2010-12-17

大正時代の工場がカフェに『工場跡事務室』@奈良市内

大正時代の工場がカフェに『工場跡事務室』@奈良市内

東大寺・戒壇院の裏手にある、大正時代に作られた古い乳酸菌飲料の工場をリノベーションして作られたカフェ『工場跡事務室』。前々から行きたいと思っていたお店ですが、素晴らしい雰囲気でした。東大寺のすぐ近くにこんな素敵なお店があるなんて驚きですね!


昭和50年代まで乳酸菌飲料の工場でした

東大寺・戒壇院の裏手に、ひっそりと「工場跡」という施設があります。

ここはその名のとおり、大正14年(1925年)に奈良の宮大工によって建てられた工場で、昭和50年代まで「フトルミン」という乳酸菌飲料を作っていたのだとか。20年以上も廃工場としてそのまま眠っていましたが、現在はオーガニック衣料・雑貨販売の「NATIVE WORKS.」さんと、2009年11月にオープンした『工場跡事務室』というカフェが営業しています。

東大寺のすぐ近くとはいえ、もともと人の通りが少ない場所ですし、外観からは古びた木造の建物にしか見えないため、これまで全くその存在を知りませんでした。ぜひ一度伺いたいと思っていたのですが、カフェの営業日も「金土日祝のみ」と少ないため、なかなか日程が合わず、この日ようやくお邪魔することができました。


工場跡事務室@奈良市-01

東大寺・戒壇院の裏手にある「工場跡」。昭和50年代まで乳酸菌飲料を作っていた工場があった場所です。現在は手前(西側)が、オーガニック衣料・雑貨販売の「NATIVE WORKS.」さんが営業し、奥側の建物は『工場跡事務室』というカフェとして営業しています

工場跡事務室@奈良市-03
営業時間の案内。営業日は「金土日祝のみ」なのでご注意ください

工場跡事務室@奈良市-05

工場跡事務室@奈良市-06


宮大工が建てた、探検したくなる建物

『工場跡事務室』は、どこか古い学校の校舎のような雰囲気です。喫茶スペースからさらに奥に伸びているのですが、立ち入ると危険とのことで、残念ながら全てを拝見することはできません。

しかし、検索してみると、工場跡がリノベーションされる前に、ここからすぐ近くで営業なさっている「奈良倶楽部」さんや、奈良の古本屋「奈智林堂書店」さんなどが、この建物内を特別に探検していらっしゃいました。レトロな雰囲気が十分に伝わると思います。


奈良倶楽部通信: フトルミン工場跡見学会
奈良 智林堂書店   : 楽しいお出かけ その2 フトルミン編
宮崎駿さん! 取材に行ったほうがいいですよ!: 奈良の町家の片隅で


工場跡事務室@奈良市-02

『工場跡事務室』の入口部分。大正14年(1925年)に奈良の宮大工によって建てられたもので、昔の学校のような、とてもレトロな建物がいいですね!奥側の建物は危険があるため立ち入り禁止となっていたのが残念。いつか立ち入ってみたいですね


工場の備品がさりげなく置かれています

『工場跡事務室』の店内は和室になっていて、和テーブルが4卓のみ。思っていたよりも狭めでしたが、とても素敵な空間でした。

決して他の古民家カフェのようにあれこれ飾り立てるわけではなく、工場から出てきた備品をさりげなく配置していて、とても落ち着いた雰囲気になっていました。入り口すぐのところには、太りそうな名前の乳酸菌飲料「フトルミン」グッズなども置いてあり、見ているだけでも楽しいんですよね。

また、個人的には、入り口すぐに飾ってあった、昭和初期のものと思われる「奈良観光市街地図」が楽しかったですね!古い奈良市内を切り取った写真地図で、どれだけ見ていても飽きません。奈良好きな方は、他のお客さんの邪魔にならないようにじっくりと見てみてください!

また、それほど大きくはありませんが書籍スペースもあり、素敵な奈良本などが並んでいました。思わず長居したくなると思いますのでご注意ください(笑)


工場跡事務室@奈良市-07

『工場跡事務室』に入って玄関先を見たところ(靴を抜いであがります)。古い工場というよりも、古い学校のような雰囲気がありますね。元は乳酸菌飲料「フトルミン」の工場で、その当時に使用していた品々を上手くインテリアとして取り入れています。雰囲気が独特でかっこいいんです!

