無料で楽しめる植物園『奈良カエデの郷ひらら』@宇陀市
宇陀市菟田野の小学校跡地にオープンした『奈良カエデの郷 ひらら』へ行って来ました。世界のカエデの1,200種・3,000本を集めた、迫力のある植物園で、懐かしい校舎を使ったカフェなども併設されています。ひと口に「カエデ」と言っても、色合いも葉の形もさまざまで見応えがありました。こんな施設が無料で拝見できるんですから嬉しいですよね!
収集した世界のカエデ「1,200種・3,000本」!
宇陀市菟田野の小学校跡地にオープンした、世界の「楓(かえで)」1,200種・3,000本を集めた植物園『奈良カエデの郷 ひらら』へ行って来ました。
この膨大なカエデは、写真家・矢野正善さん(ホームページ)が収集したものが旧菟田野町へ寄贈され、市町村合併後の宇陀市が引き継いだもの。
廃校となっていた旧宇太小学校の「16,000平方メートル」という敷地と建物を利用し、地元住民などによるNPO法人「宇陀カエデの郷づくり」を設立し、植物園として管理・運営していきます。
懐かしい小学校校舎(1938年に再建された古い木造校舎です)も見どころいっぱいですし、小学校の椅子や机などを利用した『Cafe カエデ』さん、地元の特産品の販売コーナーなども併設された、面白い複合施設になっています。
2013年4月28日にオープンした『奈良カエデの郷ひらら』。廃校になった小学校の跡地「16,000平方メートル」を使用した、広大な施設です。正面に見えるのが、歴史を感じさせる木造校舎。同じ規模の校舎が三棟平行して建っています
敷地の奥手からの眺め。グラウンド部分すべてにカエデが植わっていますので、これだけでもものすごい数ですが、この後方にあるビニールハウスでも膨大な種類のカエデが栽培されています!
2番めの建物前にあった園内マップ。マップの一番下部分がすべてカエデ園です。上の方の建物は、カフェ・特産品の販売所・集会所などに使用されます
カエデ園に隣接する建物。NHK朝の連続テレビ小説「あすか」のロケも行われたのだとか。校舎の中にも入れますのでお楽しみに!
廃校の小学校グラウンドいっぱいに楓が!
とりあえず、元グラウンドの部分を見て歩きましたが、種類が大量にあって葉っぱの形もさまざまなこと、名前が「笠置山」「屯鶴峯」など耳慣れたものがあって面白いこと、春なのに色とりどりであることなど、そんな点に注目しているだけでもそれなりに楽しかったです。
カエデについて、何の予備知識もありませんでしたが、こんなに種類があるものだとは思いませんでした。
手前の赤いものの名前が「笠置山」。色も形も多種多様です
地が緑で、縁だけ赤く染まる種(品種名は忘れました)
品種名「みずほ紅」
吉水
CALLICO
秋のイメージですが、見頃は「春」だとか
私たちだけで見て歩いても楽しいのですが、ちょうどNPO法人「宇陀カエデの郷づくり」の方(それもかなり上の役職の方)のご説明を伺えましたので、簡単に見どころなどをご紹介しておきます。
●紅葉する手のひら型の植物といえば「モミジ」が思い浮かびますが、植物学上はすべてカエデ科カエデ属に属し、カエデもモミジも同じものとされます
●「紅葉するから秋が見頃でしょ?」と思われがちですが、色とりどりで最も美しいのは「春」。5月末ごろまでがベストなのだとか。秋の落葉前に赤く染まる種類は多いが、春の方が面白いそうです
●栽培しているうちに突然変異が生まれることも多く、日本でもここでしか見られない種がたくさんあるそうです。珍しい種をあれとこれと…と、何種類も教えていただきました
●水やりが重労働。草抜きも大変かと思いきや、クローバーなどが生えているのは問題なく、背が高くなるような雑草は抜いているそうです
●市との契約の関係で、入場料は取れないとのこと(入場料を取るなら市の職員を常駐させる必要があるため)。市から補助金が出ていますが、カエデ苗の販売なども行なって運営費に充てたいそうです
この他にも、NPOの中心的な方々の中には設立金を自腹で提供なさった方も少なくないとか、若いスタッフさんが志願して住み込みで管理に当ってくれているとか、木造校舎を宿泊施設にしようという意見もあったが、耐震設計にするために億単位の資金が必要になるなどなど、面白いお話がたくさん聞けました(笑)
ビニールハウスの中には特に珍しい品種も多いようですし、タイミングが合えば、ぜひそんな解説を聞きながら歩いてみてください。楽しさ倍増ですよ!
奥の小高い部分にはビニールハウスが並んでいます
一番手前のビニールハウスは、種や苗のスペース。圧巻!
お隣のビニールハウスは、成長した鉢植えたちが並んでいます。解説を伺いながら見て回ったのですが、色も形もバリエーションが豊富で本当に面白いんですよね。熱中してこれだけ蒐集したくなる気持ちが、少しだけ分かるような気がします(笑)
品種名「琴姫」。真ん中から小さな葉が次々と出てくる姿が可憐!ちょっと赤みがかっているのもいいですね(※後から品種名が分かったものだけご紹介していきます)
斑入りの「雲井錦」
不思議な形と名前の「伊豆の踊子」。とてもカエデには見えませんね
「金隠れ」。これから花が咲くのか?
意味ありげな名前の「SISTER GHOST」
同じ木に、鮮やかな赤と紫がかった赤の葉が。一枚の葉の中でも色が混ざり合うんですから、不思議ですね
ここにしかない珍種「屋久島大錦」。ウリのような葉といい、赤みを帯びた幹といい、不思議な姿ですね
アメリカ産で、世界で最も葉が細いカエデ「FAIRY HAIR」。柳のような姿が面白い品種で、マスコミさんで取り上げられる率ナンバーワンだそうです(笑)
こんな風に、写真を撮りながらだと、どれだけ居ても飽きませんね!カエデの葉はとてもフォトジェニックですので、写真好きな方は(周りのご迷惑にならない程度に)撮影してみるといいでしょう
すぐ近くで、カエデの販売も行なっています。販売用のカエデが置いてあるビニールハウスも拝見しましたが、いろいろ目移りしますね。ビニールハウスの中のものは値段がついていないものも多いので、外に並んでいるものから選ぶようにするとベターです。我が家でも小さな鉢(@500円)を購入してきました!
なぜかサボテンや多肉植物も置いてありました。事情は分かりませんが、すごくお安くて驚きました!
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■World Maple Park 奈良カエデの郷「ひらら」
HP: http://udakaedenosato.main.jp/
所在地: 奈良県宇陀市菟田野古市場135-2
電話: 0745-84-2888
閉園日: 月曜日
開園時間: 10:00 - 16:00
入園料: 無料
駐車場: 無料
アクセス: 名阪国道「針I.C」から約30分
※すぐ近くに、国宝の社殿を持つ古社「宇太水分神社」(Wikipedia)がありますので、合わせてお参りください。
※お子さん連れなら、無料で楽しめる「うだ・アニマルパーク」(紹介記事)もどうぞ。
■参考にさせていただきました
カエデ モミジ MAPLE Acer 資料/写真植物園
mahono blog「まほろぐ」 奈良カエデの郷「ひらら」~1200種類3000本のカエデを集めた植物園~(宇陀市)
mahono blog「まほろぐ」 奈良カエデの郷「ひらら」~懐かしい雰囲気が残る木造校舎~(宇陀市)
旧宇太小学校(うたしょうがっこう)|ウタ駆けメグル ~菟田野 満喫ブログ~
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