2008-01-20

聖徳太子の生誕のお寺『橘寺』

橘寺

天気予報では日本全国に雪ダルマ印がつけられるような寒い日曜日でしたが、午後からヒマになったので、何となくまた近場のお寺へ行ってみることに。今回は、何度もその前の道を素通りしていて、まだ一度も行ったことが無かった『橘寺』へお邪魔することにしました。


さすがに聖徳太子関連は充実

この橘寺は、言わずと知れた「聖徳太子」縁のお寺です。太子が建立した7寺の一つとされるだけではなく、「聖徳太子の生誕の地」(欽明天皇の別宮があった)という、太子信仰の中心地とも言えるようなお寺です。

この辺りのお寺は「昔は法隆寺を凌ぐ規模だったが・・・」的な但し書きがつくところがありますが、橘寺もその一つ。ご近所の「飛鳥寺」も同様なんですが、アチラには「飛鳥大仏」という仏像界の大スターがいらっしゃいますので、奈良に移ってきてからすぐに行ったのですが、橘寺は後回しにしてました。

もう一つ、ココに興味が持てなかった理由としては、個人的な好みの問題なのですが、「各お寺に残されている聖徳太子像にあまり興味が持てないこと」というのもあります。語弊がある言い方になるかもしれませんが、仏像を愛でる人間としては、どの像もそれほど面白味が感じられないんですよね。あくまでも人間としての太子様として作られていますので、超常的なエッセンスが少ないと感じてしまうのが原因なのかもしれません。

初めて行った橘寺の感想としては・・・「思ったよりも大きい!」「ご本尊の如意輪観音坐像がイイ!」でした!

橘寺-太子殿
「聖徳太子の生誕の地」とされているだけあって、「太子殿」には2体の聖徳太子像が祀られています。お菓子の神様「田道間守(たじまもり)」像もコチラ

橘寺-愛馬の像
太子殿の前にある馬の像は、聖徳太子の愛馬「黒の駒」だそうです。この馬が何故か「達磨大師」の化身とされているのだとか・・・。馬の像まで残されるなんて三国志の武将みたいですね(笑)


聖徳太子像は・・・それほど・・・

橘寺では、聖徳太子像は3体拝見できましたが、やはりそれほど面白がったり驚いたりするものではありません。平成に入ってから再建された「往生院」にも1体の聖徳太子像が祀られているのですが、ルックスがなかなかワイルドです。そのエピソードが涙モノで、(仏像的な価値はともかくとして)かなり面白かったですね。

往生院の中に飾ってあった新聞記事によると、この太子像は昭和42年に村の老人会が寄贈。しかし、落ち着き先が決まらず、市役所→神社→福祉センターなどを渡り歩いてきた、流浪の仏様だったようです。何とも切ない運命を背負った太子像なんですよね。往生院の天井画も見事ですので、ぜひ橘寺に行った際にはここに立ち寄ることもお忘れなく!

橘寺-天井画
往生院の天井画その1。現在、著名な画家さんの作品が260点奉納されているそうです。確かに見事でした!

橘寺-個性的な太子像
往生院に祀られている太子像。なかなか独特の風貌で、個人的には、古~いドリフのコントに出てきた「ジャンボマックス」を連想してしまいました(笑)


「田道間守(たじまもり)」って知ってますか?

そして、私はその名前すら全く知らなかったのですが、「田道間守(たじまもり)」という方が祀られていました。この日は相方の母と一緒に参拝したのですが、この田道間守さんは、学校の愛唱歌として歌われたほどの方なんだとか!