工場跡事務室@奈良市-08

工場跡事務室@奈良市-09

工場跡事務室@奈良市-10

工場跡事務室@奈良市-11
『工場跡事務室』は畳敷の和室で、4卓の和テーブルが置かれています。そこらに飾られている調度品も、決してやり過ぎず、落ち着いています。大好きな東大寺・戒壇院のすぐ近くにこんなところがあるなんて嬉しいですね。ゆったりと落ち着きました

工場跡事務室@奈良市-12
天井も照明も渋いですね。近代を感じさせてくれます。また、よく写った写真が無くて申し訳ありませんが、この画像の正面に飾ってあるのが、昭和の早い時期に作られた「奈良観光市街地図」です。昔配布されたものが工場の隅に残っていたという貴重なもので、奈良市の職員の方も見に来たほどだとか。ずっと飽きずに見続けたいほどの面白さですので、ぜひ注目してみてください!

工場跡事務室@奈良市-13

工場跡事務室@奈良市-14

工場跡事務室@奈良市-15

工場跡事務室@奈良市-16

工場跡事務室@奈良市-20
喫茶スペースに隣接したトイレの前には、こんな部屋もありました。立てこんできたらここでもお茶をいただけるのかもしれません。また、トイレは広々してとってもきれいですが、トイレットペーパーではなく、懐かしいチリ紙を使ってあったのも面白かったです。隅から隅まで楽しいですね!

工場跡事務室@奈良市-21


長居したくなる落ち着いたカフェ

この日は、珈琲と紅茶(ともに500円)と、「デザートのお楽しみ皿(@450円。ドリンクとセットでここから50円引き)」をいただきましたが、とても美味しかったですね。

また、メニューに焼き菓子付きの「ホットワイン(@750円)」があるのもいいですし、Twitterなどでは何名もの方から「コロッケパン(@450円)」が美味しいと聞きました。この日は忘年会前だったため、残念ながらいただけませんでしたが、機会があったらぜひ!


工場跡事務室@奈良市-04

店前に貼ってあったメニュー案内。珈琲が500円、和菓子付きのほうじ茶が600円など。焼き菓子付きの「ホットワイン(@750円)」というメニューも面白いですね。また、この日はこの後に忘年会が控えていたため食べられませんでしたが、何名ものファンの方から「コロッケパン(@450円)」を勧められました。ぜひお試しあれ!

工場跡事務室@奈良市-17
『工場跡事務室』のメニューの一部。その歴史の紹介とともに、「工場跡事務室からの収益の一部は建物の修復ならびに維持保存に役立てたいと考えております」という記載も見られました

工場跡事務室@奈良市-18
この日、私たちは珈琲と紅茶(ともに500円)」と、「デザートのお楽しみ皿(@450円。ドリンクとセットでここから50円引き)」をいただきました。珈琲のお代わりは350円になるなど、思わず長居したくなる仕掛けもありました

工場跡事務室@奈良市-19
「デザートのお楽しみ皿(@450円)」。こぶりな洋菓子が3品盛られたプレートですが、どれも美味しかったです!コーヒー紅茶のお供に最適でした


ギャラリーとしても活動しています

「工場跡」では、定期的にギャラリーとしての活動もなさっているようですし、いつかはゲストハウスをオープンさせるという計画もあるそうです。とにかく雰囲気が素晴らしい施設ですので、これからも注目していきたいですね。


工場跡事務室@奈良市-22

帰る頃には外は暗くなっていました。ますますいい雰囲気ですね

工場跡事務室@奈良市-23
リノベーションされた工場跡と月

工場跡事務室@奈良市-25
お向かいにあるオーガニック衣料・雑貨販売の「NATIVE WORKS.」さんにも灯りが点っていました。店内には入りませんでしたが、とても素敵なお店でした



大きな地図で見る


■工場跡事務室

HP: http://kojoato.main.jp/wp/
住所: 奈良県奈良市芝辻町543番地
電話: 0742-22-2215
定休日: 月~木
営業時間: 金 11:00-18:00、土日祝 9:00-18:00
駐車場: なし
アクセス: 近鉄奈良駅から徒歩15分ほど


■参考にさせていただきました!

まほろば(奈良・大和路) 工場跡事務室(奈良市)
奈良倶楽部通信: フトルミン工場跡にカフェがオープン!


●【食べログ】の該当ページへ

工場跡事務室 カフェ / 近鉄奈良駅
昼総合点★★★★ 4.0






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