2013-06-01

江戸期の重厚な建築物!五條新町『まちや館』@五條市

江戸期の重厚な建築物!五條新町『まちや館』@五條市

五條市の「五條新町」エリアに、江戸時代末期に建てられた民家を改装した無料施設『まちや館』があります。初代の保安庁長官・木村篤太郎氏の生家とのこと。土間から蔵へ移る辺りの陰影が美しいですし、立派な梁や欄間など、細部まで見飽きません。古民家がお好きな方はぜひ!


江戸時代末期の、重厚で美しい建築物です

17世紀の初頭~18世紀にかけて建てられた町家が集中しており、「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている『五條新町』。江戸時代、明治時代、大正・昭和初期、昭和戦後と、約4世紀にわたる民家の移り変わりを見ることができる、趣きのあるエリアです。

その一角に、江戸時代末期の建築で、初代の保安庁長官「木村篤太郎」氏(Wikipedia)の生家を改装した施設『まちや館』があります。こちらは、以前は「辻家住宅」として公開されていたもので、2011年4月から入館料「無料」で公開されています。

ここは貴重な建築物自体を拝見できる施設で、中でコーヒーやソフトクリーム、また地元・五條市の特産品の「柿」を使った『奈良吉野いしい』さんの柿スイーツなどをいただくこともできます。休憩がてら立ち寄るのにちょうどいいでしょう。

建築物としては、重厚な建物が立ち並ぶ新町通りの中でも、特に風格が感じられるものだとか。中に入ってみると、とても美しく整備されていました。


 この建物は、新町通り北側のやや曲がったところに建っているため、道路沿いの室はやや不整形になっています。伝統的な町家建築の様式をとり、主屋はその様式から江戸末期頃のものとみられています。
屋根形式は本瓦葺で切妻造の平入、外壁は塗家造の白壁腰板貼りとなっています。平面形式は、桁行約3間(約5.4 メートル)、梁間3間半(約6.3メートル)前後の主屋に2間(約3.6メートル)四方の角屋(座敷)をつけたものです。室は6畳と8畳の2間からなり、土間にはもともと「つし」はなく、吹き抜けになっていました。
 なお、今は窯屋が後方へ下屋になって出ており、角屋の屋根は高く、主屋と軒先をそろえている点が古風です。


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五條新町の中心を走る「新町通り」に面して建つ、重厚な古民家建築『まちや館』。政治家・木村篤太郎氏の生家であり、江戸時代末期のものだとか

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まちや館の入館は無料です。木村篤太郎氏ゆかりの品々の展示はありますが、基本的には建物の美しさを楽しむ施設で、中ではソフトクリームやコーヒーなどもいただけます

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土間部分。この建物は、表から裏まで突き抜ける「通り土間」ではなく、土間が片寄って配置された「片土間」の形となるのだそうです

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土間から見上げたところ。太い梁が圧巻ですね!まちや館は2階にも上がらせてもらえますが、この部分は立ち入ることができませんでした。残念!


初代の保安庁長官・木村篤太郎氏ゆかりの品も

まちや館の母屋は、和室と廊下で奥へと伸びていく作りになっています。大きくて立派な古民家ですから内部もかなり広く(館内図はこちら)、やや湾曲しているのが分かります。

一番手前の和室には、木村篤太郎氏のゆかりの品々が展示されています。この方のお名前は存じませんでしたが、昭和の大政治家だったんですね。1886年に五條生まれで、弁護士を経て、1946年に検事総長に就任。第1次吉田内閣の司法大臣を務めるなど閣僚を歴任、1953年には初代の保安庁長官に就任した方というのが、簡単な経歴になります。

下宿先から実家へ贈った無心の手紙が残されていたり、立派な勲章があったりと、施設のボランティアの方のお話を聞きながら拝見すると、とても分かりやすく見られました。


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床の間の壁が紅色に!適度な華美!

板の間の奥には、和室2間のスペースがあります。お庭に面した和室で、ここで飲食できるように居心地よく(言い方を変えると庶民的に、どこか実家っぽく)リノベーションしてあります。大きな押入れの板戸の下部が繰り抜いてあって、中に暖房設備を仕込んだりしてありました。

しかし、太い梁や床の間の作りなど見事ですし、床の間側の壁だけ紅色になっているのもいいですね!暗くなりすぎず、華美になりすぎず、いいバランスです。細部まで凝った作りになっていて見ていて飽きませんでした。


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まちや館のメインの和室。手前が4.5帖、奥が8帖になっています。床の間側の壁の赤がシック!

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小窓を上げ下ろしして開閉する「雪見窓」ではなく、一部を開閉できる「猫間障子」というものらしき形の障子でした

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開けたところ。障子の中にミニ障子がある感じですね!初めて見ました!


リノベーションされた2階もいい雰囲気

さらに奥へ進むと「離れ座敷」があります。その脇の急な階段をあがると、貸しスペースとして利用できるらしき部屋が2間ありました。ここも一部の壁が紅色になっていて、欄間や建具も見事!エアコンが見えるところに設置されていたりするのは気になりますが、細部までとても美しい作りです。


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土間から蔵へと抜ける陰影が美しいです!

また、土間から奥の蔵の方へ進むと、薄暗いかまどがある薄暗い土間が続き、外へ出ると深い井戸が。手前のぬれ縁がついた白い壁の建物は離れで、少年時代の木村篤太郎氏が勉強した部屋も再現されていました。

外と内が曖昧な、日本建築らしい建物ですね。陰影のコントラストが鮮やかで、晴れた日や雨の日など、天気や時間帯によっても色んな表情が見られるでしょう。和建築の雰囲気がお好きな方であれば、きっと長居したくなる建物だと思います!


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■まちや館(五條新町)

HP: http://www.city.gojo.lg.jp/www/contents/1143642744207/index.html
住所: 奈良県五條市本町2-6-6
電話: 0747-23-2203
休館日: 月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
営業時間: 10:00 - 17:00(11月~3月末までは16:00閉館)
駐車場: 無料駐車場あり(このページを参照
アクセス: JR和歌山線「五条駅」から10分ほど

※2011年4月から入館料が「無料」になっています


■五條新町

HP: http://gojo-sin.info/index.html
Facebook: https://www.facebook.com/gojyoushinmachi

※実際に拝見したのは「2013年5月18日」でした


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