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琳派デザインの美!『くらべて楽しむ琳派作品』@大和文華館(奈良市)

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大和文華館の特別企画展『くらべて楽しむ琳派作品』(※すでに終了)を拝見しました。本阿弥光悦・俵屋宗達、尾形光琳・乾山などに代表される「琳派(りんぱ)」作品の高いデザイン性などが楽しめる素晴らしい内容でした。ほとんどの作品が写真撮影可能だったのも楽しかったです!

「琳派」作品はグッドデザインの宝庫!

「大和文華館」Twitter)で開催された特別企画展『くらべて楽しむ琳派作品』(会期:2025/08/22~9/28 ※すでに終了)を拝見してきました。

「琳派(りんぱ)」とは、桃山~江戸時代前期の本阿弥光悦・俵屋宗達、江戸時代中期の尾形光琳・乾山、江戸時代後期の酒井抱一らの美術的な系譜です。

やまと絵の伝統を基盤としつつ、見せ方や配置が斬新で、すでに現代的といえるデザイン性が感じられる点が特徴で、絵画から工芸まで幅広いジャンルを手掛けています。

今回の特別展では、様々な時代のバリエーション豊かな琳派の作品が、古典作品や他派の作品とともに展示されていました。すでに会期は終了していますが、素晴らしい内容でしたので簡単にご紹介しておきます。

▲近鉄さん系列の美術館である「大和文華館」は、国宝「婦女遊楽図屏風〔松浦屏風〕」など、貴重な美術工芸品を多数所蔵しています。その外観は、桃山建築の海鼠壁(なまこかべ)をイメージさせる印象的なもので、アプローチから胸が躍ります!
今回の特別企画展では、一部の作品を除いてほぼ写真撮影可能となっていました。お気に入りの作品を画像として手元に残せるだけでも嬉しいですね。館内にはソファも用意されていて、こうやってじっくりと作品を鑑賞することもできます。

▲会場の入口付近に展示してあった、重要文化財「沃懸地青貝金貝蒔絵群鹿文笛筒」(伝本阿弥光悦作)。光悦が得意とした蒔絵がほどこされた筒です。シンプルにデザインされた鹿がモダン!

「新古今集和歌色紙」(本阿弥光悦筆)。能書家としても知られる光悦の作品で、下絵は俵屋宗達の工房によるものと考えられるとか。デザイン的な同じモチーフを繰り返し使うのが琳派っぽさです。
▲こちらは国宝「寝覚物語絵巻」。今回は琳派との比較として展示されていましたが、平安時代後期の作で、さらっと国宝です。雅!
俵屋宗達の筆と伝わる「伊勢物語図色紙(七十三段月のうちの桂)」。人物の描写もそうですが、周囲の山河の抽象化がすごいですね。一瞬にして時空を飛び越えるかのようです。

▲江戸時代後期、酒井抱一が描いた「瓶花図」(の一部)です。洗練されてますね。このほかにも、伝岩佐又兵衛、伝土佐光吉の作品なども展示されていました。

江戸時代中期ごろの六曲一双の屏風「三十六歌仙色紙貼屏風」。細部まで豪華絢爛!

尾形光琳の「光琳波」が描かれた作品も

尾形乾山の作品「光琳筆銹絵菊図角皿」。絵付けは兄の光琳が行っています。水墨画のような味わいに、簡略化された花のデザインなどが目をひきます。さらさらっと描いたんでしょうがかっこいい!
▲こちらも同じく尾形乾山作の「色絵竜田川文向付」。竜田川の紅葉と流れる水をモチーフにしていますが、5枚すべてでデザインを変えてあります。素晴らしいですね。
▲こちらは尾形光琳筆の「流水図広蓋」です。桐製の箱の内側に描かれたもので、こうした装飾化された波は「光琳波」と呼ばれ、有名な光琳作の国宝「紅白梅図屏風」などでも見られます。間近で拝見するとその大胆さと繊細さが伝わってきました。

光琳波のトートなどミュージアムグッズも

▲大和文華館のミュージアムショップも、渋くて面白いアイテムが並びます(ミュージアムグッズはこちら)。「流水図広蓋」に描かれた光琳波をデザインしたトートバッグ(990円)は買いました!

▲また、私がもっとも好きな作品、雪村「呂洞賓図」のてぬぐい(1,000円)なども販売中です(持ってます)。かっこいいのでぜひ!

『くらべて楽しむ琳派作品』@大和文華館

HP【公式】特別企画展 くらべて楽しむ琳派作品
会期2025年8月22日(金)~ 9月28日(日)
入館料一般 630円、高校・大学生 420円、小学・中学生 無料

大和文華館

HP【公式】大和文華館
SNSX(Twitter)
住所奈良県奈良市学園南1丁目11番6号
電話0742-45-0544
休館日毎週月曜日、年末年始、展示替期間
※月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休
開館時間10:00~17:00

※実際に拝観したのは「2025年9月25日」でした。

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