
登録有形文化財に登録された美しい橋『開運橋』@信貴山
信貴山『朝護孫子寺』の門前にかかる、国の登録有形文化財「開運橋(かいうんばし)」。全長106mで、車止めが寅モチーフだったりする可愛らしい橋ですが、「トレッスル式橋脚」を用いた「上路カンチレバー橋」という貴重なものだとか。真下から見上げてみると、かっこいいんです!
平群町・三郷町間の大門池に架かる106mの橋
信貴山『朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)』の門前にかかる「開運橋(かいうんばし)」。平群町と三郷町を隔てる大門池に架かる、全長106mの橋で、三郷町側の親柱には「昭和6年12月竣工」(1931年)と刻まれています。
この開運橋、2007年に国の登録有形文化財へ登録された、とても貴重な建造物なのです!
開運橋は、朝護孫子寺の駐車場から境内へ向かう途中にあります。かつて信貴山には山上電車が走っていて、その終点となる信貴山門駅から朝護孫子寺への参道として建設されました。車止めが寅モチーフだったりして、ちょっと可愛らしい印象ですが、そんな歴史ある橋なのです。
信貴山にある登録有形文化財「開運橋(かいうんばし)」。寅のお寺・信貴山朝護孫子寺の参道にあるだけに、車止めも寅モチーフです。お寺の駐車場側は平群町、橋を渡った商店街の側は三郷町になります
橋の手すりにも寅!登録有形文化財という貴重なものでありながら、このゆるさがいいですね!
開運橋は、大門池に架かる全長106mの橋です。赤く塗られていて、奈良の風景に馴染んでいます
春の季節は、開運橋から見事な桜が観られます。高台に見えるのが「信貴山観光ホテル」さん。一面が見晴らせる絶景ホテルですね
開運橋から見える、236号線に架かる「信貴大橋」。アーチが美しい現代的な構造です
朝護孫子寺の駐車場からすぐ下へ行けます
開運橋は、その上を通って景色を楽しむのもいいですが、朝護孫子寺の駐車場からの細い道を進んでいくと、橋の下の構造をじっくりと眺めることができます。私のような素人が観ても、明らかに新しいアーチ橋とは違う、複雑な造りであることが分かります。
美しい開運橋を下から眺められる場所もあります。駐車場からすぐですから、あまり興味のない方もぜひ寄り道してみてください
鉄骨が複雑に組み合わされた、とても美しい構造ですね。鉄塔を横に倒したような印象です
信貴大橋から遠望した開運橋
複雑な鉄骨が見事!歴史ある美しい構造物
この開運橋は、説明書きによると、以下のような点が特徴的であることから、登録有形文化財になったのだそうです。
●開運橋が 国の「要録有形文化財」になりました
【開運橋】は昭和6年に完成し、「カンチレバー」と呼ばれる構造をしています。(カンチレバーとは片持ち梁のことであり、梁の両端の一方が固定され、他方は動く事ができる構造体を指します。
戦前の上路カンチレバー橋はほとんど残っておらず、現存する橋ではこの開運橋は最古の物になります。
また、橋脚も鉄骨を組み合わせて作られたトレッスル(橋脚)で珍しいものです。
説明書きより
まずは、「カンチレバー」(Wikipedia)。片持ち梁・キャンティレバーなどと呼ばれるもので、プールの飛び込み板のように、一端が固定され他端は動かせる構造体のことだとか。
残念ながら、私にはどちらが固定で、どちらが動かせるのかは分かりませんでしたが、上が道路となっているカンチレバー橋としては、開運橋が現存最古のものになるそうです。
そして、「トレッスル橋脚」(Wikipedia)とは、架台のような構造物に橋桁を乗せた桁橋のことで、鉄道橋として使用されることが多かったもの。日本最長のトレッスル橋であった山陰本線の「余部鉄橋」などが代表です。
トレッスル橋脚の建造物も数が減ってきているそうですが、南海高野線の橋本駅~高野山駅の区間に「中古沢橋梁」(参考サイト)なども残っているそうです。機会があったらこちらも拝見してみたいですね!
開運橋が国の登録有形文化財に指定されたことを説明した看板
信貴山・開運橋を下から眺めたところ。一端が固定され他端は動かせる構造体である「カンチレバー」という方式のようですが、どちらが固定で、どちらがフリーなのかは分からず。赤い鉄骨の連続と、対岸に咲いた桜が見事です!
鉄骨を組み合わせた架台のようなものが用いられた「トレッスル橋脚」。アーチ型の橋と比べて、どこか無骨な印象ですが、とても美しいですね
真下から。迫力あります
橋脚の部分。正直なところ、これらがどこまで貴重なものかは私には分かりませんが、構造物としてとても美しいことは間違いありません。ぜひ間近で観てみてください!
■開運橋(かいうんばし)
HP: 参考サイト(Wikipedia)
所在: 生駒郡三郷町信貴山西
駐車場: 信貴山朝護孫子寺の駐車場を利用(500円)
アクセス: 近鉄「信貴山下駅」から、信貴山行きバスで約12分、「信貴山」下車。徒歩約15分
※実際に現地へ行ったのは「2014年4月8日」でした
■参考にさせていただきました
ええ古都なら|おすすめエリア 開運橋(かいうんばし)
カンチレバー - Wikipedia
トレッスル橋 - Wikipedia
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