
樹齢800年!1m強の見事なフジ『砂ずりの藤』@春日大社
世界遺産『春日大社』にある、樹齢800年という有名な藤「砂ずりの藤」を見てきました。天候不順に例年より長さは短めだったようですが、藤原家ゆかりの神社で見る藤の花は、感慨深いものがありますね。
藤がシンボルの春日大社の長寿の藤
古くから藤原氏の氏神として栄えた神社だけに、藤の花は重要視されてきました。社紋も藤をかたどった「下り藤」となっています。
そんな縁もあり、春日大社の境内のいたるところで藤の花が見られますが、その中でも最も有名なのは、本殿を取り囲む回廊内の「慶賀門」前にある『砂ずりの藤』でしょう。
砂ずりの藤花の穂が地面の砂にすれるほど長いところからこの名がある。樹齢八百年ともいわれ、鎌倉時代後期(千三百九)に描かれた絵巻物「春日権現記」にもここにフジがあったことが記されている。
春日大社では、神紋にもフジの紋様を用い、奈良朝以来境内のフジは大切にされている。
棚作りになっていて、5月初旬頃の見頃になると、花房が1m以上も延びて地面につきそうになることから、このような名前で呼ばれています。種類としては「ノダフジ」の変種となり、摂関近衛家から献木されたと伝わる樹齢800年といわれる藤です。
藤原氏の氏神として栄えた「春日大社」。本殿を「回廊(重文)」が取り囲んでいますが、それをくぐった左手に、樹齢800年といわれる『砂ずりの藤』があります。砂ずりの藤は無料で見学できますので、この日はたくさんの参拝客が押し寄せていました
春日大社の『砂ずりの藤』。時期的にはほぼピークだったはずですが、2011年は春先の気温が低すぎたため(または、昨年の猛暑のため)、長さ1m程度と、砂ずりというほどは伸びていませんでした。桜などの春の花は、ほぼ全て開花時期が遅れていたようです
砂ずりの藤の説明文。1309年の「春日権現記」にも記されている、樹齢800年といわれる藤であることが記されています。あまりの長寿ぶりに驚いてしまいますね
裏手の「慶賀門」側から見たところ。日当たりが良くないので、こちらはまだ満開手前でした。これだけの古木になると、さすがに藤棚も立派ですね
砂ずりの藤と春日大社南門。淡い紫色が繊細で美しく、ほのかに甘い香りが漂っていました
東回廊脇には野趣あふれるヤマフジが
また、この時期には、東回廊脇の山すそに自生している「ヤマフジ」も満開になっており、野趣あふれる姿が見られました。
無料で参拝できる部分からでも美しい姿が見られますが、「特別拝観料500円」を支払うと、本殿前まで行ってお詣りできるだけではなく、東回廊の外側に出てヤマフジを間近で見られるようになっています。料金がかかるため、素通りしてしまう方も多いようですが、ぜひ入場してみてください。
この時期は、東回廊脇の山すそに自生しているヤマフジも満開です。特別拝観料500円を支払うと、東回廊の外側に出られ、ヤマフジを目の前に見られるようになっています
春日大社の回廊脇のヤマフジ。遠目にも鮮やかに見えましたので、大きいカメラをお持ちの方であればいい被写体になったでしょう
ヤマフジが手に触れられる距離まで近づけます。本殿近くの色んな建物も見られますので、この季節は特に特別拝観がお勧めです
20品種の藤が植えられた神苑「萬葉植物園」も
また、この日は時間がなくて立ち寄れませんでしたが、参道にある、春日大社神苑『萬葉植物園』にも、20品種・約200本の藤が植えられた「藤の園」があります。この日は「早咲き満開、中咲き開花」という状況だったようです。お時間がある方はどうぞ。
参道にある、春日大社神苑『萬葉植物園』。この日は時間がなくて立ち寄れませんでしたが20品種・約200本の藤が植えられた「藤の園」があります。この日は「早咲き満開、中咲き開花」という状況でした
今年の藤は、昨年の猛暑のため開花量は少なめなのだとか。「藤は、毎年5月の開花終了直後の7月頃に来年の花芽を付けますが、昨年はその後の8月・9月の猛暑害に耐えられず、花芽を失ったように考えられます」とありました。異常気象は色んな影響を与えています
■春日大社
HP: http://www.kasugataisha.or.jp/
住所: 奈良県奈良市春日野町160
電話: 0742-22-7788
主祭神: 武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神
創建: 768年
開門時間: 9:00 - 17:00(宝物殿・神苑)
入場料: 宝物殿 400円、萬葉植物園 500円 など
駐車場: 有料駐車場あり
アクセス: 近鉄奈良線「奈良駅」から徒歩約25分。または、奈良交通バス「春日大社本殿行」で10~15分
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