日本書紀のよると、11代垂仁天皇の時、勅命を受けてトコヨの国(中国雲南省か)へ不老長寿の薬を求めに行った田道間守が、10年の長い間苦労してようやく秘薬を捜し求め、持ち帰ったところ、天皇は既にお亡くなりになっていた。このとき彼が持ち帰ったものを「トキジクノカグノコノミ」といい、この実を当地に蒔くとやがて芽を出したのが橘(ミカンの原種)で、それからこの地を橘と呼ぶようになったと伝えられている。また彼は、黒砂糖をも持ち帰り橘と共に薬として用いたので、後に蜜柑・薬・菓子の祖神として崇め祭られるようになった。菓子屋に橘屋の屋号が多く用いられるのは、この縁によるものである。

橘寺パンフレットより

どこかで聞いたことがあるような話なんですが・・・、全く思い出せません!


飛鳥らしい石造物も豊富

また、明日香のお寺らしく、ここも様々な石造物が残されています。飛鳥村の「石舞台古墳」や「亀石」などにロマンが感じられる方には、とても面白いものだと思います。

・二面石・・・・・・飛鳥時代の石造物で、「善人の相」と「悪人の相」があり、人の心の2面性を表す。
・三光石・・・・・・「聖徳太子さまが勝鬘経(しょうまんきょう)を読んだときに、日・月・星の光を放った」という言い伝えがある

橘寺-二面石
境内に残された「二面石」。飛鳥時代の石造物で、人の心の2面性を表すのだそうです。コチラが善人の相で、裏面が悪人の相。明日香にはこの手の石造文化が数多く残っていますね


ご本尊「如意輪観音坐像」は必見!

しかし、個人的に一番心が動かされたのは、ご本尊の「如意輪観音坐像(藤原時代:重文)」でした(橘寺は「聖徳太子勝鬘経講讃像」とのダブルご本尊体制を敷いているようです)。6本の手を持つ如意輪観音様なんですが、とても肉感的で美しいんですよね。お寺の方のお話では、NHKの「私の好きな仏像」の中に選ばれていたということですから、やはり私と同様にこの像に魅せられた方も多いのでしょう。

ただし、この日は拝観時間終了のギリギリに観音堂を回ったため、ご住職が入り口を閉める直前でした。お願いして少し上がらせていただいたのですが、さすがにゆっくりと眺めているワケにもいかず、ちょっと心残りです・・・。

絵葉書などを見ている時間もありませんでしたし、橘寺には正式なホームページもありませんので、その画像を見ることは出来ません。仏像好きな方であれば、この仏様を見に行くだけでも十分に価値があるでしょう。

聖徳太子ファン以外の方も、ぜひ一度行ってみてください。決して「見どころが満載!」というタイプのお寺ではありませんが、それなりに楽しめると思います。

橘寺-観音堂
観音堂の外から、わずかに見える如意輪観音坐像。堂内は撮影不可ですし、ネット上にもほとんど画像がありませんが、これは見る価値のある仏様だと思います!肉感的で素晴しかったですね

橘寺-凛々しい狛犬
この狛犬がなかなか凛々しくてカッコいいんですよ!台座の梵字も含めて、景色の中にしっかりと馴染みながら、存在感を見せてくれてました

橘寺-ご朱印
橘寺のご朱印です。書には詳しいワケじゃありませんが、単純にとてもカッコイイです!これまでのベストかも?


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■画像の一覧は【Flickr】でどうぞ。



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■橘寺(仏頭山上宮皇院、または菩提寺)

HP: なし
住所: 奈良県高市郡明日香村橘532
電話: 0744-54-2026
宗派: 天台宗
本尊: 如意輪観音坐像(藤原時代:重文)・聖徳太子勝鬘経講讃像(室町時代:重文)
創建: 7世紀前半
開基: 聖徳太子(伝)
拝観料: 350円
拝観時間: 9:00 - 16:30
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: 近鉄「橿原神宮駅」より、 岡寺前行バス「岡橋本」下車、徒歩5分

※「新西国三十三箇所観音霊場」の第10番
※公式ホームページなどはありませんが、「橘寺|春日野奈良観光」「聖徳太子ゆかりの宮跡/寺院/古墳/史跡」などが詳しいです










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