2013-02-11

下半身の病気が治る素朴な石像『弥勒石』@明日香村

下半身の病気が治る素朴な石像『弥勒石』@明日香村

飛鳥川の東岸にたつ、不思議な石仏『弥勒石(みろくいし)』をお詣りしてきました。2.5メートルほどの高さで、シンプルなお地蔵さまのよう。「下半身の病気が治る」として、今でもお詣りする方の姿が耐えません。とても素朴で、いかにも飛鳥らしい仏さまでした。


高さ約2.5m。素朴な姿のミロクさん

飛鳥川の東岸にある、不思議な石仏『弥勒石(みろくいし)』。飛鳥寺(Wikipedia)の南西方面、徒歩で10分くらいの位置にあります。

弥勒石は、高さが2.5メートルほど。素朴な彫り方のお地蔵様にも見えます。木製の簡素な祠(と休憩所)が建てられていて、懐かしい田舎のバス停留所のよう。美しいお花が手向けられていて、ちゃんと地元の方に守られているのが伝わってきます。

この「弥勒石」は、真神原の西に流れる飛鳥川の右岸に位置する石柱状の巨石である。石には仏顔面もほとんどないが、わずかに目と口とみられる部分が細工されているだけである。
弥勒石を拝むと下半身の病気が治るといういい伝えがあり、今も地元や周辺の人々の進行を集めるとともに、「ミロクさん」と呼ばれている。
毎年旧暦8月5日に飛鳥大字がお祭りを行なっています。


説明看板より


「ミロクさんにお詣りすると下半身の病気が治る」という言い伝えのため、祠のまわりにはたくさんの草鞋(わらじ)が奉納してありました。足もない弥勒石がなぜそのような信仰対象になったのかは分かりませんが、面白いですね。


弥勒石@明日香村-01

明日香村を流れる「飛鳥川」。ここは舗装されていませんが、サイクリングにも利用しやすいように整備されています。のどかな風景を眺めながらお散歩すると気持ちいいですよ

弥勒石@明日香村-02
弥勒石を祀る祠と、そのお隣の休憩所。飛鳥寺からのんびり歩いて10分くらいの位置にあります

弥勒石@明日香村-04
弥勒石をアップで。首が埋まったお地蔵さまのようですね。首周りは比較的はっきりと掘ってありますが、目と口らしきものは曖昧です。表情は読み取れませんが、どこかのんびりとした雰囲気は感じられますね

弥勒石@明日香村-03
弥勒石にはきれいな花がお供えしてありました。小さな整理棚があって、そこにお線香などが収められているんでしょう。地元の方に大事にお守りされているのが伝わってくるようです

弥勒石@明日香村-05
すぐ脇に説明書きがあります。「毎年旧暦8月5日に飛鳥大字がお祭りを行なっています。」とのことですから、いつか参列してみたいですね

弥勒石@明日香村-07
下半身の病気が治ると言い伝えられているだけに、たくさんの草鞋が奉納されていました。切実な問題ですから、お悩みの方はぜひ!

弥勒石@明日香村-06
草鞋!草鞋!


川の堰に使われた石だった?条里制の標石だった?

明日香村には不思議な石造物が遺されていて、これまでにも何度も観に行っていますが、その中でももっとも素朴なものかもしれません。


なお、手元にある『もうひとつの明日香』という本に、この弥勒石についての記述がありましたので、簡単にご紹介しておきます。

この弥勒石は、明日香村の岡大字にありますが、管理や年に一度のお祭りを行なっているのは、飛鳥川の上流側にあたる飛鳥大字の方々です。

飛鳥大字の辺りには、飛鳥川の水を田畑に取り入れるための「木ノ葉堰」がありますが、この堰は以前は現在の弥勒石の辺りにあったのではないかと予想しています(「木ノ葉」という小字名が残っているそうです)。そして、弥勒石とは、川の中に置いておいて水を導く目的で使われていた大石で、旧暦8月15日にお祭りを行うのは、その日が弥勒石を川から引き上げた日だったからではないかという説を紹介しています。

仏さまを意識して彫ったのではなく、機能的な必然性からこの形になった可能性があるのですから、これも面白いですね。この他にも、条里制の標石として作られたという説もあるようです。弥勒石の前に立って、手を合わせながらいろんな想像をしてみるのも楽しいでしょう。


■弥勒石

住所: 奈良県高市郡明日香村大字岡

※実際にお詣りしたのは「2013年2月3日」でした。

■参考にさせていただきました

飛鳥京観光協会「弥勒石」
飛鳥の弥勒石 - ドライブと鉄道 - Yahoo!ブログ






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