
二上山が遠望できる『崇神天皇陵』の夕暮れ@天理市
天理市柳本町にある、第10代天皇を祀る『崇神天皇陵』(柳本行燈山古墳)。全長242mの前方後円墳で、周りをたっぷりと水をたたえた周濠が囲んでいます。その堤から二上山を遠望した写真を見かけたため、さっそく観に行ってきました。予想とはちょっと違うアングルでしたが、美しい宵闇の訪れが観られました!
崇神天皇陵の周濠から二上山と夕日を
天理市柳本町にある、第10代「崇神(すじん)天皇」(Wikipedia)を祀る『崇神天皇陵』。考古学的には「柳本行燈山古墳」と呼ばれ、全長242mという巨大な前方後円墳です。
御陵自体も大規模ですが、その周りの周濠も巨大。たっぷりと水をたたえ、野鳥などが生息する池になっています。
先日、書籍『中西進の万葉こゝろ旅3』を読んでいたところ、崇神天皇陵からはるか遠くの二上山を遠望した写真が掲載されているのを拝見しました。これまでにも何度もお詣りに来ていますが、そんな光景が見られることはまったく知らず、夕方に行ってみました。(日中の画像は、すべて以前に撮影したものです)
水田越しにみた『崇神天皇陵』(柳本行燈山古墳)。古道・山の辺の道沿い、巨大な古墳が集まる「大和古墳群(おおやまとこふんぐん)」(Wikipedia)の中心的な存在です。
崇神天皇陵の遥拝所。宮内庁が管理する天皇陵は、墳丘への立ち入りは禁止されています。やや遠目の位置に鳥居があり、その前からお詣りできるようになっています
遥拝所の脇から観た崇神天皇陵。大きな周濠(しゅうごう)が周りを取り囲んでいます
これが『中西進の万葉こゝろ旅3』に掲載されていた一枚。タイトルは「崇神天皇陵から二上山を遠望する」。美しいですね!歌は柿本人麻呂の「磯城島(しきしま)の 日本(やまと)の国は 言霊(ことだま)の たすくる国ぞ ま幸(さき)くありこそ」です
御陵の北側の堤から二上山が観られました
書籍に掲載されている写真では、御陵の南側に立ち、西側にある二上山を遠望しているように見えるのですが、実際に行ってみたところ、まったくこのような風景は見られませんでした。
崇神天皇陵のすぐ西側に2つの陪塚(巨大古墳の近くに作られる小さめの塚)があり、全長120mの前方後円墳「北アンド山古墳」の樹木が高く伸びていて、視界を遮っています。また、国道169号線をはさんですぐの「伊射奈岐神社」(紹介記事)の樹々もあり、まったく見晴らせません。
そこで、崇神天皇陵の周濠北側へ移動してみたところ、写真とはかなり違うアングルですが、二上山が見えることが分かりました。
崇神天皇陵の堤の北側(長岳寺や天理トレイルセンター側)からの眺め。手前にある遥拝所の鳥居が水面に映り、はるか遠くにふたこぶ型の「二上山」が見えます。イメージとは違いましたが、とても美しい光景ですね
ちょっとアップで。二上山がはっきりと見えます
美しい夕景。大和は国のまほろばです
この日、夕方から西の空が薄っすらと赤身を帯びてきて、美しい夕焼けになりそうな予感はあったのですが、残念ながら赤く染まらないまま夕闇になってしまいました。それでも、水面に映った空はとても美しかったですし、素晴らしい光景が観られたと思います。
簡単に写真だけご紹介しておきます。
■崇神天皇陵
所在地: 奈良県天理市柳本町
陵形: 前方後円墳
駐車場: あり
アクセス: JR「柳本駅」から10分ほど
■参考にさせていただきました