2016-11-16

ネギのぬたを使った丼?『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町

ネギのぬたを使った丼?『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町

磯城郡川西町で、特産品のネギ「結崎ネブカ」を使った新たなご当地グルメ「結崎ネブカ丼」が発表になりました。そのレシピは、なんとネギの「ぬた」(≒酢味噌和え)をご飯に載せるというもの!室町時代から食されていた素材と調理法にこだわった歴史グルメとなっています。

「どんな味なんだろう……」と思いきや、とってもまろやかで美味しかったです!


能面とネギが舞い降りた町・川西町

奈良県の中央部に位置する磯城郡川西町は、観阿弥・世阿弥の親子が大成した能楽の「観世座」の発祥の地として知られる土地です。

町内にはそれを伝える『面塚(めんづか)』という石碑が立っていますが、ここは「室町時代、能面とともに天からネギ(現在の結崎ネブカ)がおりてきた」という不思議な逸話が伝わっています。かなりユニークな組み合わせですね。

この結崎ネブカは、ずっとこの土地で栽培されてきましたが、葉が柔らかいため出荷などの際に傷みやすく、一時はほぼ市場から姿を消していました。しかし、2002年にその復活を目指して「結崎ネブカ復活プロジェクト」が立ち上がり、現在では22軒の農家さんで合計120アールが栽培されるまで復活。大和伝統野菜として口にできる機会も増えてきました。

そしてこの日、川西町が主導して結崎ネブカを利用したオリジナル丼「結崎ネブカ丼」の提供を開始するにあたっての試食・発表会が開催となり、ご縁があって出席させていただきました。


『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-01

「結崎ネブカ丼」の発表の舞台となったのは、川西町結崎の「川西文化会館」。この日は地元の文化祭も開催されていて、町民の方々にも結崎ネブカ丼が初めてお披露目される日となりました

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-02
「結崎ネブカ丼」発表会の様子。竹村町長さん、結崎ネブカの生産者さんなどが登壇し、開発の経緯やセールスポイント、意気込みなどを語られました。会場には、川西町のゆるキャラで、もちろん結崎ネブカをモチーフにした「ネッピー」(Twitter)も登場しています

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-03
レシピの制作などを担当された、フードコーディネーター・松田弘子さんのご挨拶も。後で結崎ネブカ丼のレシピ開発についてのお話を伺いましたが、かなり大変だったとか(参考:「結崎ネブカ丼発表試食会|フードコーディネーター 松田弘子のBLOG」)


ネギの「ぬた」を丼に!驚き!

新登場した「結崎ネブカ丼」のなにが驚いたかと言うと、ネギの「ぬた」(Wikipedia)を使った丼だという点です。ぬたとは、一般的に「酢味噌和え」というような調理法のことで、あまりこれを丼にしたりするイメージはありません。

しかし、今回のレシピでは、今から600年も前の室町時代から栽培されていた結崎ネブカと、その当時から食べられていた調理法「ぬた」で食することにこだわったのだとか。白味噌・酢・砂糖・油揚げなど、素材もすべて当時から存在していたものばかりで、「600年前にも食べられていた(かもしれない)一品」をイメージできるようになっています。


『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-04

発表会の会場に用意された、撮影用の「結崎ネブカ丼」と、地元で採れたばかりの「結崎ネブカ」。結崎ネブカ自体は、シャキシャキっとしていながら、食感はやわらか。旨味が強く感じられる、とても美味しいネギです

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-06
その結崎ネブカをぬたにして丼に仕立てた、かなりチャレンジングな一品「結崎ネブカ丼」。ネギを使った丼といえば、刻んだ生ネギを大量に載せたりするものがイメージしやすいですが、まさかぬたとは!レシピを考案した松田さんも、町から「ぬたで行きたいんだ」というお話をいただいた際にかなり驚いたそうです(笑)

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-07
会場のお客さんたちにも試食用のミニ丼が配られます。小さなお子さんも多かったですし、ネギが苦手に思われたりしないかと、ちょっと心配しながら眺めていたんですが、ほぼ口を揃えて「食べやすい!」とおっしゃってました


まろやかでヘルシー。美味しい丼です

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-08

試食させていただいた「結崎ネブカ丼」。白ご飯の上に刻み海苔、そして茹でた結崎ネブカと炙った薄揚げに、ぬたのタレ(白胡麻・酢・出汁・薄口醤油・すりゴマ)をかけてあります。

なかなか味の想像がつかないと思いますが、これがまろやかで食べやすくて、かなり美味しかったです!ぬたにしてありますが、酸味も甘味も適度でまろやか。ネギの風味もしっかりと感じられますが、ネギ独特の臭みはおだやかになっています。

また、結崎ネブカの食感が絶妙でした。青い葉の部分からはシャキッとした歯ごたえも感じながらも、白い茎の部分はとろけるようにやわらか。筋が気になったりすることもありません。お話によると、白い茎の部分は1分、青い葉の部分はわずか30秒しか茹でていないのだとか!生でも美味しいネギですから、このくらいのシンプルさが一番いいんでしょうね。

見た目が地味すぎるような気もしますし、町おこしの起爆剤としてはもうひと捻りあってもいいかなとは思いますが、お味はかなり美味しいです。そこらの庶民的な食堂で……というよりは、ちょっといい日本料理店で食べたいお味ですね。これから川西町で提供店舗が増えていくと思いますのでご期待ください!

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-09
壇上での最後の記念撮影です!


『カフェねぶっか』から提供開始です

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-10
発表会の後、川西文化会館のすぐお向かいにある『カフェねぶっか(Nebooca)』さん(食べログ)へ移動して、こちらでいち早く提供が始まる「結崎ネブカ丼(のアレンジメニュー)」を試食させていただきました

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-11
お昼のランチメニューとして提供される「ネブカランチ」。ご飯を中央に、向かって右手が結崎ネブカのぬた、左手が蒸鶏のネブカ塩ダレが盛り付けてあります。付け合せには、刻み海苔と辛子。このように、元のレシピそのままではなく、結崎ネブカ塩の取扱各店舗でアレンジしながら提供していくそうです

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-12
蒸鶏のネブカ塩ダレ。やわらかな鶏に、結崎ネブカの風味がしっかり活きたタレがかかっていて美味しかったです。。ネギのぬただけだとややボリューム的に物足りなさがあったりしますので、こういう組み合わせはいいですね。結崎ネブカのシーズンは9月~3月上旬頃まで。これからどんなアレンジが見られるのか期待したいと思います!

『結崎ネブカ丼』発表会 @川西町-14
竹村町長さんにもこんなポーズを取っていただきました!


■川西町

HP: http://www.town.nara-kawanishi.lg.jp/index.php
Facebook: https://www.facebook.com/kawanishi.nara

※実際に開催されたのは「2016年11月6日」でした
※川西町の情報は、Twitter「ネッピー(結崎ネブカ)」(@neppy10)のアカウントなどでも発信中です。ぜひフォローしてみてください。


■参考にさせていただきました

結崎ネブカ丼発表試食会|フードコーディネーター 松田弘子のBLOG
【時事ドットコム】伝統野菜でご当地グルメ=奈良県川西町
【食品新聞社】「結崎ネブカ丼」で町おこし 奈良県川西町
【Lmaga.jp】消滅危機の奈良伝統野菜、丼で復活


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