2014-06-14

飛鳥だけじゃない!ユニークな『猿石』@高取城跡(高取町)

飛鳥だけじゃない!ユニークな『猿石』@高取城跡(高取町)

高取町「高取城跡」の道沿いに、ユニークな表情をした石像『猿石(さるいし)』があります。丸い顔に丸い目鼻、大きな耳。少し微笑んでいるような口。まさに猿っぽい表情です。じつはこの像、明日香村・吉備姫王墓にある4体の猿石の兄弟のような存在で、1体だけ高取城に運ばれてしまったのです。数奇な運命をたどった飛鳥時代の石像に注目してあげてください!


巨大な山城の石垣が遺る「高取城跡」

高取町の『高取城跡』(Wikipedia)。巨大な山城跡ですが、高取山の広いエリアに石垣が築かれ、今もほぼそのままで遺っているという、とても貴重な遺構です。


この記事中では、駐車場から行きやすい「大手門」より上のエリアをご紹介しましたが、そのさらに下側の見どころも簡単にご紹介しておきます。


明日香村から1体だけ連れて来られた猿石

大手門跡から約20分ほどの位置にある「ニの門」跡。その前に、明日香村「吉備姫王墓」に置いてある4体の『猿石(さるいし)』(詳細記事)とほぼ同じものが置かれています。

明日香の猿石たちは、明日香村平田で発見されすぐ近くへ移されていますが、どういう訳かこの1体のみ、だいぶ離れた高取城へ運ばれてきています。生き別れた兄弟のようなものですね(笑)

現地の説明によると、このような特徴があるのだとか。

●花崗岩製。高さ85cm×幅75cm×厚さ65cm
●目と鼻は円形、顔面も丸く平坦。口元の両端を上げ、耳は顔側面全体に。右手をやや上げ、股間に陽物(男性器)らしき表現もある
●飛鳥時代の制作と考えられる
●飛鳥の猿石と同様、明日香村平田で掘り出され、高取城築城の際に石垣材として運ばれ、その途中にここに置かれたらしい
●猿石が乗せられている台石は古墳の石材の可能性も

高取城の築城は、南北朝時代の1332年ごろに始まりましたが、16世紀に主だった部分が造られています。どのタイミングかは分かりませんが、おそらくは石垣に使うために、または、魔除け的な意味合いもある「結界石」として運ばれたのでしょう。

ひょうひょうとした表情ですが、とても不思議な来歴の方なのです!


猿石@高取城跡(高取町)-01

高取城跡の山道沿いにある、高取町の『猿石(さるいし)』。向かって左手が城下町に下る道、右手は明日香村栢森への道。その分岐点に置かれています。古くはお城を守る「ニの門」があった前にあたります

猿石@高取城跡(高取町)-04
丸い顔に丸い目鼻、大きな耳。顔は少し微笑んでいるようでもあります。明日香の猿石と比べても、明らかに猿っぽい作りです

猿石@高取城跡(高取町)-03
現地の説明書き。明日香村の同じ場所から見つかり、この1体だけここに運ばれてきました。ひょっとしたらもっと多数あったのかもしれませんが、色々と不思議ですね

猿石@高取城跡(高取町)-21
以前に撮影した明日香村・吉備姫王墓に置かれた猿石たち(詳細記事)。計4体あり、手前が「山王権現」、奥が「女」と呼ばれています。おそらく以前はここに一緒に祀られていたんでしょうね

猿石@高取城跡(高取町)-22
こちらも明日香村の猿石で、手前が「僧(法師)」、奥が「男」です。西日のためやや見づらいですが、高取城の猿石と、この僧は似た点も多いですね

猿石@高取城跡(高取町)-05
アップで。股間の陽物らしき突起があります。右手は指が作ってあり、左手はそれと比べてかなりラフな感じです

猿石@高取城跡(高取町)-06
正面左側

猿石@高取城跡(高取町)-08
背中側もやや掘った跡が観られます。明日香の猿石は正面からしか観られませんが、ここであれば後ろ側もはっきり。何のために作られたものなんでしょうか?


近くには展望抜群の「国見櫓」跡も

猿石がある「ニの門」跡から240m山頂側に、「国見櫓」跡への分岐道があります。

「国見」なんて名前が付けられているくらいですから、今でも眺望はバツグン。大和三山などが一望できるのはもちろん、お天気次第で六甲山・比叡山などまで見渡せるとか!わずかな距離ですから、ハイキングの方はぜひ寄り道してみてください。


国見櫓@高取城跡(高取町)-13

高取城跡のメインの道から「国見櫓」跡への分岐点。道もちゃんと整備されていますし、わずか120mの距離ですので、ぜひ立ち寄ってみてください

国見櫓@高取城跡(高取町)-16
国見櫓からの眺め。もう夕方近かったので見晴らしはそこそこですが、真正面に二上山が見えました。そこから向かって左手に葛城山、右手に生駒山が連なります。手前にあるのは高取にある貝吹山など。その右手に特徴的な形の畝傍山なども見えます

国見櫓@高取城跡(高取町)-15
こんな写真付きの説明もあります。ここは奈良県の「まほろば眺望スポット百選」にも選ばれているとか。夜景も見事なようですが、夜道は真っ暗でしょうから注意が必要です


立派な石垣、崩れた石垣、石塔の名残など

石垣など@高取城跡(高取町)-17
高取城「松ノ門」跡。道筋には、こうした石垣が何箇所も観られます。よくこんなにたくさんの石を運んだことにも驚きますし、その多くがほぼそのままの状態で遺されていることにも驚きます!

石垣など@高取城跡(高取町)-18
しかし、ところによっては石垣が崩壊した部分も。木々が張った根が石垣を少しずつ蝕んでいったりするそうです

石垣など@高取城跡(高取町)-19
燈籠のあとや……

石垣など@高取城跡(高取町)-20
石塔の名残なども。まさに「兵どもが夢の跡」ですね



■史跡 高取城跡

HP: 参考サイト(高取町観光ガイド)
住所: 奈良県高市郡高取町高取
駐車場: 数台分あり
アクセス: 近鉄吉野線「壺阪山駅」から徒歩2時間ほど

※7月・8月ごろはマムシなどが出没するそうです。出来ればこの時期は外しましょう
※実際に現地に行ったのは「2014年4月27日」でした


■参考にさせていただきました

大和路アーカイブ [猿石(高取町)]
高取城■高取町観光ガイド
高取城 - Wikipedia


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