どれもこれも本当に上質でした。
素敵な古民家でこんなに美味しいお料理をのんびりといただくなんて、ちょっとした贅沢だと思います。ただし、全体的に量は少なめです。私たちはもうそれほど量を食べなくなりましたが、それでもこれだけではお腹いっぱいにはなりませんでした。お蕎麦が食べたい方は、予約の段階で追加注文しておくといいかもしれませんね。
食べ足りない感は残りましたが、このお値段でこのお味なら文句のつけようがありません。本当に美味しかったです。ご馳走さまでした!
この日、私たちは精進料理をコース仕立てで味わえる「一の膳(@1,800円)」をいただきました。まずは軽い揚げ菓子とお茶。いちいち書きませんが、器類もどれも素晴らしいものを使用なさっています
「菜食」を掲げるお店だけに、端正な野菜料理からスタートします。炊いた大根の上に、宇陀で取れたヒラタケや赤かぶ、さらに真菜と柿(!)が乗っています!泡だてた豆乳で全体をまろやかに、色づいたモミジを添えて目にも優しいですね。上品で美味しいんです!
お次は、真っ白い器に盛られた可愛らしい三品が。奥は、春菊とむかごの白和えと黒ごまのペースト。真ん中は、結崎ねぶかのぬたに揚げたお芋が乗ったもの。手前は、小さなおにぎりに二十日大根を乗せたもの。ほんの少しずつですが、それぞれ上質なお味でした
いよいよお蕎麦です。それぞれ「もりそば」と「手挽きそば」をいただきました。これは奥さんが食べた「もり(十割)」。自家製粉の手打ちそばです。シンプルですっきりとした蕎麦つゆ、少量でしっかり働く山葵、そして上等な蕎麦。どれも完璧ですね
一如庵さんの「もり(十割)」のアップ。喉越しがバツグンで、風味は穏やかながらもしっかりと鼻に抜けてきます。いくらでも腹に収まりそうですが、全体的に量が少なめなので、単品を追加注文しておくといいかもしれません
私がいただいた「手挽き」。まずは蕎麦に直接塩を振ってお召し上がりください、とのこと。その後、蕎麦つゆに適度な刺激の辛味大根をといていただきます。田舎そば風のルックスですが、決して香りが強いばかりではなく、上品ですね。塩でいただくとその良さがより引き立つようでした
「手挽き」のアップ。挽きぐるみのような色合いですが、香りがドーンと抜けるようなものではなく、後から上品に、そしてしっかりと感じられます。本当に美味しいお蕎麦でした!
お蕎麦の後は、蕎麦湯とともに、小さめの器に盛られたご飯物が出てきました。これは4日間発酵させた「酵素玄米」というものだとか。お漬物も蕎麦湯も、どれもとても優しい味わいでした
セットにプラス500円で注文した、5種類の薬草茶ときんとん。その手前のものは胡麻をまぶしたせんべい。ちょっとしたお値段ですが、その価値はありますね。大したお味でした!
■蕎麦・菜食 一如庵(いちにょあん)
HP: 参考サイト(食べログ)
住所: 奈良県宇陀市榛原自明1362
電話: 0745-82-0053
定休日: 第1・3月曜日、火曜日
営業時間: 11:30-14:30 17:00-20:00(夜は前日予約)
駐車場: あり
アクセス: 近鉄大阪線「榛原駅」から車で10分ほど
■参考にさせていただきました
奈良・宇陀市「蕎麦 一如庵」――幕末の古民家で堪能する精進料理と蕎麦の輝き|手打ち蕎麦屋のオーラを味わう|ダイヤモンド・オンライン
蕎麦はやっぱり手打ち - ならリビング.com
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